『横浜美術館』がリニューアルで全館オープン! 港町らしい、あらゆる人に開かれた美術館へ
約3年にわたる改修工事でリニューアルを進めていた『横浜美術館』。2024年11月から一部エリアが一足先に再開していたが、2025年2月8日にいよいよ全館がオープンした。
リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」が開催中!
リニューアル後の活動理念の柱は「多様性」。あらゆる人を歓迎し、同館の新時代を象徴する入場無料の「じゆうエリア」は、建物に入って最初に広がる同館の象徴「グランドギャラリー」を中心とする空間だ。ガラス張りの天井は開閉式ルーバーを改修し、設計者・丹下健三の当初の構想が復活。やわらかな自然光がふりそそぐ場所に生まれ変わった。
このほか、無料で見られる「ギャラリー8」「ギャラリー9」も新設。子どもにも見やすいように工夫された「子どもの目でみるコーナー(『おかえり、ヨコハマ』展示室内・会期中のみ)」や授乳室の増設など、親子で安心して楽しめるようになっているのもうれしい。
また、リニューアル記念として1年を通し3つの企画展が予定されている。その1つ目が、全館オープンと同時に始まった「おかえり、ヨコハマ」展。「横浜美術館が帰ってきた」という意味と、「生きた時代や生まれた地域を問わず、横浜に関わるすべての人を『おかえり』といって迎え入れたい」という願いが込められたタイトルだ。
「横浜にまつわる作品の中でこれまであまり注目されることのなかった存在——開港以前の横浜に暮らした人びと、女性、子ども、さまざまなルーツを持つ人びとなど——にあらためて光をあてます」とは、館長・蔵屋美香さんの言葉。あらゆる文化が交錯してきた港町・横浜の歴史を、作品を通して新たな視点で振り返ることができる。はじめて訪れる人はもちろん、何度見ても発見がありそうだ。
横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1/営業時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)/定休日:木(※展覧会によって異なる)/アクセス:横浜高速鉄道みなとみらい線みなとみらい駅から徒歩3分
取材・文=中村こより 写真提供=横浜美術館
中村こより
もの書き・もの描き
1993年東京生まれ、北海道育ち。中央線沿線に憧れて三鷹で暮らした後、坂のある街に憧れて現在は谷中在住。好きなものは凸凹地形、地図、路上観察、夕立。挑戦したいことは測量と東海道踏破。