【実録】新型『ジムニー』の注文から納車まで
スズキの新型ジムニーを手に入れた。今(2025)でこそ街中で頻繁にその姿を見かけるようになったが、発売当初はレアな存在だったように思う。
とは言え、新車注文から納車の長さは相変わらずで、一般的には約1年。そこで今回は契約して手元に来るまで、どのような流れであったか実体験をお届けしたい。
・2024年10月に注文
2017年に新型ジムニーが出てからというもの、記者はずっと「乗りたいな」と思っていた。このたび車がないとやや不便な地域に引っ越したことで、ようやく購入の決意が固まった次第。
冒頭に書いた通り納期が長いことは知っていたので、一瞬だけ新古車もしくは中古車を検討した。ショップにも見に行ってはみたが、値段は新車より高いものがほとんど。
そうでなくともジムニーはカスタムしてなんぼなところがあるので、中古であれば誰かの手が入っていたりする。それならばやはり新しいものを手に入れ、イチから自分好みの車に仕上げていきたいという気持ちが勝った。
そうと決まれば一刻も早く注文しなければと、最寄りのスズキのショップへ。購入前に試乗を勧められたので、運転させてもらうことにした。
室内空間が狭いだの乗り降りし辛いだのといった話を耳にしていたが、普段から軽自動車に乗ることが多い記者は全く気にならないどころか、ものすごく乗りやすく感じた。
実際に経験してみなければわからないものだと思いつつ、乗りもしていないのに何が何でもジムニーを買うと決めている自分がちょっとおかしくて笑う。もちろんその日に注文することに決定。すぐさま契約を結んだ。
2024年10月1日のことである。
・選ぶ色によって納期が変わる?
ひと言にジムニーと言ってもシエラ(普通車)のほか、ジムニー(軽自動車)XC、XL、XGと種類がある。記者は軽自動車が良かったので、XC、XL、XGの中から選ばなければならない。
これらは何が違うかと言うと、平たく言えばグレードだ。XCが最もグレードが高く、より快適機能が備わっている。例えばヘッドランプがLEDでウォッシャーが付いていたり、ステアリングホイールが本革巻だったり、ホイールがアルミだったりだ。
そのほかはハロゲンヘッドランプだったり、スチールホイールだったりする。気になる値段は、XGでメーカー希望小売価格が税込175万3400円、XCで200万2000円(いずれもAT、2024年秋注文時の価格)とそこまでの開きはない。
せっかくならば少しでも性能が良い方をと、記者はXCにすることにした。あとはボディカラーを選べば、予約するための最低限の条件は整う。
店員さん曰く、人気はシフォンアイボリーメタリックとミディアムグレー、ジャングルグリーンあたりだという。確かに街中でよく見かけるカラーだ。
迷ったがジムニーと言えばな、キネティックイエローを選択。カタログによれば、この色は「大自然で行動するプロたち(ハンターなど)が吹雪や濃霧など悪天候を想定して目立つ色、蛍光色を取り入れた服や道具を使うことから発想して誕生した」とある。
ハントする予定はないが、そこそこな悪路や山道を走ることもあるため、目立つに越したことはない。またXCのキネティックイエローに限って、ブラックトップツートン(ルーフとボンネットが黒)も選択できるとのこと。
こちらは受注生産で、プラス7万7000円。全体が引き締まるし好みなのでブラックトップツートンが良い、そうしよう。という訳で、最終的にキネティックイエローのブラックトップツートンで確定。
ただしこちらは “受注” なので、店員さんでも納期が読めないという。ノーマルであっても納車までやはり1年は見ておいてほしいという話だったが、このブラックトップツートンがどう作用するか。
たまたま注文が少なければ早まるかもしれないし、そうでなければただでさえ長い納期がさらに延びる可能性は大いにあるそう。迷いはしたが、早まる方にかけて、お願いすることにした。
・果たして納車はいつになるか
それからはほぼ毎日、ジムニーカスタム動画や雑誌を見て過ごした。これまでは日々あっという間に時間が過ぎていくと感じていたが、楽しみがあると時が経つのはなんと遅いことか。
まだかなまだかなと思いながら、とは言え早くても1年後の10月くらいだろうという心構えで過ごしていた。そんな中、スズキのショップから1本の電話が入る。2025年3月中旬のことだ。
納車までまだ半年はあろうという時期だったため、何の用かと不思議だったが、なんと。4月の早くて19日に納車できるという連絡だったのだ。
想像以上に早い……早すぎる! 嬉しいがしかし、実はこの段階で記者はまだ引っ越しに伴う住所変更をしていなかった。車購入のためには新住所の住民票が必要だ。
こりゃあいかんと、近年まれに見る機敏さを発揮し、もともと住んでいた都市に転出届を提出。新しく住んでいる場所へ転入届を出した。そうして住民票を無事手に入れ、スズキのショップへ向かった。
そこからはあれよあれよという流れで無事、予告通り4月中旬にはジムニーがやって来た。なぜこれほど早く納車されたのか。ちょうどこの期間にジムニーのノマド(5ドア)が発売されたため、そちらへ人が流れたのだろうか。
店員さんに伺うと、ノマドはあまり関係ない模様。ブラックトップツートンの効果でしょうかとのことだった。かけ通り、受注生産のタイミングが良い時期だったらしい。
そんなこんなで予約から約半年で、新型ジムニーXC4型(AT)キネティックイエローブラックトップツートンを手に入れることができた。繰り返すように、たまたま記者の場合は早く来ただけで、そうでないことも多いに違いない。
まだまだこれからもジムニーの手に入り辛さは続くことだろうが、ちょっと乗っただけの記者でもワクワクする車であることを感じている、とだけ伝えておこう。これからのジムニーライフがとても楽しみだ。
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.