【住宅ローンの現実】40歳、世帯年収660万。ローン2,800万は高すぎますか？【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな給与明細から年収を大公開。今回は、住宅ローンのお悩みにフォーカスを当て、借入可能額や毎月の返済額の目安、家計の改善点についてファイナンシャルプランナーが解説します。【40歳 事務職】
【住宅ローン】40歳、事務職の場合
プロフィール
40歳、女性
建設業の事務職
▼現状
世帯年収：660万円
住宅ローン：2,800万円
家族構成：夫(40代、会社員)、子2人(小学生)
地方在住
【相談内容】世帯年収660万円×住宅ローン2,800万円は妥当？
「給料が生活費で消えていくので貯蓄できません。世帯年収に対する住宅ローン借入額は妥当ですか？今後、娘2人をしっかり育てられるか、老後資金を貯められるかが不安です。」
世帯年収660万円の住宅ローンをシミュレーション
まずは、年収に対して何倍の借入かを見てみましょう。
住宅金融公庫「2023年度 フラット35利用者調査」によると、全国のフラット35利用者の平均借入額は年収の6.7倍*。
世帯年収660万円の相談者さんの借入額は2,800万円で、年収の4.2倍です。
収入に対する住宅ローンの負担は平均よりも軽いと言えます。
*……参考：住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」(p.18)
毎月の住宅ローン返済額は少なめの水準
相談者さんの現在のローン返済額は、毎月7.3万円とのこと。
居住費の目安は収入の25％以内なので、年収600万の場合は毎月約12.5万円となります。
相談者さんは居住費を大きく抑えられていますね。
ただ、なかなか貯蓄ができず不安を感じておられるご様子。
総務省の「家計調査」によると、夫婦共働き4人家族世帯の1か月あたりの実収入は約76.3万円、年収換算すると約915.6万円です*。
こちらと比べると低めの世帯年収と言えますので、収入を増やす、あるいは支出をおさえる等の対策を練る必要があります。
*……参考：総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」
貯蓄額を固定化し、残りから生活費を支出
すぐに実践できるのが、貯蓄額を毎月固定化し、残りから生活費を支出して支出全体を減らすこと。
収入を増やすためには転職や副業、投資等の方法もありますが、準備が必要であり、効果が出るまでに時間がかかります。
上記と同調査での夫婦共働き4人家族世帯の平均貯蓄率は42.5%*。
いきなりこの数字は難しいので、まずは30％の貯蓄率をめざしましょう。
*……参考：総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」
おすすめは貯蓄口座と生活費口座を分け、銀行の定額自動入金サービスを使う方法。
給料が入ると自動的にそれぞれの口座に入金されますので、労力を使わずに貯蓄できます。
生活費をプリペイドカードやデビットカードで支払うのも効果的。
プリペイドカードはチャージした金額、デビットカードは口座残高から即時支払われますので、決まった予算の中でやりくりする習慣が身につき、無駄な消費が減りますよ。
まとめ
・相談者さんの住宅ローン借入額の負担は年収の4.2倍で、平均よりも軽め。
・毎月の返済額は抑えられているが、世帯年収が低いので、収入を増やしたり支出を抑えたりする仕組みづくりが必要。
・貯蓄額を固定化し、残りから生活費を支出。
※この記事では媒体で募集した情報に編集を加えて掲載しています。
◆綾瀬わか
FP2級ライター。元中学校・高校の国語教員。
資産形成や社会保険、教育等に関するお悩みを解決するお手伝いをしています。教員時代のスキルを生かして、相手に寄り添いながらわかりやすくアドバイスすることが得意です。より多くの方々が安心して生活できるようにお役に立ちたいと思っております。