三浦海岸 夏の賑わい呼び戻す 市主導で海水浴場開設
三浦市は今夏、三浦海岸海水浴場を開設すると発表した。7月12日(土)の「海開き」イベントを皮切りに8月31日(日)まで実施する。昨夏は海の家の設置者が、建設費など財政的な事情から営業を断念。三浦海岸海水浴場運営委員会も海の家の出店料が見込めなくなったことでビーチの安全対策に充てる費用を捻出できなくなり、継続した運営が困難であると判断して解散を決定した。夏の観光の主役を欠いた状態に危機感を抱いた市が対策に乗り出し、新しいスタイルの海利用を提案することで賑わいを呼び戻す。
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「MIURAFUNBEACH三浦海岸」のネーミングで、委託事業者の(株)ニッポン放送が企画運営を行う。「駅近」「広い砂浜」などの優位性を全面に打ち出し、地場の食材を用いたグルメやビーチスポーツ、音楽などのコンテンツを用意して幅広い層の集客を図る。海の家は設置されないが、ストレッチテントと呼ばれる大型テントをエリア内に設けて、来場者の日よけやライブステージとして活用する。
一方で、海水浴の人気低迷は全国的な傾向だ。レジャーの多様化や少子化に加え、近年は日焼けを嫌う若者が増えていることもあり、「海離れ」が進んでいる。
三浦海岸海水浴場は、1999年のピーク時に104万人が訪れていたが、平成時代の中盤に70万台に。2019年には約35万人となり、20年で3分の1に減少した。新型コロナが猛威を振るった時期は海水浴場が休場されたこともあり、退潮を加速させた。
こうした状況を踏まえ、市は多様なビーチ活用を仕掛けていく。その一つとして、広大な砂浜をアウトドアフィールドと捉え、ビーチバレーやビーチサッカーなどが楽しめる環境を用意する。三浦海岸が日本での発祥地とされるフレスコボールの大会も開催する。
吉田英男市長は「時流や暑さなどの環境の変化に合わせた新しい海水浴場としていく。実験的な部分もあり、検証を重ねながら誘客につなげたい」と期待を話した。