自民党、夏の参議院選挙の公約に1人当たり2万~4万の一律給付を検討
6月11日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、自民党が夏の参議院選挙に向けて公約に給付を掲げているというニュースについて意見を交わした。
寺島尚正アナ「夏の参議院選挙に向けた与野党の公約は給付や減税といった分配政策への傾斜が鮮明となってきました。自民公明両党は昨日、公約に給付を明記すると合意。立憲民主党も食料品の消費税ゼロを掲げています。財政規律への目配りは乏しく物価高対策で家計を支援するサービス合戦の要素を呈しているといいます。分配給付、税制や社会保障制度の仕組みで富裕層から所得や富を移転させて貧困を生む過度な経済拡散の是正を促す措置で、経済政策の一つで給付や減税が具体策に挙げられます。分配の原資となる財源については赤字国債頼みの構図が続くと将来世代の負担が増えるリスクをはらむ……日経新聞にはこういうふうに出ています。参議院選挙に向けて各党の政策が見えてきました。分配に傾いているという指摘もありますが、これは森永さん、どうでしょうね?」
森永康平「実際その経済の指標なんかを見てみると明らかに日本の消費が弱っているのは間違いないんですね。これは別にどういう思想とか考え方があるとかそういうのは関係なく、事実ベースで消費が弱ってますねと。なのでそこに対して家計支援をしましょうということで給付であったりとか減税だったりっていうのが政策案として出てくることは何ら違和感はないです。ただ気持ち悪いのが、やはりこの選挙前になってこういう話が出てくることっていうのはいかがなものかなと思いますし、そもそも減税の話をするときは自民党サイドは『そんな財源があるわけないだろう!こんなに財政厳しいんだから』ってあれだけ言ってたのにですね、『目玉の公約がないと戦えにくいんじゃないか』みたいな話が出てきた瞬間に『給付します』と。『あれ?減税の財源はないとか言ってませんでしたっけ?』そう考えると、何を目的に政策を論じているのかっていうところが、『いい言いたかないけど見えてきちゃうよね』と、国民生活とかっていうよりはやはりこの選挙でどう勝つのかという感じで、そっちの目的なんじゃないんですかって思われてしまってもしょうがないんじゃないかなと思いますよ」
寺島「その自民党ですが、1人当たり2万から4万の一律給付を検討しています。で、財源ですが2024年度税収の上振れ分を財源とする……『この前までこれって財源になりませんとか言ってませんでしたっけ?』っていう感じなんですよね」
森永「なので二枚舌と言うか。やりたくないっていう時は財源を理由に持ち出すのに、『仕方ねえな、選挙の為にやるか』ってなると急に財源がどこからか湧いてくる。こういうのがですね、そろそろ有権者にも見抜かれるべきだと思いますが、これが意外と有効になってしまうっていう……これは政治家というより国民の側が悪いんじゃないかなと思うところもありますけどね」