セ・リーグ球団別週間MVP 阪神・坂本誠志郎が攻守で貢献、中日・岡林勇希も打線牽引
坂本がセ・リーグトップのwRAA3.74
プロ野球セ・パ交流戦は4カードが終了した。セ・リーグ各チームは出だしは好調だったが、先週は一転して大苦戦。首位・阪神が6連敗し、2位DeNAも1勝5敗と貯金を減らした。15日はセ・リーグが全敗するなど勝ち越したチームはなく、先週は中日の3勝3敗が最高だった。
SPAIAでは6月10日から15日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
セ・リーグトップのwRAA3.74をマークしたのは阪神・坂本誠志郎。梅野隆太郎がスタメンマスクをかぶった10日以外の5試合に出場し、14打数6安打の打率.429、4四球と存在感を放った。
明治大からドラフト2位で入団して10年目。これまでリード面を評価する声は多かったものの、打撃面で大きな期待はできないため梅野らとの併用が続いていた。しかし、今季は打撃面での貢献度も高く、出番を増やしている。
ヤクルト内山壮真、広島・小園海斗も好調
3勝3敗だった5位・中日では、岡林勇希がwRAA3.65でチームトップ。15日の西武戦でストップしたものの、5日のソフトバンク戦から9試合連続安打をマークし、先週6試合でも25打数9安打の打率.360と好調だ。2022年に最多安打に輝いたヒットメーカーが打線を牽引している。
1勝5敗で中日に9差をつけられたヤクルトでは、内山壮真が23打数9安打の打率.391と気を吐いた。15日のロッテ戦では3号2ランを含む3安打3打点をマークするなどwRAA3.5。村上宗隆不在の打線でカンフル剤をなる活躍が期待される。
2勝4敗だった広島では、小園海斗がチームトップのwRAA3.2を記録した。15日の日本ハム戦では4安打を放つなど25打数9安打の打率.360。時には2番でつなぎ役として、時には5番でポイントゲッターとしてチームに貢献している。
巨人・吉川尚輝も奮闘、DeNAは佐野恵太がトップも状態深刻
1勝4敗1分けで勝率5割に逆戻りとなった巨人では、吉川尚輝が奮闘している。13日のオリックス戦で3安打2四球と全打席出塁するなど、24打数7安打の打率.292、wRAA1.8だった。主砲・岡本和真が離脱し、吉川にかかる期待は大きい。
DeNAは打線の状態が深刻だ。佐野恵太がチームトップだったとはいえ、wRAAは0.07と低い。13日のソフトバンク戦では、チームの3安打のうち、佐野が6号ソロを含む2安打を放ったが、試合はモイネロに完投を許す完敗。今季は投手陣が奮闘しているだけに、看板の強力打線の復調が待たれる。
交流戦も残すところ、あと2カード。今週はセ・リーグ球団の本拠地で6連戦のためドーム球場が少なく、暑さ対策も重要になりそうだ。全日程が終了すれば27日のリーグ戦再開まで束の間の休息を取れるだけに、週間MVPに輝いた好調な選手は思い切りバットを振り切りたい。
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記事:SPAIA編集部