夏だ!安全に楽しく泳ごう 釜石市営プール 屋外50メートルプール開放 8月17日まで
釜石市大平町の市営プールは12日から屋外50メートルプールの利用を開始した。小中学校の夏休み期間に合わせ、8月17日まで開放予定。今季は熱中症対策として、プールサイドに熱中指数計を設置。監視員による安全管理体制も強化し、利用者の事故防止につなげる。
12日午前、プールサイドで利用者の安全を祈る神事が行われた。同プール市指定管理者の協立管理工業(小笠原拓生社長)、釜石水泳協会(山崎達会長)が主催。関係者17人が出席した。尾崎神社(浜町)の佐々木裕基宮司が祝詞を奏上。出席者の代表が玉串をささげ、シーズン中の無事故を祈願した。市文化スポーツ課の清藤美穂係長は「誰もが快適に利用できるよう協立管理工業と連携、協力を密にし、施設運営、維持管理に当たっていきたい」とあいさつした。
同プールで練習する、かまいしスイミングクラブ(SC)の小中高生ら14人が試泳した。連日の暑さが一段落したこの日は午前10時時点で気温21.5度、水温23.4度。曇り空で、プール開きには少し肌寒い気候となったが、子どもたちはリレー形式で得意種目を力泳し、今季の練習に弾みを付けた。
藤原莉那さん(双葉小6年)はバタフライで試泳。「めちゃくちゃ(水が)冷たかった」と身震いするも、「夏の間、外で泳ぐのは楽しみ」とにっこり。9月に出場する大会は50メートルプールで泳ぐため、「ここで練習を頑張り、県大会で一番になりたい」と目標を掲げた。佐々木千温さん(釜石中1年)は「気温が暖かいので、水が冷たくても気持ちいい」と屋外泳を満喫。19日から開催される県中総体水泳競技に、かまいしSCとして出場予定で、得意の平泳ぎなどで「タイムを1秒でも縮めたい」。リレーメンバーにもなっており、「クラブチームとしても良い成績を残せるように頑張りたい」と意気込んだ。
同プールは開設から55年が経過。近年は、老朽化による設備の不具合などが発生している。屋外には幼児プールと25メートルプールもあるが、周辺地盤の調査で危険性が指摘されたため、2021年度から利用休止状態が続く。昨年度のプール(屋内・屋外)利用者数は約3万3千人(前年度比約8千人増)。新型コロナ感染症の影響で20年度から2万人台で推移していたが、ようやく以前の水準に戻りつつある。
屋外プールでの熱中症対策として、今年から「熱中指数計」も導入した。温度や湿度、輻射(ふくしゃ)熱を測定し、「注意→警戒→厳重警戒→危険」と4段階でリスクを知らせてくれるもので、感知すると音が鳴るという。協立管理工業の藤澤正明総務主任は「市の熱中症警戒アラートも判断基準に、連続して1時間以上は泳がせないなどの対策を講じる。各自、プールサイドにドリンク類を置いて、速やかに水分補給ができる態勢も取ってほしい。プールから上がって休む場合は日陰に移動を」と呼び掛ける。
今季の屋外プール開放は8月17日まで。市内小中学校の夏休み期間は無休で、午前10時半に開場する。同期間中は市内中学校の生徒は生徒手帳の提示で無料。学校プールの開放がない2小学校の児童も無料で利用できる。