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『中国が進める台湾侵攻準備』2027年短期決戦計画のシナリオとは

草の実堂

画像 : 習近平 CC BY 3.0

習近平指導部の下、「一つの中国」原則を掲げる中国は台湾を自国領土と見なし、統一への執念を燃やしている。

台湾海峡での大規模軍事演習、軍の急速な近代化、サイバー攻撃や偽情報戦による「認知戦」は、平和的統一の失敗を見据えた軍事侵攻の布石だ。

複数の軍事分析によると、中国は2027年までに米軍の介入を抑止可能な軍事態勢を整え、短期決戦で台湾掌握を目指しているとみられる。

台湾海峡は緊張を極め、世界秩序を揺さぶる火種となりつつある。

台湾統一は習近平にとってのノルマ

画像 : 習近平 CC BY 3.0

中国の戦略は多層的で狡猾だ。まず、外交圧力と経済的影響力を駆使し、台湾を国際舞台で孤立させる。

2024年1月のナウルとの断交で、台湾の国交国は12カ国に激減した。並行して、サイバー攻撃や偽情報拡散による「認知戦」を展開し、台湾社会の分断と民意の動揺を誘う。

これは「戦わずして台湾を奪取する」グレーゾーン戦略の一環である。

しかし当局に近い情報筋によれば、中国は非軍事的統一が頓挫した場合に備え、2027年までに米軍の介入を抑止できる軍事態勢を整備し、1週間程度で台湾掌握を図る短期決戦シナリオを準備しているという。
人民解放軍は、台湾上陸作戦を想定した演習を繰り返し、衛星やAIを活用した精密兵器体系の整備を加速させている。

米軍の対応力は、中国の作戦構想の軸となっている。
米国防総省の2023年報告書によると、中国は台湾侵攻向けに水陸両用作戦が可能な6個合成旅団を編成し、4個が東部戦区に配備されている。

対する米軍は、フィリピン北部での合同演習や台湾への武器供与を強化し、抑止力を維持。

しかし台湾海峡をめぐる軍事分析では、中国が台湾海峡の浅い水深や独自の衛星測位システムを活用し、米空母打撃群を無力化する可能性が指摘され、米軍の介入効果に疑問が投げかけられている。

中国の極超音速ミサイルや無人機の増強は、米軍の防空網を突破する能力を高め、戦局を一変させる脅威となりつつある。

起こるか起こらないの問題ではなく、いつ起こるか

画像 : 台湾の頼清徳総統 public domain

中国の軍事費は、2024年度で約1兆6,655億4000万元と、台湾の約17倍に達し、実際の支出差はさらに大きい。

習近平指導部は、トランプ政権の再選や日米の政権動向を見極め、2025年までの「弱腰政権」の隙を狙う可能性も囁かれる。中国はロシアや北朝鮮との連携を深め、米軍の注意を分散させる多正面作戦を模索。

想定されるシナリオとしては、台湾侵攻と同時に南シナ海での挑発や尖閣諸島近海での示威行動を仕掛け、米軍のリソースを分散させる戦略が浮上。こうした動きは、米軍の即応力と同盟国の結束を試す試金石となるだろう。

平和的統一が失敗し、軍事侵攻が避けられなかった場合、事態は深刻な局面に突入することになる。

中国は東部戦区に極超音速ミサイル、ステルス無人機、電磁パルス兵器を配備し、台湾の防空網や指揮系統を瞬時に無力化する能力を強化。国際社会の経済制裁や報復を織り込み済みで、短期決戦での勝利を確信しているとの見方もある。

台湾有事は単なる地域紛争を超え、米中覇権争いの火種となり、グローバルサプライチェーンやエネルギー市場に壊滅的な影響を及ぼす。時間は刻一刻と迫り、台湾海峡の緊張は世界を臨界点へと押しやる。

国際社会は、中国の次の動きを見極めるため、息をのんで見守っている。

文 / エックスレバン 校正 / 草の実堂編集部

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