10秒で出来立てのおみそ汁!「アマノフーズ」のフリーズドライの秘密
今年7月から8月にかけての約1か月。オリンピックの取材でフランス・パリに滞在していた近藤夏子アナウンサー。これだけ長期の取材となると、心配だったのは食生活。ゆっくり座ってご飯を食べる時間はほぼなかった中、助けられたのは「アマノフーズ」のフリーズドライ製品だったそうです。
中でも特に気に入ったのは、野菜をペースト状にしたスムージーと様々なスパイスを使い煮込んだという『野菜と鶏肉のカレー』。もちろん調理はお湯を注ぐだけ。濃厚で大きめにカットされた野菜のおかげで食べ応えもあり、それでいて高級感と満足感をどちらも得ることができたそうです。
近藤:取材で疲れた心と身体にしみました~
どうしてお湯をかけるだけで、こんなに出来立て感が味わえるのか…!?気になったので「アマノフーズ」に直接聞いてみました。お答えいただいたのはアマノフーズ開発担当のマーケティング部の吉岡さん。
「フリーズドライ」ってそもそも何?
吉岡さん:フリーズドライとは文字通り、凍らせたまま(フリーズ)乾燥(ドライ)させる技術のことです。凍らせることで食品の中にある水分を結晶化し、真空化で一気に乾燥させることで結晶化した部分が空洞になります。その穴にお湯が入り込むことで、フリーズドライ前の状態に復元することができます。
冷凍できるものはどんなものでもフリーズドライができるのですが、フリーズドライで難しいのは、お湯をかけて「フリーズドライ前の状態に復元させることができるか」ということです。凍らせることで、食品中に氷の結晶ができやすい食材は、お湯がしみ込みやすいのでフリーズドライ化しやすいです。
なお、できにくいものの一例を聴くと「こんにゃく」は、お湯が染み込んでいかず、弾力の復元が難しくて現状ではフリーズドライが実現できていないそうです。
フリーズドライのメリットとこだわり
吉岡さん:まずはお湯を注ぐだけで手軽に短時間で完成出来る事です。おみそ汁だとお湯をかけて10秒で作りたての美味しさを味わうことができます。また熱をかけ続ける一般的な乾燥方法とは異なり、あまり熱をかけないため、食品の色や栄養価が損なわれにくいのも特長です。そして軽いという事です。常温で約1年保存もできますし持ち運びに便利です。
アマノフーズの商品は具材と調味が合わさったブロック状のフリーズドライにこだわっています。実際に調理したものをフリーズドライにしているのですが、具材と調味を一緒にフリーズドライすることで、具材に味がよく馴染んで作りたての美味しさを楽しむことができます。おみそ汁も具材を煮込んだような作りたてを味わえます。アマノフーズは約40年前に日本で初めてブロックタイプのフリーズドライおみそ汁の開発に成功しました。いまでは約70種類のおみそ汁を展開しています。
おみそ汁以外にも様々なフリーズドライ製品があります。
アマノフーズのフリーズドライおみそ汁は、実際におみそ汁を作り、それを1食分ずつ型枠に入れ凍らせて、真空状態で乾燥させ、製品化しています。そうして作られたフリーズドライの製品は約1年保存が可能なため、最近では災害時の備蓄としても重宝されています。またアマノフーズでもローリングストック向けの商品も販売しているそうです。
出演者・スタッフも驚いた「チャレンジ商品」
先ほど「こんにゃく」はフリーズドライにできないと言いましたが、こんなものも商品にしづらいそうです。
吉岡さん:油分・でんぷん質の多いものは、お湯が浸透しにくいことからフリーズドライに向かない食材とされています。特に揚げ物や肉類は油分が多いので、フリーズドライ化が非常に難しいのですが、みなさんにフリーズドライの“驚き”と“美味しさ”を提供したいという思いで、あえてこれらの食材にチャレンジしています。
今年の2月には期間限定・数量限定で「煮込み風ハンバーグ」を発売しました。残念ながら今は販売していないのですが、この商品は100回以上の試作を繰り返しお湯をかけて2分でふっくらやわらかなハンバーグを復元させることができました。
お湯をかけて2分で出来立て感のあるハンバーグに
番組の出演者やスタッフが食べてみたところ、本当に出来立てのハンバーグ感が味わえました。これがフリーズドライで食べられることに本当に驚きです。
あまりの驚きに声がでない近藤アナ
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)