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お金をかけず、余っているもので始める。超スモールスタートの起業術とは?

新しい働き方メディア

仕事を始めるには、スキルや資金、環境が必要だと思っていないだろうか? 『ナリワイをつくる』(ちくま文庫)の著者・伊藤洋志さんは、"余っているもの"を活用して、自分の手の届く範囲から仕事を生み出す。小さなスタートでリスクなく始める、その発想法を聞いた。

廃棄にコストがかかる廃材を活用するメリット

「基本的に世の中って、活用されていない、余っているものがものすごくあるんです」

伊藤洋志さんが語るのは、ナリワイを始めるときにお金をかけないための工夫だ。たとえば屋台をつくる仕事。ある美術館の展示にあたって、アジア各地の屋台を参考にしながら、自作の屋台を展示物として制作した。

「廃材になっていたタイヤや木材を活用して、屋台をつくりました。厳密には釘やビスは買いましたが、それ以外はほぼ0円でできました」

世の中には、廃棄にコストがかかる時代にもかかわらず、使われずに余っているモノがあふれている。そこに目を向けると、材料費ゼロで始められる仕事も多い。

すでに「あるもの」でスタートさせるメリット

「あるものでスタートできると、時間も待たずにすぐ動けます。持ち出しが少ないから失敗してもダメージが少ない。うまくいったら続けるし、ダメならやめる。これを繰り返せるのがいいところです」

たとえば、床貼り講座でも「材料費は実費、あとは人の手」で進められる。農業の現場では、「土地がなくても農家になれる」という発想で、繁忙期の助っ人として現場に入り、自分の販売につなげるという新しいスタイルを確立している。

「耕作放棄地が増えている一方で、人手不足の現場も多い。そこに入って、技術を学んで、収穫した果物を販売する。土地を持たずにやる“助っ人”みたいなものです」

また、農作業から派生して生まれたのが、野良着メーカー「SAGYO」の立ち上げだった。

「最初は高校のジャージで作業してたんですが、すぐ破れる。それで国産の作業着を買おうとしたら、なかなか売ってない。じゃあ、自分たちで作ってみようと」

農業に合う機能性、見た目のかっこよさ、国内生産へのこだわり。自分が欲しいものを、自分でつくる。これもナリワイの基本だ。

最初の一歩は、身近な余りもので

「いきなり100人に売ろうとしなくていい。1人、2人に試してもらって、その反応を見ながら内容を改善していく。実験台になってくれる人がいれば、そこから広がっていきます」

最初の一歩は、身の回りにある“余っているもの”と、自分の興味を掛け合わせるところから。

「仕事にするには完璧じゃないといけない、という思い込みを手放して、小さく始めてみる。やってみて楽しかったら続ければいい。それぐらいの気持ちで、ナリワイとしてはちょうどいいんです」

文/長谷川恵子

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