猫が飼い主さんを『こっそり覗き見ている』ときのキモチ3選 気づいたらどう応えれば?
1.なんか気になってしまう
猫の覗き見行動は、野生時代から続く習性のひとつで、いわば、サバイバルのための処世術のようなものです。身を潜めつつ、まわりを観察していれば、敵や獲物に見つかる心配もありません。
では、獲物でもなければ、敵でもない飼い主さんを見つめるのはなぜか?単純に言って、飼い主さんのことが気になるからです。
大好きな飼い主さんは、愛猫にとって興味の尽きない対象です。何をしているか、つい目で追ってしまいます。みなさんが学生時代、物陰から憧れの先輩をひそかに見つめていたときと同じです。
「何をしているんだろう?」
家具の下やドアの隙間、あるいは、キャットタワーの上から、愛猫は飼い主さんをさりげなく観察します。鼻歌まじりは機嫌がよい証拠、ため息はちょっとお疲れ気味。飼い主さんの調子の違いを、本当によくわかっています。
社是に「安心安全第一」を掲げる愛猫にとって、日々の観察業務はルーティンです。クールな視線でありながら、どこかしら母猫のような気分も混じっているのかもしれません。
ただし、手ごわい猫のことですから、何も考えず、果てしない「無」を見つめている可能性もあります。謎は謎を呼び、下手をすると闇の世界に足を踏み入れてしまい、後戻りできません。深読み、深追いは禁物です。
2.おやつならまだいけるけど…
飼い主さんにうっすら関心を寄せる一方、じっと見つめることでそれとなく要求を匂わせる場面もあります。その代表的なものが、「小腹が空いた」状態です。
ごはんは食べたのに何となく物足りない。人間で言えば、寿司の一貫やスイーツなら十分に入る、という状況です。そんなとき、猫は、少し離れた物陰から、やや湿り気を帯びた視線で飼い主さんを見つめてきます。
お腹がペコペコなら、お気に入りのごはんを早急に引き出すため、遠慮なくスリスリしてきます。わざわざスリスリするまでもないけれど、ただ、やっぱり、何か、お腹のここらへんが「おやつ」を欲している。
そして、やさしい飼い主さんなら、自分の気持ちをきっと受け止めてくれるにちがいない、と愛猫は期待を込めて、オーダー票とともに覗き見光線を飛ばしてきます。
おそらく、以前、同じ行動に出たとき、ちゃんと気づいてくれた飼い主さんからおやつをもらえたのでしょう。愛猫の記憶では、ニュアンス的な覗き見→おやつゲット、という成功体験が根強く残っているはずです。
愛猫の要求に応じてばかりいると、健康に悪影響を及ぼしかねません。いくらかわいいからと言って、おやつのあげ過ぎはNGです。1日に必要なカロリー量を超えない範囲で、オーダーに応えてあげてください。
3.かまってくれてもいいよ
そっけない態度を取ることも多い猫ですが、ポーカーフェイスを装いながら、飼い主さんの様子だけは日々、注意深く観察しています。
その証拠に、たとえかまって欲しかったとしても、飼い主さんが忙しそうにしているときは、あえて近づいてきません。物陰ポジションから静かに見守るだけです。猫なりにきっと「(甘えるのは)今じゃない」とわかっているのでしょう。
もちろん、いっさい空気を読まずにドスドス甘えてくる猫もいます。それも猫の良さであり、タイミングを見計らって待機する猫もまた、奥ゆかしさという点で愛すべき長所です。
優秀な飼い主さんなら、慌ただしく用事を済ませつつも、愛猫の込めた視線の意図に気づいているかもしれません。「ごめんね、もうちょっと待ってね」という声かけも、愛猫にきっとやさしく響いているはずです。
もし愛猫が物陰から覗き見してきたら、まず、何を求めているのか、考えましょう。
たんに甘えたいのか、それとも遊んで欲しいのか。飼い始めはよくわからなくても、慣れてくるとだんだんわかってきます。日々の暮らしの中で、飼い主さんの観察力もまた、愛猫と同じように磨かれてくるからです。
愛猫の気持ちがほんの少しわかっただけでも、やけにうれしくなります。それこそ、猫飼いさんの醍醐味のひとつではないでしょうか。
まとめ
物陰からの覗き見は、猫の本能的な行動です。猫にとってはごく当たり前のふるまいですが、飼い主さんからすると、やはり、気になるものかもしれせん。
今回は、猫の覗き見行動について、3つの視点から読み解いていきました。この他にも、たとえば、迎え入れたばかりの保護猫の場合、警戒する意味を含んでいることもあります。
猫の覗き見は野生時代の名残のひとつ、という前提に立って、決してサスペンス仕立てにすることなく、行動に込められた愛猫の気持ちを探ってみてください。