自治会費をPayPayで ザ・ヨコハマタワーズ自治会
ヨコハマポートサイド地区の高層マンション「ザ・ヨコハマタワーズ」では、マンション内の自治会が今年度から、自治会費などをキャッシュレス決済サービス「PayPay(ペイペイ)」で支払える仕組みを導入した。自治会町内会での導入は保土ケ谷区内の単位町内会でも昨年されたが、全国的に見ても珍しい取り組み。
自治会町内会は全国に約30万あるとされている。会費の徴収は会計担当者が集金で行うのが一般的で、大きな手間と時間を要する。会費の紛失や盗難のほか、会計担当者を騙った詐欺などのリスクをはらんでいる。支払う側は現金を用意する必要があり、負担に感じるという住民もいる。
毎年4月に1年分の自治会費を集金する同自治会では、住民や役員からキャッシュレス決済導入を求める声が上がったことから、昨年初めからPayPay社と協議を開始。その後同社が自治会町内会向けにサービス提供を始めたことで、今年度からの導入に至った。
これまでは銀行振り込みのほか、マンション内の管理棟に自治会役員がブースを設け、支払いを受け付けていた。今回は事前に、2次元コードが入った集金案内の書類を加入世帯に配布。24時間いつでも支払える仕組みを作った。
現在約820世帯が加入しているが、4月1日から12日までの間に110世帯以上がPayPayでの支払いを行った。
並行して従来通り、直接支払いのできるブースも3日間設置。こちらにも支払い用の2次元コードを設け、その場で払えるようにした。現金や振り込みでの支払いを含めると、全体の約3分の1がPayPayからの入金となる。今までは9割以上が現金での支払いだったという。
小濱力会長は「予想よりも多い印象。『キャッシュレスの練習に』と初めてアプリを使ったという方もいた」と話す。役員で持ち回りしていた集金ブースの設置回数を減らすことができ、負担や手間の軽減にもなったという。「あくまでも支払いの選択肢の一つ」と、従来の集金や振り込みも継続する。PayPay側への手数料は発生するものの「手段が増えることで、支払う世帯数が増えてくれればカバーできる」とする。