【食物アレルギーに配慮】特定原材料8品目を使用していないトップバリュ「やさしごはん」の冷凍食品を食べてみた → 社会課題にハッとさせられた
2023年3月より食品表示基準が改正され、アレルギー表示が義務付けられた特定原材料品目に「くるみ」が追加された。特定原材料8品目──最近この言葉を目にする機会も増えたような気がする。
同時に以前と比べたら分かりやすい表示が増えたものだが、イオンのプライベートブランド・トップバリュの「やさしごはん」が気になったので買ってみた。
というのも、種類が豊富でかなり売れているものもあったのだ。
・やさしごはんとは
「食物アレルギーのあるお子さまやご家族にもっと手軽に食事を楽しんでいただきたいとの想い」から2016年に販売を開始したイオンのやさしごはん。リニューアルを繰り返し、今年の夏からは冷凍食品をはじめ12品目を新たに発売している。
中でも今回は新しく登場した冷凍食品に注目。商品の特徴としては、卵、乳、小麦、くるみ、えび、かに、そば、落花生の特定原材料8品目を使用していないことである。
ちなみにその種類はパン系からおかず系となどまであって豊富。どれを買うかアレコレ悩んだなかから、店舗で売れ筋だった「あらびきドッグ」「豚まん」「もっちりしたパン」の3つを買ってみた。
一体どんな感じの味なのか。まずはあらびきドッグ(4個入りで861円)から食べてみよう。
中身を取り出してみると、あらびきドッグが1つ1つ個包装されていた。てっきりそのまま4個入っていると思っていたから、これは保存しやすくて便利!
なお、作り方は簡単で袋に2〜3センチの切り口を入れ、レンジで温めるだけでOK。500Wで1分10秒(600Wなら1分)待てば……
ほい、完成。見た目は普通にホットドッグで、それ以外のなにものでもない。サイズはスマホサイズくらいだろうか。
中に何が入っているか確認するため包丁で切ってみると、あらびきウインナーだけととにかくシンプル。味の方は普通のパンに思えるが、実際にはちょっと違った。
フワッとした生地が独特で、口の中で味わうと消失していくような食感は味わったことないタイプだ。
とはいえ、これと言って違和感もないし美味しく食べられる。言われなければ「特定原材料8品目を不使用」だと分からない人も多いだろう。
・豚まん
続いては豚まん(4個入り645円)。こちらも個包装になっているのがありがたい。
拳より小さめのサイズで、コンビニに置いてあるタイプよりはちょいミニ。触ってみると生地がモッチモチで、知っている豚まんのものと少し違う感じがする。
このあたり特定原材料8品目を使っていないことが影響しているのだろうか。しかしながら、食感は紛れもなく豚まんで食べてみると素直に美味しい。
生地もっちりの中身ぎっしり。たけのこ や しいたけを使った餡が食べ応えあって、朝食やおやつとかで活躍しそうな感じだ。
唯一気になったのは、撮影していてちょっと時間を置くとモッチモチだったのがネットリしたこと。とはいえ、普段は即食べるだろうしそう気にする必要はないか。
・もっとも売れていたパン
そして最後はもっとも売れていて在庫わずかになっていた「もっちりしたパン(4個入り429円)」。
上の2種類と同じく、当然これも個包装になっているのだが……おぉぉ!
ミッキー!!!!
かなり可愛らしい仕様になっていて、この感じが売り場の追い風になっていそうな気もする。でもって、中身は……
シンプルながら、とにかくモッチモチなパンだった。まるで餅を食べているのかと軽く錯覚するような皮の食べ応え、そしてちょっとした甘さがある。
大きな特徴があるワケじゃないが、売れているっていうのもどことなく分かる。なんというか、安定していてまた食べたいと思わされるようなタイプなのだ。
そうそう、レンチンするとパン底の部分が硬く感じた(逆にそれが美味しかったりもしたけど)から、とにかく柔く食べたい人は自然解凍の方がいいかも。
・社会の課題でもある
──以上が食べてみた感想なのだが、商品を調べるためにPR TIMESを見ていたらハッとさせられた。今年1月に発生した「令和6年能登半島地震」の際、食物アレルギーで配られた食事がとれなかった人が、やさしごはんで普段に近い食事ができたというのだ。
そう、食物アレルギーは震災など有事の際の食事に関する社会課題。日本は自然災害の多い国でもあるから、さらに細かいところまで準備しておくことが大事なのだと改めて考えさせられた。
今回のような商品がイオン系列の冷凍食品コーナーに置かれるようになったのも大きな一歩。こういった取り組みがもっと分かりやすく、そして増えていってほしいものである。
参考リンク:PR TIMES
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
▼ホットドッグの詳細
▼豚まん
▼もっちりしたパン(米粉パン)