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ミニマリストの部屋の特徴・洋服の選び方・生活スタイルとは?

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ミニマリストの部屋の特徴・洋服の選び方・生活スタイルとは?

コロナ禍で「断捨離」が注目され、家にいる時間が増えた多くの人たちは自分たちの生活にどれだけの物が必要なのか見直しました。その発想を極限まで追求する人たちが「ミニマリスト」です。ミニマリストは単なる一過性の流行やトレンドではなく、哲学であり、生き方であり、価値観です。

この記事では下記の4点を解説します。

ミニマリストの語源とは? ミニマリストの暮らし方や部屋の特徴 ミニマリストの生活と特徴 ミニマリストに聞く「物を減らす・捨てるコツ」

ミニマリストの語源とは?

「ミニマリスト」とは、衣食住について必要最小限の物で生活をするライフスタイルを実践している人のことです。「ミニマル(minimal)」とは「最小限の」を意味する英語であり、「ミニマリスト」というライフスタイルは2010年ごろから発信されるようになり、2015年にはユーキャン新語・流行語大賞にもノミネートされました。

このようにミニマリストは物が溢れかえる現代社会にあって、消費を最小限に抑えようとする人たちですが、過剰を抑制しようとするムーブメントはもともと政治や絵画、彫刻、音楽から始まりました。

※出典:ミニマリストとは?ミニマリストの意味を調べる|不動産用語集

例えば、1960年代には「ミニマル・アート」がアメリカを中心に登場しました。アートの純粋性を志向し、形状を最小限までにそぎ落とし、抽象的な表現や反復性、連続性を特徴とします。また、同時期に登場した「ミニマル・ミュージック」も数少ない音を反復したり、引き伸ばしたりして、シンプルさを極限まで追求するジャンルです。

このようなミニマリストの起源を振り返ると、単に「できるだけ少ない物で暮らす人」ではなく、その根底にある「ミニマリズム」という価値観、哲学を追求している人たちであることが分かるはずです。「過剰を抑制し、必要最小限度の要素だけ残す」という価値観は持ち物だけでなく、ミニマリストの考え方と密接な関係があるのです。

※出典:橋本博美「80年代アメリカ小説におけるミニマリズムとRaymond Carverの影響『中京大学教養論叢』

ミニマリストの暮らし方や部屋の特徴

ミニマリストとして知られる佐々木典士さんによると、ミニマリストとは「持ち物が少ない人」ではありません。ミニマリストの本質は「他人の評価軸でも所有物の個数でもなく、何が自分にとって必要なのかを自らが決めている」ことといいます。

その結果、ミニマリストの部屋は必然的に自分が本当に気に入っているものだけが置かれることになります。決して何でもかんでも捨ててしまうのではありません。ミニマリストの部屋を見ると、自分にとって無駄なものだけを減らし、心地よい量でシンプルに暮らしていることが分かります。

こうしたミニマルライフを心がける中で、ミニマリズムの価値観が磨かれ、その実践としての整理整頓、片付け、断捨離、物の手放し方のスキルが身についていきます。

ミニマリストとしてYouTube、SNSでの発信の他、ブランド「less is_jp」のデザイナーとして活躍するミニマリストしぶさんによると、ミニマリストの部屋の法則は「余白7:3遊び心」で、それが「美術館のバランス」とのことです。

しぶさんが言う「余白」とは、物を減らすことで生まれる「あえて何も置かない床」を指します。7割を超えると殺風景になるため、居住スペースの7割を余白として心がけ、3割のスペースには「遊び心」と称するワクワクする趣味の道具やアートなどを設置するスペースにしているそうです。

ミニマリスト部屋の法則は…

【 余白 7 : 3 遊び心 】

=美術館のバランス。少数精鋭

▼余白
物を減らして生まれる「あえて何も置かない床」。7割を超えると殺風景になるので崩さない

▼遊び心
ワクワクする趣味の道具やアート等

……今後はこれを、しぶメソッドとしてゴリ押し&布教したい所存

— ミニマリストしぶ /澁谷直人 (@minimalist_sibu) August 6 2020

余白と遊び心のバランスで統一されたミニマリストしぶさんのお部屋はこちらです。

今日もミニマリスト! pic.twitter.com/1cabzcrjHz

— ミニマリストしぶ /澁谷直人 (@minimalist_sibu) October 15 2023

ミニマリストの洋服の選び方ですが、しぶさんはオールシーズンで10着、すべて黒で揃えた服を学生時代の「学ラン」のように着ています。また、家具家電は「お金・時間・楽しみを生み出してくれるかどうか」を基準に選んでいるとのことです。

例えば、時間のゆとりを大切にしているしぶさんは、家事を代わりにやってくれるドラム式洗濯機やお掃除ロボットを所有していますし、映画鑑賞が好きなので楽しみを生み出してくれるプロジェクターも欠かせません。紙の本は電子化して、スマホやタブレットに入れています。

2023年5月に都内の狭小物件に住んでいる男女1005人を対象にして行われた調査によると、「狭小物件に住んでみて満足していますか?」という質問に対し、「とても満足している」と回答したのは全体の16.6%であり、「まあ満足している」との回答は57.9%に上りました。狭小物件は立地の割に家賃が安いことに加え、掃除をする手間がかからないなどのメリットもあり、ミニマリストとも親和性があります。

※出典:東京の家賃は高すぎる…多くの人が今、あえて”狭小物件”に住む理由とは?|安い!格安/激安賃貸なら部屋まる。

ミニマリストはライフスタイルであり、価値観ですが、物価上昇による家賃高騰が進む現状にもマッチしており、実利的とも言えます。

狭い部屋で十分じゃない? 見せ方上手の部屋づくりでコンパクトに暮らそう

ミニマリストの生活と特徴

ひと口にミニマリストと言っても、きっかけやスタイルはさまざまです。しかし、根底にある価値観が共通している点も多く、以下のような特徴を持っています。

1.面倒臭がりな人
ミニマリストには面倒臭がりな人が多いようです。「面倒臭がり」と聞くとネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれませんが、面倒臭がりゆえにポジティブに作用する面もたくさんあります。例えば、面倒臭がりでズボラ気質のため、楽をするための工夫や努力が人一倍できる人だと、ミニマリストしぶさんは言及しています。

“面倒くさがれ
面倒くさいから
工夫が生まれる”

「面倒=無駄」だから、面倒くさがりは効率化の天才でもある https://t.co/jzCLrHr03r

— ミニマリストしぶ /澁谷直人 (@minimalist_sibu) November 23 2017

2.マルチタスクが苦手で不器用な人
ミニマリストは「あれもこれも」というマルチタスクが苦手です。自分にとって必要でない物や用事を減らしていくため、自分がやりたいこと、集中すべきことを絞っていく傾向が強いと言えるでしょう。

3.物へのこだわりがある人
ミニマリストの多くは物へのこだわりが強いです。物を減らし、必要最低限度のもので暮らすからこそ、手元に残す物は自分が気に入った物、大切にしている物になります。ミニマリストにとって、不要な物を捨てるのは大事ですが、同じように物を大切にする気持ちも重要です。

4.マイペースな人
目標やゴールに向かって努力する際、自分にとって何が必要で、何が不要なのかを取捨選択する発想はミニマルな暮らしと相性が良いと言えます。

5.合理的でシンプル好き
ミニマリストは自分の本質を見極め、不要な物を排除する合理的な発想の持ち主です。また、その結果、居心地のよい、シンプルな生活を追求する傾向が強いと言えるでしょう。

このように「自分がどんな人間になりたいのか」を知れば、物を減らす目的やモチベーションも明確になります。

ミニマリストに聞く「物を減らす・捨てるコツ」

所有する物の取捨選択をして、ミニマルライフを実践したいと思っても何から手を付けていいか分からない方もいるでしょう。まずは部屋を見渡して、目の前にあるゴミを捨てることから始めてみてはいかがでしょうか。

部屋の中にゴミが散乱している状態から脱却せずして、自分にとって必要な物に囲まれたミニマルな生活へシフトするにはほど遠いと言えるでしょう。

ミニマリストしぶさんによると、物を捨てるコツは次のように5つあります。

朝起きてすぐに物を捨てるスケジュールを組んで、後回しにしない 買い戻しできる物から減らす 捨てるかどうか迷った時点で捨ててOK 捨てる時には「なぜ捨てることになったのか」を考える ムリに捨てなくていい

仕事から帰ってきた夜は、片付ける気力がないことがほとんどなので、体力があって元気な午前のうちに掃除や物を捨てるよう習慣にしておくとよいでしょう。

また、物を捨て始めたばかりの人は、何を捨てて何を残すべきか取捨選択の判断力が十分に備わっていない状態です。必要な物を捨てたことを後悔しないためにも、日用雑貨など消耗品のストックやもらい物で何年もタンスの肥やしになっているような、生活に支障をきたさないレベルの不要物から捨てていくことがコツです。

まとめ

ミニマリストになりたいと思っても、ただ所有物を減らすだけではシンプルで洗練されたライフスタイルに変化するとは限りません。まずは自分を知ることが大切です。自分の本質を知るように努めることで、「自分がどんな人生を送りたいのか」「自分にとって大切な物は何か」が見えてきます。ミニマリストにとって大切なのは、「どれだけ少ない物で生活するか」という形ではなく、「必要な物を見極めて生活する」価値観だからです。

執筆:河合 良成

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