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新桜ケ丘地区 ゾーン30プラス始動 抜け道対策で安全確保へ

タウンニュース

中村会長とハンプを走行する車両

横浜市は、新桜ケ丘地区において歩行者や自転車利用者の安全な通行を確保する取り組み「ゾーン30プラス」を導入し、3月末に狭さくやハンプを設置する工事が終了した。新桜ケ丘地区連合自治会の中村好美会長は「譲り合いの精神でこの地域から交通事故がなくなることを願いたい」と話す。

渋滞回避車両の事故

1995年に横浜新道の藤塚ICが開通し、6年後の2001年には保土ケ谷バイパス新桜ケ丘ICが開通するなど、周辺の交通網が大きく変化した新桜ケ丘地区。その後20年以上に渡り同地区では、環状2号線など主要道路へと続く道路の渋滞を回避するために抜け道として同地区内を法定速度を超えるスピードで走行する車両が多く、歩行者や自転車利用者の安全が脅かされてきた。地区内ではこうした車両を中心とした事故が後を絶たず、交通事故対策が問題になっていた。

この状況を打破しようと、同地区内の「新桜ケ丘二丁目自治会」を中心とした「二丁目地区まちづくり協議会」の活動が発端となり、区域内の最高速度を時速30キロに制限することで歩行者らの安全を確保する「ゾーン30」に設定された。また、一部道路を一方通行に変更したほか、点滅信号の設置(現在は撤去)、近隣商店の買い物客による路上駐車を抑制するために「駐車禁止」と書かれた張り紙を周囲に掲示するなどの対策を取ってきたが、目立った効果がなかった。

協議会で議論

近隣の市立藤塚小学校のPTAを中心に行政や自治会役員らで構成される「藤塚小スクールゾーン対策協議会」では、23年度の会の中で交通安全対策についての議論が再浮上。「何が出来るか」「どのような対策が有効か」という議論の末、横浜市に対して事故防止対策に関する要望した結果、スクールゾーンを強化する「交通安全推進校」になった(24年度)。そこで、時速30キロに制限された道路上に狭さくなどを設置して車両の減速を促すことで交通安全の向上を図る施策「ゾーン30プラス」を導入することになり、3月末に工事が完了した。

「ゾーン30プラス」は、ゾーン30内に狭さくや道路上に凸部を設けるハンプと呼ばれる速度抑制が期待できる物理的デバイスを組み合わせ、歩行者らの安全な通行を確保する取り組みだ。

今回同地区ではハンプ2カ所、狭さく4カ所に加え、藤塚小そばの交差点に交差点ハンプが設置。県営住宅「新桜ヶ丘住宅」の間を通る道路上にはハンプ2カ所に加えて路上駐車抑止の効果も見込み、狭さく2カ所も設置されている。また、環状2号線と並行して藤塚小の正門側を走る道路上に狭さくを2カ所設置した。中村会長によると、6月に実施される予定の同協議会で効果の検証などを行うという。

藤塚小の高浜正太郎校長は「学区内には横浜新道や環2が走っているので、ゾーン30プラスが導入され子どもたちの安全が守られるようになったことはうれしい。日頃のの地域の方々の見守りにも感謝したい」と話す。

中村会長は「近隣住民の方に聞くと『既に慣れてしまった』という声が多く、私自身も狭さくやハンプに違和感はない。外部から来る車両とこの地域で生活をしている住民の共存は難しいが、譲り合いの精神を持って事故撲滅を目指したい」と語った。

藤塚小近くの交差点ハンプ
狭さく部分を走行する車両

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