媚びない女は憧れる女性へ、スナックママが「一匹狼を目指すな」と伝える真意【愛のスナック どろんぱ】
【愛のスナック どろんぱ】
「かっこいい大人になりたい」じゃダメですか?
スナックのママといえば、たいがい激動の人生を歩んできたことが多く、その会話は含蓄に富んだものばかり。
今回はつい最近、私がママとした会話をまるっとシェア。かっこいい一匹狼な姉に憧れる私に、ママが待ったをかけました。
一体どうして? かっこいい大人になりたいって、なにか悪いことなんでしょうか。
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孤高の“一匹狼”に憧れる
一匹狼の女性って、本当にかっこいいですよね。
そういえばまだ学生だった私は、スナックのお姉さんたちの自信あふれる立ち居振る舞いに憧れて、この世界に入ったのでした。
女同士の世界はもちろん怖いこともあるのですが、基本的にはそれぞれが独立し、良くも悪くもあまり他人に干渉しません。
心の壁が分厚めの私にとって、それはとても心地いいものでした。だから今でも、姉たちのような馴れ合わない孤高の存在になりたいと心から思っています。
そしてつい最近、スナックのママとそんな話をしました。
強さとは? 愛されるとは?
しかしママは「確かに、一匹狼! みたいな女はかっこいいね。群れないし媚びない、全部自分でやっていける芯の強さは大事なこと。だけど、あんたはそこに憧れて背中を追わないくてもいいと思う」と言うんです。
私の頭の中は“?”でいっぱい。
だって、私は一匹狼がかっこいいと思っていて、ママもそれに共感してくれている。なのに、どうして目指す方向にはならないんでしょう?
「どうして?」と食い下がる私に、ママは続けます。
「私もいろんな人見てきたし、いろんなことあった。実際に私も一匹狼になることが多かったからね。だけどそれはかっこいいからなったんじゃなくて、人間の生まれついた性質みたいなもんで、そうならざるを得なかっただけ。
結局一番大切なのは、自分を助けてくれる人が周りにちゃんといること。かっこいい人よりも、愛される人でいることを目指すのが正解だよ」
もし私が今20くらいの若い時期だったら、この言葉に胸打たれることはなかったかもしれません。
最近は男も女も、いろんな面で“強い”ことが求められ、賞賛されがちです。
だけど私たちは本当にそれでいいんでしょうか。強いとはなんなのか、愛されるとはなんなのか。一度しっかり考えてみたいと思います。
【登場人物紹介】
モジョ子:自信がほしい主人公。マキをはじめとした強い女たちに憧れているが、道は遠そう。本人に自覚はないが、みんなに愛されている。
マキさん:どろんぱのナンバーワンホステス。馴れ合いが嫌いで、ときどき出勤しては大金を稼いで颯爽と帰っていく。3人の子持ち。
(おくげちゃん/漫画家・イラストレーター)