【清水区・ベイクドハート】東京修業の夫婦が作る「あんばた」と店頭に並ばない隠れメニュー
静岡市清水区の興津駅前にある「創作パン工房 ベイクドハート」は、東京で腕を磨いたパン職人夫婦が営む小さなパン工房です。仲むつまじい夫婦が作る絶品「あんばた」と、店頭にも並ばない限られた人だけが知る商品とは!?
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへいつも見慣れた街並みも裏を巡れば、そこはまるで別世界。静岡県民必見の裏スポットをお散歩します。今回は、JR興津駅周辺、歴史的な建造物も多くある 旧東海道を散策しています。
開店から20年 夫婦が営むベーカリー
旧東海道・JR興津駅前の信号から興津駅方向に入って3分ほど歩くと、“焼きたてパン”と書かれたのぼりが目に入りました。
見つけたのは、「創作パン工房 ベイクドハート」。
店内に足を踏み入れると、焼きたてのパンの香りとともに、笑顔で迎えてくれる夫婦の姿が。
佐藤公哉さんと妻の明恵さんです。笑顔がすてきな夫婦が営むアットホームなベーカリーです。
ベイクドハート・佐藤明恵さん:
伊豆で8年ぐらいやってたんですけど、興津に来て12年。合わせてちょうど20年になります
夫婦二人三脚でお店を営んできました。
一番人気「あんばた」あんことパンにこだわり
お店の一番人気の商品は「あんばた(1個 180円)」。
製あん業発祥の地と言われる興津の土地柄を考えると、やはりあんこのパンが人気なのだそう。
やさしい甘さのあんこと、とろけるバターの組み合わせは絶妙。パンがふわふわなのもこの商品の魅力です。
ベイクドハート・佐藤公哉さん:
あんことバターはやわらかいパンの方が合うと思います。口の中であんことバターを邪魔せず、口溶けよく仕上げています
自家製のあんこにもこだわりがありました。
ベイクドハート・佐藤明恵さん:
あんこを練った後に、空気をもう一度入れて練り直しているので、ふわっとした口溶けになります
ふわっと口溶けのあんこと、ふわふわパンが絶妙にマッチした最高の「あんばた」でした。
店頭には並ばない裏メニュー「あげぱん」
実は、限られた人しか知らないという商品があるということで、特別に出してもらうことに。
それは懐かしの「あげぱん(1個 150円)」でした。
揚げることでよりふわっとした食感に。学校給食の思い出がよみがえるような、シンプルだけど奥深い味わいです。
ベイクドハート・佐藤明恵さん
お客さんに頼まれた時だけ焼いています。店頭にも並ばないです
個別に注文が入った時にしか焼かないという、まさに知る人ぞ知る特別なパンです。
あげぱんは、仕込み・焼き・仕上げを担当するのが、明恵さん。公哉さんは成形を担当しています。
夫婦の息の合った仕事があってこそ実現する特別メニューなのです。
あげぱんは作れる日が限られるので、予約が必要です。
パン職人夫婦の運命的な出会いと修業時代
どうして夫婦でベーカリーを始めたのか、きっかけを聞いてみました。
ベイクドハート・佐藤明恵さん:
私がパン屋をやりたくて専門学校を出て、東京で修行をしました
夫の公哉さんは、パン作りではなく、違う仕事をしていたそうです。
ベイクドハート・佐藤公哉さん:
僕はサラリーマンで、お総菜屋さんでおすしとか握ってたんですけど、そこに彼女がアルバイトで入って来たんです
公哉さんは明恵さんに「一緒に東京ついていくぞ」と告白したという、なんとも熱々なエピソードまで聞かせてもらいました。
それまでパンには全く興味がなかったという公哉さん。明恵さんが専門学校に通っている間、自分でパンの勉強をしていたそうです。
ベイクドハート・佐藤公哉さん:
午前中は東京のパン屋さん巡っておいしいパンをいっぱい食べて、夜は居酒屋で働いていました
そして明恵さんの専門学校卒業と同時に、明恵さんはパンの老舗「明治堂」に就職、公哉さんも別のパン店で修行を始めました。
当時の写真も見せてもらいました。東京の駅前にあるパン店に就職した公哉さんの写真です。
ベイクドハート・佐藤公哉さん
僕は駅前のとにかくバンバンさばく、違うタイプのパン屋で修行してました
異なるタイプのパン店での経験が、今の「ベイクドハート」の多彩なパンづくりに生かされているようです。
東京での修業、伊豆での経験を経て、現在は興津で愛されるベーカリーとなった「ベイクドハート」。
パン作りの技術と、夫婦の愛情がつまった温かいお店でした。
■店名 創作パン工房 ベイクドハート
■住所 静岡市清水区興津中町231-3
■営業時間 11:00~19:00
■定休 水・日
■問合せ 054-376-5987