芸人やラッパーが”うまい”と言われるのは嬉しい?嬉しくない?【第596回 うまい論2024】
マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオが語り合う番組。
10月14日放送は「うまい論2024」をお送りしました。
マキタ:近ごろ、遅ればせながらラップっておもしろいなと思っていて。
タツオ:おぉ、ラップ!ここに大家がいますけど。
鹿島:いいんだよ、マキタさん。やっとわかってきたね。スピもラップも。
マキタ:そうですね、先生(笑)俺が好きになった人が鎮座DOPENESSっていう人なんだけど、その人を中心に見ていると、あることに気がついて。これは随分前だけど許可局でも取り上げたかな、このテーマ。ラップの世界って「うまい」っていうことが結構珍重されているというか。「うまい」という評価があるんだなと改めて思ったわけ。それがちょっと不思議な感覚に見舞われたわけよ。
タツオ:「うまい」というのは、歌じゃなくて韻を踏むのがうまいっていうこと?
マキタ:ラップって韻を踏むのがうまい、それをライミングって言うらしいんですよ。そういう人もいれば、フロウと言って、うまくフレーズを繋ぎ合わせながら、メロディーを奏でるような気持ちいい流れをつくる人を「フロウが上手」と言う。あと、とにかく「ラップがうまい」っていう人がいるんだよ。
タツオ:「ラップがうまい」ってどういうこと?
マキタ:俺もよくわかってないけど、たとえば呂布カルマさんとか、最近テレビ番組によく出られている人がいらっしゃるじゃないですか。ああいう人はディベートが強いみたいです。
タツオ:なるほどね!
鹿島:ラップバトルって僕もそんなに見たことないけど…、あっ、見たことあるけど。僕はラップの大家なのでね。
マキタ:先生?(笑)
鹿島:ラップのバトルでしょ。見てると、「こんなすぐに返すの?うまいな~」って思いますよ。やっぱりうまいですよ。
タツオ:鹿島さんは大学を卒業してすぐにね。
鹿島:タツオ、まぁ、そう言うな、言うな…、えぇ~、ラップの全国大会で優勝しました。
マキタ・タツオ:アハハハハッ!
鹿島:みんな憧れたラップの全国大会。で、その座を投げ打って、今は芸人をやってますけどね。
マキタ:投げ打ってねえだろ(笑)
鹿島:大学時代の思い出です。
マキタ:で、まさにフリースタイルバトルとかラップバトルで張り合うなかで、みんなが結構「俺のほうがラップうまい!」みたいな。
鹿島:むしろ「うまい」が。
マキタ:すごいイキがった感じのテンションで「俺のほうがうまい!」みたいな。
タツオ:「強い」と同じノリで。
鹿島:「強い」みたいな感じで「うまい」と。
マキタ:それがなんかすごい変というか、張り合うなかで「うまい」かどうかが重要な言葉になってるという。
タツオ:それは芸人だからかもしれないよね。芸人にとって「うまい」という評価はちょっと屈辱じゃないですか。
鹿島:とくに若いころは嫌だったね。
マキタ:「うまい」って芸人にとっては決して褒め言葉にはならない問題がありますよね。
タツオ:「おもしろい」って言われたいですからね。
鹿島:あれは何なんですかね。
(TBSラジオ『東京ポッド許可局』より抜粋)