TANK PLANが『死んだ山田と教室』を舞台化 こんにち博士脚本、村角太洋演出、山﨑晶吾が出演
2025年10月1日(水)~12日(日)下北沢 駅前劇場にて、TANK PLAN #2 舞台『死んだ山田と教室』が上演されることが決定した。
「劇団鹿殺し」の制作者、高橋戦車によるプロデュースユニット、TANK PLAN。今回、プロデュース第2弾として、第65回メフィスト賞の受賞をはじめ、「本の雑誌が選ぶ2024年度上半期ベスト10」第1位、第11回山中賞受賞、未来屋小説大賞 第2位、王様のブランチBOOK大賞2024を受賞し、そして2025年本屋大賞にノミネートされた話題作『死んだ山田と教室』を舞台化する。
脚本を務めるのは、「南極」(旧:南極ゴジラ)のこんにち博士。インスタライブでの生配信劇、YouTubeを利用したラジオドラマなど、「演劇」という枠を超えて活動し、注目を集める新星劇団。2022年には佐藤佐吉賞の「最優秀作品賞」「最優秀演出賞」など5部門を受賞し、業界内外で話題となっている「南極」の座付き作家だ。
演出を務めるのは、京都を拠点に活動をはじめ、2024年には令和5年度「大阪文化祭奨励賞」、「第2回関西えんげき大賞優秀作品賞」を受賞。テアトロコント、MITAKA“Next”Selectionなど様々な企画に招聘され 近年は東京での公演も多数行っている「THE ROB CARLTON」の村角太洋。その座付き演出家であり、松竹創業百三十周年 2025年11月公演『じゃりン子チエ』の演出など外部活動も活発に行う村角太洋が、今作の演出を務める。
そして、物語の主要人物・和久津を演じるのは、山﨑晶吾。ミュージカル『刀剣乱舞』、ミュージカル『薄桜鬼 志譚』、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、舞台『文豪とアルケミスト 捻クレ者ノ独唱(アリア)』など話題作に次々と出演し、俳優及びモデルとしても活躍している。
小劇場から2.5次元ミュージカルまで、様々なジャンルで活躍するメンバーが集結し、『死んだ山田と教室』の舞台化に臨む。また、和久津と山田以外のキャストは、全てオーディションにて決定する。
さらに、また、「舞台と本の、両方の世界を広げたい。新しい人たちにその世界に触れてほしい」という目的のもと、今舞台の「特別戯曲(高校生演劇部ver)」 を創作されることが決定。演劇はサブカルチャーの一端にあり、どうしても敷居が高く、演劇を行うのも見るのも、その「第一歩目」を作ることがとても難しいもの。
そのきっかけ作りとなる企画で、「演劇をまだ見たことがない」「演劇に興味はあるけど脚本が書けないし、やったことがない」「劇場に行ったことがない」「演劇は見たことがないけど、原作は知っている」。
そういった10代の高校生たちに、演劇と、書籍と、それぞれに触れてもらえる機会を作るために、この企画が立ち上がり、こんにち博士、そして講談社協力の元、実現に至ったとのこと。なお、所定の手続きをとった高校演劇部に対して、 「死んだ山田と教室 特別戯曲(高校生演劇部ver)」 は無償提供される。詳細は、後日公式HPにて。
他にも、様々な企画を今作で実施していく予定だそうなので、今後の動向に注目しよう。
【STORY】
夏休みが終わる直前、山田が死んだ。
飲酒運転の車に轢かれたらしい。
山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、
二年E組の人気者だった。
二学期初日の教室は、
悲しみに沈んでいた。
担任の花浦が元気づけようとするが、
山田を喪った心の痛みは、
そう簡単には癒えない。
席替えを提案したタイミングで、
スピーカーから山田の声が聞こえてきた。
騒然となる教室。
死んだ山田の魂は、どうやらスピーカーに
憑依してしまったらしい。
甦った山田に出来ることは、話すことと聞くことのみ。
<俺、二年E組が大好きなんで>
声だけになった山田と、二年E組の仲間たちの
不思議な日々がはじまった。
コメント
■金子玲介(原作)
小劇場が大好きで、小説も大好きで、小劇場の熱を小説に閉じ込めることばかり考えて書いてきました。『死んだ山田と教室』の執筆中、頭には常に2年E組のセットと生徒役の俳優たちがいて、いつか本当の舞台で見たいな、と思っていた「いつか」がこんなにも早く訪れることに、驚きと幸せを感じています。いち小劇場ファンとして、山田たちを下北沢駅前劇場(あの駅前劇場ですよ!)で観られることを、心から楽しみにしています。
よろしくお願いいたします。
■こんにち博士(脚本)
金子玲介さんの『死んだ山田と教室』を読んだとき、熱くて、アホで、さみしくて、プラスの感情もマイナスの感情もすべてを巻き込みながら進んでいく物語に、竜巻みたいだなと感じたことを覚えています。
脚本を担当するにあたって、何よりも金子さんの原作の空気感、教室の中の温度だったり、人のにおいを忠実に表現することを意識しました。執筆を進める中で、2年E組の生徒たちが小説から飛び出してきて、勝手に動き回ったり喋ったりするような感覚があって、それがとっても嬉しかったです。書き終わった時はさみしかったです。
とても魅力的な物語ですので、ぜひ劇場へ足をお運びください。
■村角太洋(演出)
高校時代は間違いなく今より時間が長く流れていました。
どうしてあんなに長かったのか。
あっという間に終わったというのに。
今思えば、永遠に続く気がしていたんだと思います。
原作を読みながら、何かが心臓に集まってくる感覚に包まれました。
私は今も高校時代に特別な感情を抱いています。
長くて永遠に続く気がしていたあの時間。
その時間はあっという間に終わったと感じ、戻れないんだと思って生きている今。
彼らのすべての瞬間を大切に作っていきたいと思います。
■山﨑晶吾(和久津 役)
初めまして、和久津役の山﨑晶吾です。
物語が進んでいくにつれてなんとも言えない生々しさがあり読み終えた後は少しの間、何も考えたくない状況になったのを覚えています。
是非応援よろしくお願いします。
■高橋戦車(プロデューサー)
はじめまして。
今作の企画・プロデューサーをつとめます、高橋戦車です。
2021年に立ち上げ、コロナ禍で上演を断念していたプロデュースシリーズ「TANK PLAN」を、この度新たな作品とメンバーで再始動します。
場所は下北沢の「駅前劇場」、私が劇団鹿殺しで初舞台を踏んだ思い入れのある場所でもあります。
今作、『死んだ山田と教室』は、男子校を舞台にした作品です。
誰も経験したことのない物語なのに読むと不思議と青春時代が心に浮かび、ふいにあの頃の教室に戻されるような大好きな作品です。
原作に最大の敬意を表し、舞台化します。
脚本の博士、演出の村角さん、そして和久津を演じる、山﨑晶吾さん。選りすぐりのメンバーに集まってもらっております。
今回は和久津・山田を除く17役をオーディションで決めます。
ぜひ原作を読んで、ご参加ください。米村、倉持、吉岡ら、作品を彩る2年E組のメンバーとの出会いを楽しみにしています。
また、今作は上演舞台版と別に「高校生演劇部ver」の戯曲を作成し、高校演劇部を対象に無償で提供いたします。
「演劇に興味はあるけど脚本が書けないし、やったことがない」
「演劇は見たことがないけど、原作は知っている」
そういった10代の高校生たちの一助となり、演劇と文芸、それぞれの世界を広げるきっかけになることを祈っています。
TANK PLANでは、若手演劇人が活躍する場所を積極的に作り、広げていきたいと考えています。
皆様のご来場と出会いを、心からお待ちしております。