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犬の早食いは寿命を縮めるって本当?危険である3つの理由から改善方法までご紹介

わんちゃんホンポ

犬の早食いが危険な理由

食欲旺盛でおいしそうにご飯を食べる愛犬の姿は、とても可愛らしく感じられますよね。しかし、犬の早食いには、様々な危険性が潜んでいます。

ごはんを喉に詰まらせる

犬の早食いで注意しておきたいことが、食べ物を喉に詰まらせたり、誤嚥(気道に食べ物が入る)したりすることです。

基本的に犬は食べ物をあまり噛まず、ドッグフードのように飲み込める程度のサイズのものであれば丸飲みしてしまうこともめずらしくありません。

決していいこととはいえませんが、犬の胃液は人間よりも強力で、多少大きな食べ物を飲み込んでも、胃の中で問題なく消化できます。

しかし、ご飯を早食いして口いっぱいの食べ物を慌てて飲み込もうとすると、喉に詰まってしまうことは十分に考えられます。

特にドライフードなど乾燥した食べ物は、まとめて飲み込もうとしたときに唾液を含むことで少し膨らむだけでなく、粒がまとまってしまい、喉で詰まる危険性が高いのです。

若い犬は飲み込む力も強い傾向がありますが、子犬や老犬はうまく飲み込めずに喉に詰まらせて窒息してしまうリスクが高いので、特に注意が必要です。

胃拡張捻転症候群を引き起こす

犬の早食いが、命を脅かす可能性があることも知っておきましょう。

早食いをすることで「胃拡張捻転症候群」と呼ばれる疾患を引き起こし、発症から数時間のうちに死亡してしまうことがあるのです。

これは、食べ物が入って膨らんだ胃が捻じれて、血行が阻害されることで内臓や周辺組織が壊死してしまう恐ろしい疾患です。

明確な原因ははっきりしていませんが、食後に運動をすることや大食い・早食いなどが要因になる可能性が指摘されているため、十分注意しなければなりません。

特にグレート・デーンやドーベルマンのような胸の深い大型犬が好発犬種と考えられているものの、小型犬を含むほかの犬種でも発生しているものなので、どのような犬種であっても気をつけましょう。

消化不良になる

窒息や胃捻転ほどの緊急性はありませんが、早食いによって消化不良を起こすことは犬の健康を害する危険性があります。

早食いをしてしまうと、食べ物をそのまま飲み込む形になるため、消化する胃腸に大きな負担がかかったり、しっかりと消化できずに嘔吐・吐出や下痢を引き起こしたりすることが考えられます。

嘔吐・吐出をくり返すと食道や口腔内が荒れてしまいますし、下痢をくり返すと脱水状態になったり腸の粘膜が弱って傷ついたりすることがあります。

前述の通り、犬が早食いをするときは、食べものをほとんど噛まずに飲み込んでいます。そのため、食べものが大きな塊のまま胃に運ばれるため、消化がしっかりと出来ないことが考えられます。

また、食べ物の栄養もきちんと吸収できずに、健康を脅かす可能性もあるので、早食い傾向がある犬が嘔吐・吐出、下痢をしやすい場合は注意が必要です。

犬の早食い対策

愛犬が早食いをしてしまう場合は、対策グッズを利用したり食事の与え方を変えたりして、安全に食べられるような対策をするようにしましょう。

早食い防止食器や知育玩具を使用する

犬の早食いを無理やりやめさせようとしてもむずかしく、手を出して押さえたり取り上げたりするとトラブルを招く恐れもあります。

そういった場合に効果的な改善方法が、「早食い防止食器」や食べ物を入れられる「知育玩具」で食事を与えることです。

早食い防止食器は、フードボウルの底にいくつも突起があって大きな口を開けて食べ物を含むことができない構造になっています。

デコボコの数やフードボウルの形そのものの種類も様々なので、愛犬に合ったものを選んであげましょう。

また、転がしたり動かしたりすることで、食べ物を取り出せる知育玩具もたくさんあります。
これは時間をかけてゆっくり食べられるだけでなく、頭を使う遊びにもなるので留守番中の暇つぶしなどにも向いています。

ただし、早食い防止食器も知育玩具も、毎日使っていると慣れてすぐに食べられるようになってしまうことがあります。そのため、いくつか用意しておき、日替わりで使い分けるとさらに効果的でしょう。

食事の回数を増やす

食事を与えると一瞬のうちに食べ切ってしまうほど早食いをしてしまう場合、一度に大量の食事を与えるのではなく、少量ずつ回数を増やして与えるようにしましょう。

食事の回数を増やすことで、空腹感を感じにくくなったり食事に対する執着心や焦燥感が薄れたりすることが考えられます。

それによって、落ち着いて食事を食べられるようになる犬も多いようです。また、消化吸収率が上がることもあり、嘔吐や下痢が改善されることも考えられます。

食事回数を増やすことがむずかしい場合は、食事のとき一度に全量をフードボウルに入れるのではなく、小分けにしながら与えてみてください。

1回量を少量ずつ数回分にわけて、ボウルに入っている分を食べ切ったら次の分を入れるようにしましょう。そうすることで喉に詰まらせてしまうリスクが減らせます。

必要以上に「待て」をさせない

犬にご飯やおやつを与える前に「待て」をさせている家庭は多いのではないでしょうか?

大好きな“ごほうび”が目の前にある状態で、「待て」の練習をしやすいタイミングなので、決して悪いことではないのですが、少し注意しておきたいことがあります。

待ちわびている愛犬の様子が可愛いからと「待て」の時間を過度に長くしてしまうと、犬の食事への渇望感が高まりすぎてしまいます。その状態で食事が与えられると、一気に食べ始めて早食いになってしまう傾向があるのです。

また、多頭飼いの場合は、犬同士が近い状態で与えると「早く食べないと取られる!」と焦りを感じてしまうことがあるので、離れた場所やそれぞれのハウスの中で与えるようにするといいでしょう。

まとめ

犬は目の前に出された食べ物を食べ切る習性があり、早食いになりやすい動物です。

しかし、早食いは犬の健康や命を脅かす要因にもなるので、できるだけ早食い対策を取り、落ち着いて安全に食事ができるようにしてあげてくださいね。


(獣医師監修:寺脇寛子)

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