子どもの背骨が曲がる「脊柱側弯症」服の上から気軽なチェックで早期の治療へ
思春期の子どもなどの背骨が、左右に大きく曲がる病気を知っていますか?
子どもたちの有効な治療につなげようと、北海道江別市の企業がユニークな検査機器を開発しました。
連載「じぶんごとニュース」
服を脱がなくても調べられる
前屈した子どもの背骨を医師がローラーのような検査機器でなぞっています。
検査機器の名前は「スコリオデバイス」。
背骨の「ゆがみ」を測定し、背骨が左右に曲がる病気「脊柱側弯症」のリスクがあるか調べることができます。
脊柱側弯症は、多くの場合原因が分かりませんが、早期に発見することは大きな意味があると、たかやなぎ小児科の高柳直己院長は話します。
「早い時期に診断して治療すれば、手術までいかなくても装具だけで治療できるケースがある。そういうことを期待してやっていきたい」
脊柱側弯症は学校の定期検診でも確認しますが、触診や目視のために服を脱ぐ必要があり、思春期の子どもたちにとって心理的な負担が少なくありませんでした。
これに対し、スコリオデバイスは薄手の服を着たままでも背骨のゆがみを測定し、専門的な医療機関の受診が必要なのか、手軽に調べることができます。
開発したのは、センサーの開発などを手がける江別市の企業「電制コムテック」。
旭川医科大学の脊柱側弯症についての研究を知った担当者が「自社のセンサーの技術を生かせる」と、共同開発を提案。
約2年がかりで改良を重ね、2024年12月に発売しました。
須貝保徳専務は「成長期に場合によっては病気が進むというふうに言われている。各学校の保健室に1台ずつ置いておいてもらって、気軽に子どもたちの健康管理ができるようになれば」
これまでに約10台が道内の学校や医療現場に導入されていて、新たな検査方法として広まるか、注目されます。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年6月10日)の情報に基づきます。