一瞬のうちに溶けて無くなる…繊細な氷の芸術作品 JR網干駅から徒歩約10分のかき氷店「らしく」で美しいかき氷をいただきました 揖保郡太子町
太子町糸井の住宅地の一角にある小さなかき氷店「らしく」に、“とても芸術的なかき氷”があるとの噂を聞き、雨が降りしきる中、訪れてみました。
店内はいたるところにこだわりの小物をレイアウトしており、可愛らしい雰囲気が伝わってきます。
また、部屋中素敵な木の温もりに包まれており、カウンターやテーブルなどのお席が10席、用意されています。
らしくでは、地元本田冷蔵より仕入れた純氷を使用。「一つ一つ、かき氷を作る事に刃の角度を調整し直します」という店主である前田さんの強いこだわりも。さらに、氷の温度調整を行いながら削ることでキメの細かい繊細なかき氷を生み出します。
「シロップのかけ方一つとっても、氷の削り方一つとっても、作り手によって味わいが変わってきます。この世に同じかき氷なんて存在しません。そんな、とても奥の深いところに魅了されました」と胸に秘めた熱い思いを語ってくれました。
今回はそんなこだわりのかき氷を2種類紹介します。
まず最初に紹介する「五月雨(さみだれ)」はある“曲”をきっかけに前田さんが考案されたとても美しく華やかな一品。ベースとなるカルピスミルクの上には深い濃いブルーのバタフライピーのゼリーが乗っています。
爽やかな味わいは中に潜んでいるパイナップルシロップ。こちらは雲の隙間から覗く眩い太陽の光を表現しており、夏の訪れを感じさせてくれるようです。
中から現れたさくらんぼは見ているだけでも愛らしく、甘酸っぱい青春の一時を表しているかのようでした。
次に頂いたのは「チョコみそにカカオニブ」というとっても珍しい一品。こちらはさっきとは全く違いとってもまったりとして濃厚。ベースとなるかき氷はチョコレートソース。
トッピングにはサクサクのカカオニブ、ほんのり白みその塩味がきいた濃いクリームの味わいが調和しています。
中にはミックスナッツとキャラメルソースが。ソースを沢山入れすぎても味のバランスを壊してしまうそうで調合の加減も大変難しいそう。
「繊細だからこそすぐに溶けてしまう。写真を撮って下さるのは嬉しいのですが一番美味しいタイミングで食べて欲しいんです」と語る前田さん。一人一人提供するのにはかなり時間がかかりますので、お席に到着したら美味しいうちに味わってみてくださいね。
現金のみ、駐車場もそれほど多くありません。また皆さんが思うような一般的なかき氷もこのお店にはありません。ですが、それでも心惹かれる “らしく” のかき氷。
降りしきる雨がそこに留まる事が無いのと同様に、一瞬の間に消えて無くなってしまう氷の芸術。溶けていく氷は美しさや儚ささえも表現しているようです。
宜しければ雨が止まないうちに、前田さんのかき氷を味わいに来て下さい。食べるひとときを大切に出来ることの本当の “意味” を、知ることが出来るはず…。この日、筆者もそう心に刻み付けました。
場所
らしく
(揖保郡太子町糸井271)
時間
13:30~19:30(L.O.19:00)
駐車場
5台
※駐車場が少ない為、乗り合わせの上お越しください
支払い方法
現金のみ対応