【ふるさとWish】重要文化財の芦屋釜も展示 11月にリニューアルした「芦屋釜の里」へ(芦屋町)
茶の湯釜の名品として知られる芦屋釜。福岡県芦屋町で作られていたことから『芦屋釜』と名付けられ、茶人たちを魅了してきました。国指定重要文化財になっている9点の茶の湯釜のうち、8点が芦屋釜であることからもその価値の高さが伺えます。
江戸時代初期に一度途絶えたとされる芦屋釜ですが、現在は鋳物師(いもじ)の方を中心に技術継承に取り組んでいます。
その芦屋釜の復興と茶道文化の振興に取り組む施設「芦屋釜の里」が、今年11月にリニューアルオープン。リニューアルに伴い、新設されたのは展示室。「芦屋釜の里」の資料館に入り右手に進むと、新設された展示室が見えます。展示室へ向かうまでの通路には、全国の博物館等に所蔵されている重要文化財の芦屋釜をパネルで展示。それぞれの特徴についても詳しく解説されており、芦屋釜の歴史と魅力を深く学ぶことができます。
新しい展示室は「茶室」をイメージした建物で、全体的に落ち着きのある色合いで洗練された空間となっています。中心には「芦屋釜の里」が所蔵している重要文化財の芦屋釜「芦屋霰地真形(あしやあられじしんなり)釜」を展示。およそ600年前の室町時代初期に作られたもので「芦屋釜の里・歴史の里」係の入江翔悟さんは「ふたを支えている口の部分から胴へかけてのなだらかな曲線美、また規則正しい霰(あられ)紋が非常に特徴的な釜です」と説明してくれました。
現在「芦屋釜の里」ではリニューアルオープンと重要文化財「芦屋霰地真形釜」の公開を記念し、特別展「芦屋釜600年の旅~室町から現代へ~」を開催中。九州国立博物館等の茶の湯釜の名品もあわせて展示しています。
「芦屋釜の里」には気軽にお茶と茶菓子をいただける立礼席や、芦屋釜復興工房、広大な日本庭園や茶室などもあり、季節に合わせた体験プログラムも充実。四季折々の自然を楽しみながら日本の伝統文化に浸る贅沢な時間を過ごしてみませんか。
『芦屋釜の里』
住所:福岡県遠賀郡芦屋町山鹿1558-3
電話:093-223-5881
営業時間:9:30~17:00(入館・呈茶は16:30まで)
入館料:18歳以上300円、小・中・高校生100円
定休:毎週月曜日(祝日にあたる場合はその翌平日)、年末年始
※この記事は2024年11月22日「アサデス。KBC」の放送内容です。