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人事のハートをつかむ面接の心得3か条【転職デビルに聞く!キャリアの真実】

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人事のハートをつかむ面接の心得3か条【転職デビルに聞く!キャリアの真実】 【求人ボックスジャーナル】はたらき方やキャリアを考える機会を創出するメディア

転職活動の面接では、限られた時間の中で自分の魅力を最大限に伝えることが求められます。論理的で分かりやすい話し方は、誰にでも努力次第で身に付けることができる能力です。「私は口下手だから…」「コミュニケーションが苦手だから…」と不安に思っている人も、前向きに挑戦してみることが大事です。

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今回は、4回の転職を経て外資系大手IT企業で部長を経験、転職・キャリアをテーマにX(旧Twitter)、note、書籍で情報を発信するライター、転職デビルこと安斎響市さんに、「面接官に自分を効果的にアピールし、相手の心に響くプレゼンテーションをするためのポイント」を伺いました。

面接官の立場で考えるのが、何よりも大事

まず前提として面接では、単に自分の考えを一方的に述べるのではなく、面接官の立場に立って、相手がどのような情報を欲しがっているかを考え、それに応じた説明をすることが求められます。

例えば、面接官があなたの実務経験について聞いている場合、「自分が過去に何を成し遂げたのか」だけを話すのではなく、 「その成果が企業にどういう価値を提供できるか」「入社後に具体的にどんな仕事で活躍ができそうか」という視点で伝える 必要があります。

この時、言葉遣いは、社内用語や専門用語を一切使わずに、 「相手に伝わる言葉」「誰にでも誤解なく通じる語彙」を選ぶ ことが重要です。

面接前に喋る練習をあまりしていない人は、経験業務や実績について話すとき、ついつい普段の仕事で使っている業界用語や社内呼称などを使ってしまいます。
これは長年染み付いている癖のようなものなので、意識して変えないとなかなか変わりません。無意識的に使ってしまうことも多々あるので、注意しましょう。

どんなに優れたスキルや経験を持っていても、相手に伝わらなければ、その価値は評価されません。面接では、「相手に何を伝えるべきか」「どのように話せば伝わりやすいか」を事前に整理しておきましょう。

面接当日も、面接官の反応を見ながら必要に応じて補足説明を加えたり、別の言葉で言い換えたりして、 相手の理解度を思慮して喋る ことが大事です。

自己PRの内容を「企業の求める価値」に結びつける

過去の実績や保有スキルについて話すときには、企業側の「求める人材像」と結びつけて説明することが重要です。

面接は、「自分がどれだけ優れているか」を自慢話のように伝える場ではありません。相手が「なぜこの人を今のタイミングで採用すべきなのか」を十分に納得できるように、 過去の経験やスキルが転職先企業の「求める人材像」とどう直結するのかを強調 して喋りましょう。

例えば、応募中の求人票に「未知の状況に果敢に挑戦し、従来の常識にとらわれない挑戦ができる方」など、求める人材像が書いてある場合、それを完全無視して「私は顧客との長期的な信頼関係を維持することに長けています」など別方向の自己PRをしても、アピール効果は半減してしまいます。

たとえ、それが自分にとって一番アピールできる実績だったとしても、相手が欲しくないものをゴリ押しするのは意味がありません。

いわば、「どういう視点でアピールをすればいいか」「何を話せば評価されるのか」は最初から求人票に答えが書いてあるのですから、それに沿った回答を面接の場に用意して持っていくのが定石です。

この際には、求人票や採用ウェブサイトの記載のほか、 業界内で喫緊の課題とされている事象や、その企業が現在直面している問題を事前に調査し、それに応じたスキルや経験を強調する ことで説得力が増します。

「100%ピンと来る具体例」を挙げて相手の理解を促す

転職活動では常に、「社外の初対面の相手に対して自分の業務内容や実績を説明する」というチャレンジがあります。
場合によっては、面接官が人事部の人で、仕事の現場の状況を話しても伝わりづらかったり、異業界転職のために自分の担当業務の難しさや重要性を理解してもらえなかったりすることもあります。

こういった場合に使えるテクニックの一つが、 「100%ピンと来る具体例」を挙げて説明する ことです。

面接官にとって実感が湧かない未知の話を、普段の仕事で同僚に話すのと同じ言い方で伝えても、上手く伝わらないのは当たり前です。
どんなに分かりやすい語彙を選んでも、なかなかピンと来てもらえないことがあります。

解決策として、「例えば、自動車で言うとエンジンの役割を果たすような装置です」「例えば、ゲーム業界で言えば東京ゲームショウのような、業界人なら誰でも知っている大規模なイベントです」など、あえて身近なものに例えることによって「ああ、なるほどね」と相手の理解を促すことができれば、面接の雰囲気はグッと良くなるでしょう。

このとき大事なのは、「100%ピンと来る」例え方を適切に選ぶことです。
話を分かりやすくするためにわざわざ別の物に例えたのに、肝心の例えが下手だと、余計に分かりづらくなって面接の評価が下がってしまうかもしれません。

この意味で、面接官の年代などに応じて「もしかしたら東京ゲームショウと言っても通じないかもな…。違う例にしておこうか」など、 手から見た分かりやすさを常に考慮することが重要 です。

やはり、面接を制すのは徹底的な「相手目線」だからです。

転職活動であなたの魅力を十分に伝えるためには、常に論理的に整理された形で説明をして、相手のニーズにきちんと合わせた情報提供をすることが必須です。

面接は一方的な自己主張の場ではなく、面接官との対話 = 双方向のコミュニケーションであることを忘れず、相手の理解度を確認しながら柔軟に対応することを心がけましょう。

プロフィール

安斎響市@転職デビル

1987年生まれ。日系大手メーカー海外営業部、外資系大手IT企業の事業企画部長などを経て、2023年に独立。「転職とキャリア」をテーマに、X(旧Twitter)、note、書籍などで情報発信を続けている。Xフォロワー4.4万人。転職活動の実践ノウハウを語る週刊連載noteマガジンの有料会員は、累計7,000名を突破。

代表著書 『私にも転職って、できますか? 〜はじめての転職活動のときに知りたかった本音の話〜(ソーテック社)』
『転職の最終兵器 未来を変える転職のための21のヒント(かんき出版)』
『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法(ソーテック社)』
『正しいキャリアの選び方 会社に縛られず「生き残る人材」になる100のルール(ソーテック社)』 X(旧Twitter) 安斎響市@転職デビル ブログ note(安斎響市@転職デビル)
転職デビルは夜しか眠れない。

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