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生涯現役 心に残る「原体験」を 世代超えた居場所づくり 名張

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園児らと山に向かう芝野さん=名張市滝之原で

「名張里山森のようちえん 山わらし」管理人 芝野利夫さん(68)

 2020年から三重県名張市滝之原の山林を借りて12人の仲間と里山の環境保全を進め、子どもたちに野外活動を通じてさまざまな原体験をしてもらう場所にしようと、未就学児親子向けプログラム「名張里山森のようちえん山わらし」の管理人として、仕事の傍ら精力的に活動に取り組んでいる。

 大阪市出身で、20歳の時に名張へ転居。天王寺動物園でさまざまな動物の世話を担当する中で「動物も環境を構成する一つ」と実感したといい、38年間勤めた後は、56歳から上野森林公園(伊賀市下友生)で2年間、自然や森林に関わる仕事に従事した。

 現在は同プログラムの活動と並行し、介護士として高齢者施設に勤務する他、生活支援員として福祉の仕事に関わり、更には市内の環境整備団体で草刈りや伐採、植樹などにも携わる。

 日頃は時間を見つけては里山に入って下草刈りなど環境整備に汗を流し、月5回の活動日には、スタッフや参加する親子とともに、ブルーベリー園の整備や野菜の栽培・収穫、調理、昆虫観察、ビオトープ整備などに取り組む。採れた野菜は近くのデイサービス施設に持参することもあるそうだ。

価値に気付いて

 「植物にも動物にも、もちろん私たち人間にも存在する意味や役割があり、他の誰かにとって有益だという価値に気付いてほしい」と思いを話す芝野さんは「これからも里山整備を継続し、世代を超えた居場所づくりに取り組んでいきたい。ここでの体験が子どもたちの心に残り、環境に目を向けてくれるきっかけになれば」と抱負を語った。

2024年12月21日付882号10面から

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