実は簡単時短!フランス料理の伝統手法ブールマニエで作る【白菜ときのこのクリームシチュー】
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新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
今週は番組が誇る、人気料理研究家のみなさんにきていただいて、
さまざまなクリームシチューレシピを伺います。今回のゲストは、料理研究家の浜内千波さんです!
浜内:私は、普段は、小麦粉からホワイトソースを作る、というオーソドックスなレシピです。去年12月に「ホワイトソースの作り方」をご紹介しましたが、覚えていらっしゃいますか?ホワイトソースをイチから作るとダマになったりして、難しいイメージがあるかもしれませんが、実は小麦粉と水分量の割合を間違わなければ、シチューは思ったより簡単に手軽に作れるんです。
まずは基本のとろみについてまずは把握してみましょう。
小麦粉と水分の割合で具材やメニューによって“ベストな割合”が違うんです。今回は2パターンご紹介します。
クリームシチューの割合
・小麦粉と水分の割合は1対30の割合
・例:小麦粉10gで300ccの水分量
クリーム煮込みの場合
・小麦粉と水分量の割合は1対20の割合
・例:小麦粉10gで水分量200cc バターは基本的に小麦粉と同じ分量ですね。
ちなみに、グルテンフリーで米粉を使って作る時は、油脂類:米粉:水分=1:1:12
今回はもっと簡単で失敗知らずな方法!
・みなさんも作ってみたけど少しとろみが少ない!と思うことがありませんか?
・今日はホワイトソースではなく、別のルーの作り方をご紹介します。
フランス料理の伝統的手法!ブールマニエを使えば、簡単・時短!
ブールマニエとは、フランス料理でとろみをつけるために使われる、小麦粉とバターを練り合わせたもののことです。フランス語で「ブール」がバター、「マニエ」が練ることを意味します。
ホワイトソース
ホワイトソースは、小麦粉を炒めてからバターを溶かし混ぜ合わせ、牛乳や具材を加えていくのに対し、ブールマニエは先にスープや牛乳と具材を煮てから、最後に溶かし入れていきます。
実は、時短、簡単の代名詞と言われていますが、ブールマニエは邪道ではなく、フレンチ用語にもあるくらい、ポピュラーなとろみをつける方法なんです。少しだけとろみが欲しいと思った時にぜひ水溶き片栗粉の如きにお使いいただけると思いますバターを入れ込むだけで、牛乳が一段とコクが増えて生クリームに近づきます。粉臭さは感じなくなります。
ポイントは柔らかくしたバターと小麦粉をしっかり練る事ですかね!
そして煮汁で少し伸ばしてからお入れなってください。あっという間にとろみが、水溶きより断然きれいに失敗せず伸びると思います。今回は、そんなブールマニエで作るレシピをご紹介します。
白菜ときのこのクリームシチュー
白菜は、水分量が95%となっていますので、少しだけ小麦粉を増やしておりますが、お作りになってみてもっともっととろみが欲しいという方は、ぜひブールマニエを使ってお好みの固さに仕上げてくださいね!
葉野菜で比較的食感も残り、時短にもなり、しかも旨みが強い白菜と早く火が通るんです。きのこを入れ込んでソーセージと組み合わせてみました。それとプロセスチーズを入れ込んでコクと驚きがあっていいかな~と。
お子さんだけではなく、大人も皆さん大好きな味になっていると思いますね。
スー・小笠原:美味しい~!チーズが入ってる!生クリームが入ってないなんて!!
2~3人分の材料です。
・白菜 400g
・しめじ 100g
・ウインナー 6本
・一口プロセスチーズ 4個
・水 大さじ3
・牛乳 400㏄
・バター 20g
・小麦粉 20g
・塩 小さじ1強
・胡椒 少々
作り方です。
・白菜は一口大に切り、しめじは石づきをとってほぐす。
・ウインナー、チーズは半分に切る。
・白菜、しめじ、ウインナー?を鍋に入れ、塩をして水を加えて蓋をし、中火弱で蒸し煮にします。
・耐熱容器にバターを入れ、電子レンジでやわらかくします(600Wで15~20秒)。
・小麦粉を混ぜてブールマニエの出来上がり。
・野菜に火が通ったら、牛乳を加えてひと煮立ちさせます。
・ブールマニエをのばし入れ、胡椒も加え、とろみが付いてきたらチーズを加えて、出来上がり。
【調理する際のポイント】
さきほども言いましたが、ブールマニアを溶かす際は、煮汁を入れて溶くと、なじみやすいです。
【クリームシチューのおすすめの具】
基本的に何を入れても良いのですが、ミルクの味を邪魔しない素材がベストかと思います。
牛肉はアクも強いし、力強い味ですよね。絶対ダメではありませんが、やはりチキンのほうがおすすめ。また魚介類もホタテやエビ、鮭、タラといった淡泊系がミルクの味を引き立ててくれるものが良いと思います。
また野菜は柔らかいものと組み合わせると失敗しないと思います。ジャガイモ、人参、里芋などはあらかじめ柔らかくしておく必要がありますね。ですからルーは後からが基本になります。
【浜内千波】
・浜内さんは徳島県出身。
・1980年から料理教室を主宰。
・いかに家庭で手軽に美味しい料理を作れるかを、40年以上 伝え続けている、まさに“家庭料理のプロ”!
・月曜日の月1レギュラーで、おもに旬の食材を使った簡単料理や季節のレシピを教えていただいています。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)