自分でコントロールが難しい“不安障害”とはどんな病気?【眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話】
不安により日常生活に支障をきたす
「不安障害」とは、不安や恐怖を過剰に感じてしまう病気で、自分でコントロールをしようとしても難しいのが、ただの性格とは違います。
実際に不安障害の人の脳では、扁桃体の異常が報告されており、薬物治療が有効です。
「不安障害」にはいくつかの種類があります。たとえば、日常のさまざまなことに対して、漠然とした不安を感じる症状は「全般性不安障害(GAD)」と呼びます。
日常のなかでも、とくに人前で注目を集めるような場面で強い不安や恐怖を感じるタイプは「社交不安障害」と呼びます。「対人恐怖症」と似ていますが、「対人恐怖症」が人間全般に対する恐怖や不安が中心なのに対し、「社交不安障害(SAD)」は人前で話す、電話をする、一緒に食事をするといった、特定の人に注目されるような状況での恥ずかしさや評価を恐れることなどの特徴があります。
ほかにも、突然、激しい不安に襲われて動悸や過呼吸を起こす「パニック障害」、強迫観念にとらわれ、何度も同じ行為をくり返してしまう「強迫性障害」などがあります。
治療にあたっては「不安障害」のなかでもその人がどのタイプなのかを判断しつつ、抗うつ薬を中心とした薬物療法や認知行動療法などのカウンセリングを合わせて行います。
「不安障害」の種類と症状
全般性不安障害
日常生活全般のさまざまなことに対して、漠然とした心配や不安が6カ月以上続く状態。症状が進行すると、身体症状や精神症状が現れるようになる。
さまざまなものに対して不安を感じる疲れやすい、イライラなどの精神症状眠れない、頭痛などの身体症状
社交不安障害
人に注目されることや人前で恥ずかしい思いをすることが怖くなって、人と話すことや人が多くいる場所にいることに強い恐怖を感じ、不安が高まってしまう。
人前に出ることへの強い不安や恐怖赤面、発汗、動悸などの身体症状失敗や恥をかくことに対する恐怖
パニック障害
突然、理由もなく激しい不安に襲われ、動悸、心拍数の上昇、息切れといった身体症状、死ぬのではないかという恐怖感が数分間続いたのち、すっと収まる。
突然、激しい不安に襲われる「また起きるのでは」と不安になる発作が起きた場所を避ける
強迫性障害
頭に浮かんで払いのけられない考え(強迫観念)にとらわれ、特定の行為をせずにはいられない(強迫行為)ため、何度も何度も同じ行為をくり返してしまう。
汚い感じがして何度も手を洗う鍵や元栓、スイッチを何度も確認するものが捨てられない
過剰な心配や不安によって日常生活に影響が出てしまう症状
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話 』監修:益田 裕介