今週のヘラブナ推薦釣り場2025【神奈川県・芦ノ湖】
芦ノ湖では近年トラウトやバス釣りが主流となり、ヘラ釣りはやや影を潜めつつあるが、5月末〜7月上旬は良型の箱根ベラを狙って多くのファンが訪れるシーズン。なかでも南部の元箱根湾は、湖では貴重な陸っぱり釣りが楽しめるエリア。観光客が見守るなか、腹パンベラの強引を味わえる非日常のひとときを体験してみよう。
芦ノ湖の概況
海面標高723m、周囲長約21kmのカルデラ湖で最大水深43m、透明度が7mほどあるクリアレイクだ。1925年、今からちょうど100年前に日本ではじめてブラックバスが放流されたのが芦ノ湖で、さらに特定外来生物特別飼養等許可を得ているため他所では禁止されているキャッチ&リリースが公認されている。ヘラブナの放流については詳細不明。
アベレージは35〜40cmで40cm以上なら良型、45cmを越えて大型と呼ばれるのが同湖の通例。クリアレイク特有の黒々とした体色が特徴で、とくに5月中旬〜7月上旬は腹パンベラが交じる確率も高い。
なお5月21日現在、水位は満水から約40cm減。低水位ゆえに魚の接岸率は下がっているが、今後の雨量次第で一気に接岸傾向およびハタキに入るものと思われる。
ポイント
陸っぱりを主とするならエリアは元箱根湾がベスト。箱根湾でも一部可能な所もあるが、遠浅地形が多く乗っ込みのタイミング以外は釣りにならない。ただし無料駐車場があるという点では箱根湾のほうが有利。
元箱根湾は、大型遊覧船桟橋を除く箱根神社寄りから数えて8本の桟橋が並んでいる。釣りがしやすいという点では2番、2番左の流れ込み、4〜5番、6〜8番でこれらは護岸が垂直になっていて観光船の波が当たっても砕け散らない。逆に1番右側や3番右側のような階段護岸では波が当たると砕け散って釣りにならない。
これらを踏まえ、以下はおすすめのポイント。
2番両サイド
桟橋横の陰を長竿で狙う。水深は2〜3本。
流れ込み
浅場に突っかけてくる魚を狙う。魚影が確認できるなら狙ってみる価値あり。満水でタチは60〜70cm。釣り台は水路の上に設置。両サイドの階段にも釣り台を置けるが波に注意。
5番右側、6番左側、7番右側
観光船桟橋が近くにあり水面が騒々しいエリア。水深もあるので桟橋陰などに頼らずとも狙いやすい。長竿でタチは3〜4本。なお8番の南側に無料駐車場あり
釣り方とエサについて
長竿の底釣りがメインで、エサは両ダンゴを主軸にグルテンセットや両グルテンと必要に応じてアレンジを加える。釣り方にとくに難しいことはなく、魚がいれば大抵はアタリを出してくれる。また流れが出たらハリスオモリやドボンで止めるといい。
風波対策は必須
問題は風波対策だ。よほど釣況がいい時を除き晴天ベタナギでアタリが出る可能性は低く、天候や湖面が荒れれば荒れるほどアタリが出やすくなる。いわゆるクリアレイク特有の現象だ。
平常時なら朝のモーニングサービスを除き、観光船が動きだす9時以降からアタリが出るのが通例で、その後は夕まづめなら舟の往来に関係なくチャンスが増す。
大波対策としては浮力のあるウキを使う。見やすいトップ、ハリを浮かせないなどの対策が効果的で、これを具体化すると高浮力で目盛が粗く径が太めのPCまたはグラスムクトップとなる。また流れがなくてもドボンにしてしまうのも効果的。ハリは大きからず小さからずの10号前後、ハリスは0.6〜0.8号を標準とする。
エサ配合と使い分けのコツ
波間に揉まれても抜けないようエサもしっかり芯残りするように仕上げて、そのうえでバラケ性や集魚力などを加味する。バラけるだけでエサ持ちが悪いようでは、すぐにハリから抜けてしまい出るアタリも出なくなるのは必然。よってネバリ気と重さがあるエサ、たとえばダンゴの底釣り夏・同冬・ペレ底などをベースに作り、そのうえで必要ならバラケマッハなどで調整するのが通例。
さらにグルテンセットであれば上記のダンゴを上バリに使用し下エサはわたグル、アルファ21などの繊維持ちがいいものをベースに、重さを加える意味でいもグルテンをブレンドするといい。ただしウグイやブルーギルなどのジャミが多い時はグルテン使用を控えたほうが無難。両ダンゴで押しきろう。
とにかくここでは魚任せの釣りになる。魚が回遊してくればアタリは出るし、アタらないのは回遊がないから。よっていつ回ってくるかわからない魚を待ち続けるド根性が、ここでは強く求められる。じっくり腰を据えて狙ってみよう。
<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊へらニュース』2025年6月6日号に掲載された記事を再編集したものになります。