【葵区・シェンロン】名店「新勝園」の肉まんは消えていなかった! “昭和の思い出”と静岡市民が語る味
多くの静岡市民が懐かしむ昭和の名店「新勝園」の肉まん。その肉まんを今も食べることができるという情報が。閉店したはずなのに、どうして?! “幻の肉まん”を調査します。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ新静岡駅近くにあった伝説の肉まん
昭和の時代。現在の新静岡駅・ペガサート周辺には、多くの飲食店が立ち並んでいました。
昼はランチの社会人、夕方は下校途中の学生たちで賑わっていたとか。
そのお店の中に「新勝園」という中華料理店がありました。
そこで販売されていた肉まんは、当時の静岡市民の間で大人気! 「幻の肉まん」を求めて大行列ができていたそうです。
街行く人にたずねると、懐かしそうに新勝園の思い出を語ってくれました。
街行く人:
新勝園は肉まんが有名でした。大きい肉まん。ボリューム感があります
別の人:
学校帰りに新静岡駅で降りて、肉まんを買っていました。おいしかったね!
しかし、約30年前に新勝園は富士市へ移転。その後、閉店してしまい、多くの人々に愛された肉まんは幻となってしまいました。
ファンが開いた店がある?!
ところが新勝園ファンという女性から「静岡市内でその幻の肉まんを受け継いだお店がある」という情報が寄せられました。
それによると、新勝園のファンが富士市のお店に修行に行き独立したということです。
新勝園直伝の店「シェンロン」
そのお店の名は「肉まん 餃子専門店シェンロン」。横内小学校から歩いてすぐの葵区城東町にあります。
行ってみるとなるほど、「肉まん」の文字が大きくて目立つ!
入口には「新勝園直伝」の文字もあります。
これは間違いなく、あの幻の肉まんを受け継ぐお店です!
店主の大久保浩さんに聞きました。幻の肉まんはありますか?
シェンロン 店主・大久保浩さん:
はい、ございます。(新勝園直伝?)そういうことです
食べてみました! 幻の肉まん
シェンロンが提供する「肉まん(360円)」は、まさに街の人が言っていた通りの大きさでした。
当時を知る人が口をそろえて「1個で大満足」と言うほどのボリュームです。
さっそく試食してみると、生地はふかふかで、中の具は本当にジューシー。
具材は豚肉、キャベツ、タマネギのみというシンプルな構成ですが、甘みを感じます。
シェンロン 店主・大久保浩さん:
甘みはタマネギだと思います。調味料に砂糖は使っていませんから。ギョーザに近い味わいがあると思います
生地は通常の肉まんとは全く異なり、もちもちとした食感。
店主の大久保浩さんによると、生のイーストを使って手をかけて発酵させているそうです。
熱烈ファンから継承者へ
新勝園の近所に住んでいたこともあり、大久保さんにとって新勝園の肉まんは「思い出の味」です。
シェンロン 店主・大久保浩さん:
60年以上前から、新勝園の肉まんを食べています。日本が豊かではなかった時代、ファストフード店もなく、コンビニもなく。肉まんが食べられる場所は珍しかったと思います
やがて大久保さんは社会人になり、バブル景気のころ新勝園は富士市に移転しました。
それでも大久保さんは、仕事の合間を縫って買いに行くほどの熱烈ファンだったといいます。
「また静岡に出店してほしい」とお願いしましたが、叶うことはありませんでした。
肉まん 餃子専門店 シェンロン 店主・大久保浩さん:
「私が会社をクビになったらやります」なんて言っていたら、会社が傾いてサラリーマンをやめました。新勝園にお願いしてレシピを教わり、現在のお店を開いたのです
そんな大久保さん、「新勝園の一番のファン」と自認しながら、「最後の晩餐はトンカツ」と話す茶目っ気が。
これからも、多くの人の昭和の思い出の味を守り続けてくれることでしょう。
■店名 シェンロン
■住所 静岡市葵区城東町4-6
■営業時間 平日11:30~18:30
日・祝11:30~17:00
■定休 月
■問合せ 054-245-7749