<義妹の子、4人も?>息子が巣立ち子育て卒業!しんみりムードの私に義実家呼び出し【まんが】
私(マリ)は、夫のヨウヘイと息子のハルキの3人暮らしです。結婚当初からわが家は義両親と敷地内同居をしてきました。義実家世帯と家は別になっているため、お互い日々の生活に干渉することはありません。ハルキはこのたび無事に志望校に合格し、春から大学生になります。大学が遠方にあるため、ひとり暮らしをする息子。嬉しさと切なさを感じながら息子の旅立ちの準備をしています。しかしそのさなか……私の運命を変える出来事が起こってしまうのです。
ハルキの巣立ちを目前に、嬉しい反面切ない気持ちになっている今日この頃。これまでのハルキとの出来事が走馬灯のように思い出され、懐かしい気持ちになります。長かった子育てもひと区切り……。そう思っていた矢先のことでした。
私の義妹にあたるトモカちゃんは夫とひと回り以上離れています。トモカちゃんのことを溺愛する義両親の大反対にあい、駆け落ち同然で結婚したと聞いています。夫からは、今は3人の子どもを育てているらしいと聞いていましたが……。
子育ては終わってしまえばあっという間です。いろいろあったけれど、かけがえのない時間をくれたハルキに私は感謝をしています。ハルキの旅立ちと共に私も自分の人生をもう一度見つめ直そう、そんなふうに思っていました。 そんなとき夫の妹トモカちゃんのことで話があると義母から呼ばれます。トモカちゃんとはほとんど会うことはありませんでした。義両親の反対する相手との結婚だったため、結婚後は「子どもが産まれた」という連絡がくる程度でほとんど交流はなかったのだそう。そんなトモカちゃんの身にいったい何があったのでしょうか。私は週末、夫と一緒に義実家へ向かおうと思っています。
育児放棄!?「子どもたち面倒みて」義両親の信じられない依頼
トモカちゃんは親の反対を押し切り、駆け落ち同然のかたちで結婚しました。結婚後は子どもが産まれたという連絡がくる程度で疎遠になっていたのだそう。それが3人の子どもを抱えて離婚して、しかも不倫相手との間にできた4人目の子もいるといいます。
「ごめんなさいね、こんな話」義母が言うので私も夫のそばで話を聞きます。「それは……大変でしたね」しかし突然、義両親は私に向かって思わぬことを言い出したのです。「だから本当に良かったわ。ウチにはマリさんがいて」
トモカちゃんは離婚をしていただけではなく、4人目の子どもを出産していたのです。しかも不倫相手の子どもを……。さすがの義両親も行政からの連絡を受け、トモカちゃんや子どもたちを引き取ることを決めたようです。しかしその決断の裏では、なぜだか私があてにされていました。 「マリさんがいるから安心」……? どうやら義両親は、トモカちゃんの子どもたちの世話を私に託そうとしているようです。高齢の義両親にとって子育てを担うのが大変なことは分かりますが、その大変さを私が担う必要があるのでしょうか……? 全力で断りたいと思います!
夫「仕事辞めていいよ」にあぜん!育児放棄からの託児はお断り
義両親と夫は内輪揉めをはじめました。「そもそも父さんたちが、あんな男と結婚を許すからだよ」「許してないわよ! あの子が勝手に結婚したんでしょ」「本当は俺たちだって反対だったんだよ」私は必死で頭のなかの情報を整理しようとします。
「でも……トモカちゃんの生い立ちや結婚相手を含めて、私に関係ないですよね?」「関係あるわよ」「は?」「ハルキのイトコたちじゃないか」「ほとんど交流ありませんし、なんで息子のイトコの面倒を私が見ないといけないんですか?」
トモカちゃんがどういう生い立ちだろうと、誰と結婚しようと現在どういう状態であろうと、私には関係ないのです。自分勝手に生きてきてその尻拭いを他人である私にやらせようだなんて、迷惑でしかありません。 しかもヨウヘイはドヤ顔で私に「仕事を辞めていい」と言ってきました。いったいどこまで私のことをバカにすれば気が済むのでしょうか。私の人生は義実家の人たちに勝手に決められていいものではないはずなのに、何を勘違いしているのか不思議でなりません。私はハッキリ「お断りさせていただきます」と伝えたのでした。
育児放棄の尻拭い押し付け「子ども不憫」「人助けだと思って」
義家族は全員、私が首を縦に振るのを待っているかのように、説得を繰り返します。「誰かが愛情を与えてやらないと」「もうハルキは手が離れているんだし、助けてあげようとは思えないの?」「マリの負担を考えてこっちも譲歩しているんだから」
「結局は、自分たちが背負いたくないだけじゃないですか」「そんなこと……」「産んだら育てる。そんなの当たり前のことです。自分の娘が産んだ子どもを育てられないなら、キチンと育てることを教えてあげたらいかがですか?」
私のことを「冷たい」とは、いったいどの口が言っているのか……呆れてしまいました。結局は自分たちの身を切ることはしたくないけれど、体裁を考えて引き取ることを選んだ義実家の人たち。そのツケを、どうして関係のない私に押し付けるのでしょうか。 自分のことは自分で。自分の子どものことも自分たちで責任をとる。まぁいい年をした大人の責任を高齢者である義両親にとらせるのも酷な話ですが、それも含めてすべて義実家内で話し合ってもらいたいことなのです。私は一切関わりをもたない。そう決めたのでした。
夫の言い分「子どもなんて勝手に育つ、自由時間が増えるだろ」
義両親も夫も、私のことをただの都合の良い存在にしか思っていません。「でもさ、世の中には仕方のないことってあるだろ? 俺は仕事を頑張って、何不自由ない生活が送れるようにするから。だからマリも、最初は大変かもしれないけどさ」
「仕事も辞められて、しかも子どもがいない間は自分の自由時間。最高じゃない? だからネガティブに考えないでもっと前向きに考えてみてよ」どこまでも私のことをバカにしています。もう口を開かないでほしいです。
義実家で自分の気持ちはハッキリ伝えたので、話はそれで終わるかと思っていました。しかし追いかけてきた夫からの言葉に私は絶望してしまうのです。 この人はいったい私の人生をなんだと思っているんだろう。自分の時間を削って子育てに向き合ってきたのに……。子どもは勝手に育つ? 保育園に行ってしまえば楽? そんなわけありません。私たち母親は、いや子どもと向き合う保護者は皆、全力で日々を過ごしているのです。それが幼少期であればあるほど、苦労は計りしれません。 苦労して築き上げてきたものを捨てさせて、他人の子どもの世話を押し付けようだなんて。私のなかで夫への愛情が一気に冷めていくのを感じたのでした。
【夫の気持ち】家族は助け合い!しぶる妻に好条件を提示すると?
俺(ヨウヘイ)は、妻のマリと息子のハルキの3人暮らし。ハルキは大学に合格し、来月には家を出て行く。俺は仕事が忙しくてなかなか子育てには参加できなかったけれど、大きくなった息子の背中を眺めていると感慨深いものがある。そんなある日両親から妹のトモカが第4子を出産したと聞かされた。トモカは年の離れた妹だが、駆け落ち同然で結婚して疎遠になっていた。そんなトモカがいま大ピンチなのだ。トモカの子どもたちの世話をしっかり者のマリに頼んだのだが、なぜかマリは激怒しはじめ……?
両親はトモカのことを子どもの頃から溺愛しており、何かにつけてチヤホヤしていた。ただトモカは両親の反対を押し切って結婚したあげく、離婚してしまったという。とても4人の子どもたちの面倒をみられる状態ではないらしい。
だから俺は、お金の心配ならしなくていいと言ってやったのだ。子どもなんて、勝手に育つ。現に俺が子どもの頃なんて、親に何か特別なことをしてもらった記憶はない。受験期などは大変だと思うけれど、それは俺だって手伝うつもりだ。
俺や両親だって、信頼していない人にこんな大事なことは頼まない。マリだからこそ安心してトモカの子どもたちを託せると思っているのだ。別に特別なことをしてほしいわけではないし、ただ普通の生活をするために手伝ってほしいと頼んでいるつもりだ。しかも子どもたちは学校や保育園に行くわけで、仕事をしていなければ日中は自由に過ごせるだろう。 それなのにマリはかたくなに引き受けてはくれなかった。「ひとりで考えたい」と言ったマリ。確かに、いきなり言われてすぐに結論は出せないだろう。でもきっとマリなら引き受けてくれる。俺はそう思ってマリの返事を待つことにした。
【私の気持ち】子育て18年間で知れた重み……!「子どもの命を預かる覚悟」
ある日私たち夫婦は敷地内同居の義両親に呼び出され、第4子を出産した義妹のトモカちゃんが子育てに手が回らない状況であることを知らされます。そしてトモカちゃんと4人の子どもを引き取ることにした義両親は、なぜか子どもたちの世話を私に託そうとしてきます。ハッキリ「お断りします」と伝えたのですが、めげずに私を説得してくる夫。私は愛情が一気に冷めていくのを感じました。ハルキも私と夫のそんな空気を何となく感じているようです。
私は部屋でハルキの写真を眺めます。保育園では離れるときに毎回大泣きされて、職場に向かいながら涙を流した記憶があります。ハルキが体調を崩せば職場で必死に頭を下げました。夫は仕事が忙しかったため、ひとりでこなしてきたのですが……。
義実家の頼みを受け入れるなら、トモカちゃんの子どもたちの人生を背負う覚悟が必要です。頼まれたからとか、仕方ないからとか、そんな言葉で背負えるほど簡単ではありません。私はハルキの子育てに18年間、全力で向き合ってきたつもりです。
私が断った理由を夫はまったく理解していません。だからあらためて義両親も交えた話し合いの場で、自分の意思を伝えました。他人の子育てに参加するのはそんな簡単なことではありません。……いや、他人じゃなくてもそうです。私はハルキの子育てを通じて、18年間身をもって体験してきました。だからこそトモカちゃんの子どもの面倒を見ることはできないのです。 義両親には引き取るか引き取らないか、どちらの決断を下すにしても、子どものことを想うのであれば相当の覚悟を持つように伝えました。そして私は義両親の前で、夫とのこれからのことについて話すつもりです。
子育て終わり表面化した夫婦のズレ「ずっと別々の方向に」
「勘違いしないでね。トモカちゃんの子どもたちの件は、あくまでもキッカケなの。私、あなたの仕事が忙しいからひとりで子育てを頑張ってきたつもりだった。別に感謝してほしいわけじゃない。自分で受け入れてやってきたことだから……。でもね」
「私がどんな想いで育児をしてきたか。どんな気持ちで仕事を続けてきたか。その努力に思いを馳せてくれるような人だったら、そもそも今回の話にはなっていない。簡単に代わりに育てろとか仕事を辞めろだなんて言わない」
私と夫は、もうずいぶん前から別々の方向を向いていたのかもしれません。多忙な夫に代わってひとりで育児を担ってきましたが、夫はそんな苦労を知ることなく……いや、知ろうともせずに過ごしていたのです。 今まではそれが表面化しなかっただけ。しかし今回の一件で、夫がどれだけ私に興味がなかったか、私が育児にかけてきた時間や私の仕事を軽視していたか分かってしまった。もう、これまでと同じように夫と暮らしつづけることはできません。息子も巣立つことだし、私も一度自分の人生を見つめ直したい。そう思って私は家を出たのでした。
【義母の気持ち】義母にまさかの正論パンチ。出て行った冷たい嫁
私は夫と2人暮らしの70代です。息子のヨウヘイとお嫁さんのマリさん、そして孫のハルキは敷地内同居をしています。しかし娘のトモカは駆け落ち同然で結婚し、気がつけば離婚していたうえに不倫相手との間に4人目の子どもを出産していました。日々の暮らしすら手が回っていない状況を知って引き取ることにしたものの、私たち夫婦は高齢です。トモカの子どもたちの世話を、子育てが一段落したマリさんに担ってもらおうと思ったのですが……?
私はわが家に起こった出来事を話しました。「別に何か特別なことをしろだなんて言っていないのよ? 世話できるのはお嫁さんしかいないのに頭が固くてねー……。仕事を辞めていいって息子も提案したのに、怒って出て行って、それっきり」
「あなたが娘や孫と暮らして苦労を背負う分には、仕方ないって思うけど……なんだかお嫁さんに責任転嫁しているみたいに聞こえて……」「出て行かれても文句は言えないわよね」仲間たちはまるで私を避けるように帰り支度をはじめました。
てっきり同情してもらえると思っていたのに、周りの人々は冷たい反応でした。私は優先すべきことを間違えたのかもしれません。 わが家はこれからどうなってしまうのでしょうか。トモカはしばらく働くことができないだろうし、高齢の私たち夫婦は孫の面倒をみることなどできません。ひとまずトモカや子どもたちの今後については、元旦那さんや役所の人たちを交えて話し合っていくことになるのでしょう。先行きが不安ですが、私もできるかぎりのことをして家族で協力しあっていきたいと思います。
【夫の気持ち】男と女の仕事は違うだろ!「妻の人生を軽視」?
数ヶ月前、敷地内同居をしている両親が妹のトモカと4人の子どもを引き取ると言い出した。トモカは精神的に不安定で子育てできる状況ではないという。そこで子どもたちの世話を子育てが一段落したマリに頼んだのだがマリは激怒。「あなたは結局、私のことを何も見ていなかった」と言って出て行ってしまった。そうして家には俺ひとりだけが残された。
カップラーメンを作りながらマリやハルキからの返信を待つが、既読にもならない。いったい俺の何がいけなかったんだろう。俺はただ「助けてあげてほしい」と言っただけ。その代わりに仕事はしなくていいと、俺だってかなり譲歩した。なのに……。
酔った俺はこう諭された。「きっと……ずーっとそんな生活だったのね。夫婦ってさ、お互いの頑張りを一番認めてあげなきゃいけない相手なのに……。あなたが奥さんの人生を尊重していないってことが、きっと今回のことで分かっちゃったのよ」
マリは去っていき、ハルキももうこの家にはいない。日常がとても寂しく、心が空っぽになってしまったかのような感覚だ。できることなら元の暮らしに戻りたい。しかし同僚と行った馴染みの店で愚痴ったら、思わぬ指摘を食らったのだ。俺は「これまでずっと」マリのことを見ていなかった……? 俺が発する言葉の端々に、マリを軽視する意識がにじみ出ていると言われてしまった。 最後にできるのはマリを解放してあげること。せめて「今」のマリの気持ちを尊重してあげないと……と言われてしまった俺。しかしまだ諦められない自分がいることも事実だった。
【私の気持ち】最後の話し合いへ!「離婚の決意」改めて気付かせた夫の言葉
数ヶ月前に敷地内同居の義両親が、義妹のトモカちゃんと4人の子どもを引き取ることにしたと知らせてきました。しかしなぜか子どもたちの世話を、他人である私に都合よく託そうとしてきます。そしてこの件をきっかけに夫がいかに私の人生を尊重せず、軽視してきたかが分かってしまいました。ハルキも巣立つことだし、私も一度自分の人生を見つめ直したい。そう思って私は家を出たのでした。
確かに夫には自分の人生を軽視されたような気がしました。義両親が私をあてにしていて頭に血が上ってしまいました。「もういい!」と家を飛び出したけれど……冷静になればなるほど本当に離婚へと舵を切っていいのかためらいます。
必死に謝るヨウヘイを、もう一度信じてみてもいいのかもしれない。しかしその瞬間、夫がかけてきた言葉で、私は自分のなかのある気持ちに気付くのです。あぁ、やはり無理だ……。私の離婚に対する迷いが消えた瞬間でした。
結婚生活をともにした夫との離婚は私にとっても辛い決断でした。家を飛び出したものの、時間が経てば経つほど勢いがなくなっていったのも事実です。気持ちにフタをしながらなんとなく今までと同じように生活をしていくこともできるでしょう。ただ私はその生活を選べない……。次に進もう、そう思ったのでした。心が不安定なまま気持ちを口にしてしまい、夫に期待を持たせてしまったことを反省しました。でもそのおかげで自分の心の整理がついたのです。 その後、私たちの離婚は成立しました。ハルキの父親と母親であることには変わりはないので、必要に応じて交流は続けるつもりです。
もう創り直せない夫婦……別々に歩み出した私たち「元気で」
子どもたちを施設に預けたトモカちゃんは、あれから義実家で暮らしているそうです。義両親のその後のことも聞いてみたい気持ちはありましたが、もう私には関わりのない家のことです。これ以上首を突っ込むのはやめておきました。
最後の話し合いで夫に「また2人で」「一緒に」と言われたとき、私は思ったのです。「もう一緒に頑張れない」「2人で新しい関係を創ろうと思えない」と……。そしてどこかスッキリしたのです。迷いが消えた私は、夫にそう告げて離婚しました。
ヨウヘイとの関係は穏やかに会話ができるまでに戻りました。一見、普通の夫婦に見えることでしょう。はたから見れば「どうして離婚したの?」と思われるかもしれません。けれどもう私の気持ちが戻ることはありません。 あらためて夫婦の関係を創りあげていこうと思えない以上、私は一緒に生活する意味を見出すことができませんでした。ただ婚姻関係は解消しても、私たちがハルキの両親であることに変わりはありません。これからもハルキの父親と母親として協力はしていきたいと思います。