吹き抜けに窓を設けるポイントは?メリットや注意点、事例もご紹介
新築のマイホームを建てるとき、明るく開放感のある住まいに憧れる方も多いのではないでしょうか。リビングや玄関に吹き抜けをつくることで、広々とした一体感のある空間が生まれます。吹き抜け窓はポイントを押さえて、効果的に取り入れることが大切です。
この記事では、吹き抜けの窓の目的やポイント、メリット、注意点について解説します。あわせて住宅の施工事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
吹き抜けの窓とは?
吹き抜け窓とは、吹き抜けの天井や壁に設けられた窓のことです。高い位置に設置された窓からはたっぷり太陽光を取り込めるため、明るく開放的な空間に仕上がります。
吹き抜け窓を設置する場合は、住宅における吹き抜け窓が持つ役割や設置する際のポイントを押さえたうえで、検討することが大切です。ここでは、吹き抜け窓の目的とポイントについてみていきます。
吹き抜けに窓を設ける目的
吹き抜け窓を設置する目的は、主に以下の3つです。
・ 採光:外から太陽光を取り込む・ 通風:室内の空気を自然循環させる・ 眺望:高い位置の窓の外の景色を楽しむ
吹き抜けの窓は高さと窓から差し込む自然光の視覚的な相乗効果により、明るく開放的な空間が生まれます。
狭小住宅で横の空間を広く取れない場合も、高さのある吹き抜け窓を設置することで、心理的な圧迫感がなくなります。
吹き抜けの窓を設ける際のポイント
日差しの入り方を意識する
吹き抜け窓を設置する場合は、窓の大きさや種類、配置によって効果が変わってくるため、吹き抜けならではのポイントを押さえたうえで、目的に応じて設置することが大切です。
ここでは、吹き抜け窓を設置する際のポイントについてみていきます。
配置の仕方を考慮する
吹き抜け窓の位置は、住宅全体の印象や住まいの快適さに影響を与える重要な要素です。吹き抜け窓の配置する場合は、1階の窓と吹き抜け窓の縦のラインを揃えるのがポイントになります。すっきりとしたスタイリッシュな印象を与え、デザイン性もアップするでしょう。
また窓を複数設置したり大きなサイズの窓にしたりすることで、開口部から多くの光が差し込むため、より明るく開放的な空間になります。
窓から見える景色をイメージする
吹き抜け窓は室内から外の景色がよく見えるため、窓から見える風景を想定して設置することが大切です。視界を遮るような隣の家や障害物が入る場所に設置すれば、景色も日当たりもよくありません。
逆に、青空や外の自然の景色が見える場所であれば、1枚の大きなガラス仕様の吹き抜け窓にするのがおすすめです。1枚の絵のように外の景色を眺めることで、自然とつながるような視覚的効果も得られます。また、室内にいながら四季の変化を感じられるでしょう。
日差しの入り方を意識する
家全体の向きや日当たりによっては、思ったほど採光できないケースもあります。間取りに応じた効率よく自然光や明るさを取り込める配置や、家族の過ごし方に適した日射量を考慮するのがポイントです。
吹き抜け窓は配置により、日差しが入る時間帯や角度が大きく異なります。午前中から昼に家で過ごすことが多いのであれば、東から南に面して設置すると明るい空間をつくれるでしょう。午後に家で過ごすことが多いのであれば、南から西に面して設置するのがおすすめです。
吹き抜けに窓を設けるメリット
吹き抜け窓を設置することで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、どのようなメリットが得られるのかについて、具体的にみていきましょう。
採光により室内が明るくなる
高い位置に設置された吹き抜け窓は、自然光を1階まで届けてくれるため、冬でも明るさを確保できます。明るい住まいづくりには、吹き抜け窓の設置が有効です。
吹き抜け窓であれば、時間に限らず外の光を取り入れられ、室内から星を眺めることもできるでしょう。
空気に循環により風通しがよくなる
吹き抜け窓を設置することで、室内全体を効率的に自然換気できるのもメリットです。空気は温度が高いと軽くなり、温度が低いと重くなる性質があります。
空気が持つ性質を活かすことで、下の窓から上の窓へと空気を循環させて、効率的に空気の入れ替えができるため、省エネにも繋がるでしょう。
開放感を味わえる
開放感のある空間を演出できるのは、吹き抜けの最大のメリットです。1階と2階を吹き抜けで繫がる空間は天井が高くなり、視界が広がります。
十分な広さが確保できなかったとしても、空間の狭さを感じさせません。上部の空間を最大限活用することで、開放的で居心地のよい空間をつくれます。
おしゃれな空間を演出できる
デザイン性の高い吹き抜け窓を選べば、洗練されたおしゃれな空間を演出できます。近年注目されているのが、1枚の大きなガラスを使った吹き抜け窓です。
ほかにも、視界を遮らないフレームインタイプや、スリット窓、縦長の窓も吹き抜け設計において人気があります。窓のサッシや天井部分のデザインにもこだわれば、よりおしゃれな空間をつくれるでしょう。
吹き抜けに窓を設ける際の注意点
吹き抜け窓はメリットだけでなく、次のような注意点も考慮したうえで、設置を検討しましょう。
冷暖房の効果が薄れる
断熱性能が低い大きな吹き抜け窓を設置してしまうと、冷暖房の効果が薄れてしまいます。冬場は暖房で室内を暖めても熱が逃げてしまい、夏場は外からの熱により室内が冷えません。
冷暖房効率を上げるためには、以下のことが有効です。
・ 断熱性能の高いサッシにする・ リールスクリーンをつける・ 開かないFIX窓を選ぶ
いずれも断熱性を高める効果が期待できます。
プライバシーが気になる
近くに2階以上の建物が建っている場合は、吹き抜け窓であっても外からの目線が気になるのがデメリットです。外からの目線に対する対策としては、以下のようなことが挙げられます。
・ 窓は目線が気にならない配置にする・ 横長や縦長の窓を選ぶ・ 型ガラスを選ぶ
隣家などの周囲の環境をしっかり確認し、少し窓の位置や高さを調整するだけでも目線を外せます。横長や縦長の窓なら目線を遮ることができるでしょう。
日差しが強さやまぶしさがある
吹き抜け窓は配置によっては日差しの強さやまぶしさが生じるのもデメリットです。西側に大きな窓を設けると、夏場は夕方以降に室温が上昇しやすくなります。仕事や勉強をするデスクに直射日光が当たれば、集中しにくくなることもあるでしょう。
日差しの具体的な対策としては、以下のようなものがあります。
・ 日射を考慮しながら窓の配置を検討する・ 西側の窓は避ける・ ロールスクリーンやカーテンなどで遮光する
吹き抜け窓は外観的なデザインだけでなく、住み心地も考慮して配置を検討する必要があります。
掃除やメンテナンスがしづらい
高い位置に設置された吹き抜け窓は手が届かないことがほとんどです。そのため、掃除やメンテナンスがしづらいため、注意してください。設置した窓の汚れが目立つと、外観的なデザイン性が下がってしまうため、掃除方法をあらかじめ考慮しておく必要があるでしょう。
掃除に対する対策として、以下のようなものがあります。
・ 2階や階段から窓掃除ができる設計にする・ 長さのある掃除用具を使う・ 脚立を使って掃除をする
自分で掃除する場合は、窓の高い部分にも手が届く設計を心掛け、適切な用具を準備しましょう。
耐震性が低下する可能性がある
吹き抜けの窓を大きくすると床の面積が減るため、通常の住居よりも耐震性能が低下する可能性があります。
建物の強度が重要になるため、吹き抜けの周りに耐力壁をつくり、床とのバランスを考慮した構造にすることが大切です。ハウスメーカーや工務店などと相談し、耐震性能に配慮した住宅設計にしましょう。
吹き抜けに窓を設けた事例3選
吹き抜け窓を設置するなら、どのような住まいになるのか明確なイメージを持つことが大切です。ここでは、吹き抜け窓の施工事例をご紹介します。
青空を切り取った吹き抜け窓
玄関に設けた吹き抜け窓の施工事例です。青空を望める位置に吹き抜け窓を設ければ、暗くて狭くなりがちな玄関も視線が抜けて明るい印象に変えることができます。
通気性もよくなり、こもりがちな玄関の匂いも解消できるのも利点です。デザイン性も機能性も兼ね備えた開放的な空間がつくれます。
庭に面した吹き抜け窓
庭に面した吹き抜けの施工事例です。吹き抜け窓で外からの視線が気になるなら、中庭に面したリビングにダイナミックな吹き抜けをつくりましょう。プライバシー性を保ちつつ、開放的な暮らしを実現できます。
青々とした芝生が広がり、四季折々の木々の色彩を楽しむことができるでしょう。
勾配天井の天窓
勾配天井の天窓の施工事例です。壁面の窓とは異なり、外部からの視線が届かない位置にある天窓は、プライバシーが守られるため、安心して過ごせます。カーテンやブラインドを閉める必要がなく、常に自然光を取り入れられます。換気をする際もプライバシーを損なうことなく、おしゃれな外観と快適な室内環境を保つことができます。
まとめ:吹き抜けに窓を取り入れた理想の住まいを実現しよう
吹き抜け窓は、明るく開放的な空間をつくるためには欠かせません。施工を注文する際は住宅のデザイン性の高さはもちろん、住み心地やプライシー性も考慮した住まいづくりを目指しましょう。
ワンランク上の吹き抜け窓を設置するためには、吹き抜けならではの特徴を把握し、間取りや空間、暮らし方にマッチさせることがポイントです。ぜひ家族が快適に過ごせる、吹き抜けに窓がある新築マイホームを手に入れてくださいね。