『クレイヴン・ザ・ハンター』本編からカットされた「特殊能力」と、あえて残されたスパイダーマンへの繋がり
ソニー・ピクチャーズによるマーベル映画『クレイヴン・ザ・ハンター』は、2023年のハリウッド・ストライキなどによって何度か公開を延期している。本作は2024年12月に公開されたが、当初の予定は2023年1月だったから、ほぼ2年延期されたこととなる。
『クレイヴン・ザ・ハンター』の内容に部分的に言及しています。
その間の再撮影や編集で、映画は当初の予定からいくらか変更が加えられたようだ。おそらく当初のクレイヴンはDC映画『アクアマン』のように、動物たちとコミュニケーションをとって共闘できる能力があったと見られる。
2023年6月に公開されていた第1弾予告編を改めて確認すると、雪狼と意思疎通をして追手を攻撃させたり、飛行する鷲の視界とシンクロして敵の居場所を割り出すといったシーンが含まれている。「クレイヴンは動物を操って獲物を狩るらしい」とザ・フォーリナーが語るセリフまで含まれていたが、これらは本編からはカットされていた。ほか、クレイヴンが象徴的なベストを着用して、洞窟のような場所で松明に火をつける場面も除外されている。
KRAVEN THE HUNTER – Official Red Band Trailer (HD) Screenshot https://youtu.be/rze8QYwWGMs?si=6_ttyy90yHd14LA3
本作はソニーによるマーベル映画シリーズの最後作になるのではないかとの情報も一部で伝えられているが、こちらはまだ確証を得ないものである。意味深なことに本編には、わずかにスパイダーマンとの将来的な対決を示唆するようなシーンも残された。森の中でクレイヴンが糸を垂らして降下する大量のクモに囲まれると、亡くなった母親がクモを嫌っていたことを思い出す、という場面だ。
KRAVEN THE HUNTER – Official Red Band Trailer (HD) Screenshothttps://youtu.be/rze8QYwWGMs?si=6_ttyy90yHd14LA3
もしかするとソニー・ピクチャーズは、将来的なクレイヴン対スパイダーマンの展開をまだ捨て切っておらず、その際は“クレイヴンは母親の影響でクモに恨みがある”といった事情で対立のきっかけを作ろうとしていたのかもしれない。そうでなければ、このシーンこそ本編からカットしてしまっても良かったはずだ。スパイダーマンの“匂わせ”を、いたずらに燻らせてしまうだけなのだから。
主演アーロン・テイラー=ジョンソンは本作のプロモーションで、スパイダーマンとの対決にも意気込みを度々語っている。将来がどうなるかはわからないが、もしも再登場することがあれば、動物たちと共にスパイダーマンと戦う展開も見てみたいものだ。