雙林寺(そうりんじ)|570年以上の歴史あるお寺に存在する七不思議【渋川市中郷】
渋川市中郷に境内を構え、570年以上の歴史がある「雙林寺(そうりんじ)」には、開山にまつわる七不思議の伝説が残されています。
今回は、雙林寺(そうりんじ)の七不思議を一つ一つご紹介していきます。
雙林寺(そうりんじ)とは
1450年に白井城主長尾景仲(ながおかげなか)により創建され、名僧として名高い月江正文(げっこうしょうぶん)禅師が開山した曹洞宗(禅宗)のお寺です。
15世紀から16世紀には全国各地から修行者が集まり、その数は2000人を超え「雙林の水を飲まざる者は禅僧にあらず」とまで言われていました。
さらに江戸時代には曹洞宗の僧禄職に就き、上野・信濃・越後・佐渡の総取締を任せられ、修行寺であると共に役所寺として勢力を持っていました。
参道入口
参道の先に駐車場があります。
総門
参道の左側に建つ総門です。通常は閉じられています。
また、内側には七不思議の一つ、総門のツルが描かれています。
通用門
参道右側に建つ通用門。こちらの門から境内に入っていきます。
鐘楼
門をくぐってすぐ正面にあるのが鐘楼です。中には大きな鐘が見えます。
山門
中央には七不思議の一つ、山門小僧がいます。
本堂
本堂正面に建つ聖観音菩薩
雙林寺(そうりんじ)の七不思議
①開山の一つ拍子木(ひょうしぎ)
開山堂に置かれた一つ拍子木。
二つの拍子木同士を打ち合わせることで音が出るはずですが、雙林寺の拍子木は一つだけにも関わらず、お寺で何か悪いことが起こりそうになると夜中に突然なるそうです。
実際に火事が起きる前の夜中に一つ拍子木がなったということがあるそうです。
左側の建物が一つ拍子木が置いてある開山堂。
②蛇頭水(龍神水)
本堂の裏手にまわると蛇頭水(龍神水)があります。
この清水は龍の神が月江禅師の徳を慕い、湧き出させたとされ、寺にいる人の数に合わせて水量が増減し、人が増えれば水も増えると言われています。
この蛇頭水(龍神水)のおかげで、数十人数百人という多くの修行僧が訪れても水不足に陥ることはなかったそうです。
③千本樫
蛇頭水(龍神水)からさらに東へ進むと千本樫があります。
古い切株から生えた若枝が生育したものらしく根本は一体に合わさり、1株から多くの枝が分かれて生えた巨木となっています。
この木は絶対に切ることが許されず、もし切ってしまえば住職や寺に災難が降りかかるとされています。
④開山のつなぎカヤ
本堂の一番東側には巨木の開山のつなぎカヤがあります。
この開山のつなぎカヤは、雙林寺の開山として月江正文(げっこうしょうぶん)禅師が、入山した際に持参したカヤの実で出来た数珠の一粒を記念に庫裏(くり)の裏にまいたもであると伝えられています。
そしてこの木に成るどの実にも、針が通る程の穴があいているそうです。
⑤忠度桜
本堂の右前には忠度(ただのり)桜が咲いています。
月江正文禅師の夢に歌人としても優れていた平忠度が現れ、一の谷の戦いで討死した際に辞世の句を詠もうとしたが最初の“行き暮れて”が出たところで討たれてしまい、残りの下の句を付けて欲しいと願った。
月江正文禅師は“花に心はなかりけり”と続けると平忠度は満足し、お礼に桜の枝のムチを境内に挿し成仏したそうです。そのお礼のムチが成長し桜の木となって現在も綺麗な花を咲かせているそうです。
⑥山門小僧と総門のツル
本殿手前にある山門と総門には七不思議の一つである山門小僧の像と総門のツルが彫られています。
山門の中央にある山門小僧の像
童子像が夜な夜な抜け出して修行僧に難問答を仕掛けるため、住職が片手を切り落としたところ二度と現れなくなったが、小僧の像は左腕の先がなく、片手のままとなってしまったそうです。
総門の内側に彫られたツル
鶴の彫り物も門を抜け出しては悪さをするため、猟師が鉄砲で撃ったところ右足に弾痕が残ってしまっています。
⑦底なし井戸(鏡の井戸)
本堂の西側には底なし井戸(鏡の井戸)があります。
この井戸を覗き込み、もし顔が映らなければ、即刻死ぬと言われています。
雙林寺(そうりんじ)の基本情報
住所:群馬県渋川市中郷2399-7
電話:0279-53-3436
アクセス:車 関越自動車道渋川伊香保ICより車で25分
電車 JR渋川駅からタクシーで20分
座禅会開催日:
第1日曜6:30-8:00(無料)
第3日曜18:20-21:00(500円)
雙林寺(そうりんじ)まとめ
渋川市中郷にある雙林寺(そうりんじ)の七不思議についてご紹介しました。
七不思議はいかがだったでしょうか。お寺の中はとても静かで広々としているので、ゆっくりと七不思議を散策することが出来ました。巨木が多く緑にも囲まれているので自然のパワーを感じることも出来ます。
ぜひ実際に雙林寺の七不思議を見にいってみてはいかがでしょうか。
※情報は記事作成時のものです