クリスマスケーキにも欠かせない保冷剤 再利用も!
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ケーキを買って帰ろうかな、という方もたくさんいると思いますが、クリスマスケーキにも欠かせないのが「保冷剤」です。持ち帰り時間に合わせて付けてくれますよね。
保冷剤 いくつ持っていますか?
その保冷剤、みなさんの家にはどれくらいあるのか、どのように使っているのか、街で聞いてみました。
・「数えたら15、16くらいありそうですね。甘いもの買ったときについてくる。」
・「10個はあると思います。お歳暮でお肉とか贈っていただいたときに入っていました。急激にお料理で冷やしたりするとき、ボウルの下に置いたりして。」
・「1人暮らしなので2つ。実家から持ってきたものと食料品買ったときについてきたもの。熱出たときに手に持っていたりとか。冷凍庫が小さいので入らなかったものは処分。」
・「飲み物、ペットボトル、ゴルフ場に持っていくときに、温かくならないやつに保冷剤入れると便利でしょ。そういうときしか使うことはないです。」
・「もう20個くらいはありますよね。小さいのなんて、よくケーキでついてくるのを捨てるに捨てられなくて。使うときが来たらどうしよう、と思っちゃって。使わないですね。でもお弁当には必需品ですしね。夏は暑かったものですから、ずいぶん入れましたよ。」
「使い終わったら捨てている」「なかなか捨てられなくて溜まっていく」など様々でした。取材してみると、飲み物を冷やしたり、お弁当につけたり「保冷剤」は夏場に使っている方がやはり多かったんですが・・・実は保冷剤の繁忙期について、意外な事実もわかりました。
保冷剤繁忙期は12月 芳香剤や簡易トイレに再利用も
保冷剤の捨て方や再利用方法なども含めて、日本保冷剤工業会 事務局 大林広和さんに伺いました。
日本保冷剤工業会 事務局 大林広和さん
この時期、ケーキのこともありますし、百貨店行く機会もあるでしょうし、おせちとかお歳暮とか保冷剤が活躍しているものですから、この12月が一番繁忙期と思います。保冷剤の捨て方については、自治体で若干違ったりするんですけれども、燃えるごみとして処分するのが一般的です。中に入っている原料自体が、お子さんのおむつに入っている「吸水ポリマー」が主原料になっているケースが多いんですね。おむつと一緒の扱いになっていて、燃えるごみとして処分することが多いということですね。例えば靴箱の中に入れたり、効果として僕たちはうたえないんですが、そういう利用の仕方としてはありかなと。もう一つ使い道として、保冷剤の中身を出してアロマオイルを垂らして、芳香剤としての利用も、間違いはないかなと思います。
保冷剤の中身を容器に入れてアロマオイルを垂らすだけで「芳香剤」になるそう。調べてみると「自由研究」として保冷剤を使った芳香剤作りをする子どもたちもいました。
大林さんのお話の中で「靴箱の中に入れる」という話がありましたが、消臭剤として利用する方もいるということです。
さらに保冷剤は主に、水と、おむつと同じ「吸水ポリマー」でできているので、この特性を活かして、保冷剤が災害時にトイレの代わりになることもあります。保冷剤の中身を出して、少し塩をかけて天日干しすると、水以外の部分、「吸水ポリマー」部分が残るので、簡易トイレとして活用することもできるんです。
ただ、保冷剤によっては原料が異なるものもあるそうなので、再利用の際はしっかり中身を確認してほしいとのことでした。
デニーズ 使用済み保冷剤を回収
いろいろな再利用方法がありましたが、各家庭にある保冷剤を回収している取り組みもあります。ファミリーレストラン「デニーズ」を運営する、セブン&アイ・フードシステムズ サステナビリティ推進 岩城明子さんのお話です。
セブン&アイ・フードシステムズ サステナビリティ推進 岩城明子さん
2023年5月からデニーズの4店舗で使用済みの保冷剤を回収しています。回収ボックスを店頭に用意していて、そちらにお客様がご自身で入れていただく形です。デニーズの店舗の従業員さんからご意見を集約するシステムがあって、その中でご意見があって仕組み化しました。NPO法人を経由して、海外の暑い国の地域に寄付しています。多い月で10キロ超え、2023年5月から回収量全部で408キロ。1店舗あたり約100キロの回収量があります。「お惣菜とかについてくる小さな保冷剤が残りやすい。それが自分で次使うときには、すぐ溶けてしまうので、実際は家では再利用していない。なので、ここに持って来ることが、ごみにならずありがたい」と言われています。今、寄付先が一つなので、寄付先が見つかれば店舗を拡大したいと考えています。
保冷剤の回収、かなり需要があるそうなんです。今は東京・西東京市の保谷柳沢店、八王子市の南大沢店、千葉県の柏増尾台店、三重県の桑名店の4店舗で回収していますが、寄付先が見つかれば拡大していきたいとのことでした。
保冷剤は溜まりがちなので、捨てるのではなく、有効に使ってもらえるのはいいですね。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:西村志野)