八重桜の出荷ピーク 秦野市千村地区で
食用八重桜の全国有数の産地として知られている秦野市。小野孝允(たかよし)さん(79)が管理する頭高山周辺の千村の畑では4月17日、八重桜の摘み取り作業が行われた=写真。
「八重桜の里」として有名な千村地区。桜の摘み取りは江戸時代末期から、地域の祭りの費用を賄うために始まったとされる。
開花状況に合わせ、短期的に集中して行われる摘み取り作業。カーネーション農家の小野さんも、この時期は八重桜の摘み取りを行う。
17日は晴天の中、小野さんを始めとした作業員が梯子に上り、慣れた手つきで摘み取り作業を行っていた。16歳から60年以上、八重桜の摘み取りを行っている小野さん。「摘み取りは地域の風物詩。作業ができることが喜びです。高齢化で担い手が減っていて、若い人にも作業を引き継いでもらえたら」と摘み手としての思いを語る。摘み取られた八重桜はこの後、漬物業者に引き渡され加工される。