ジェームズ・ディーンの同性愛を描く伝記映画、主演俳優が決定 ─ 「13の理由」「マンハント」ブランドン・フリンが抜擢
『エデンの東』(1955)『理由なき反抗』(1955)で知られ、反抗的な若者像を体現したアイコン的な存在として映画史に名を刻むジェームズ・ディーン。伝説的なスターであるディーンの同性愛の関係に焦点を当てた映画『Willie and Jimmy Dean(原題)』で、ディーン役を演じる俳優が決定した。が報じている。
ウィリアム・バストによる2006年の回顧録『Surviving James Dean(原題)』を原作とする本企画で、ジェームズ・ディーン役に抜擢されたのは、自身もゲイであることを公言しているブランドン・フリン。ドラマ「13の理由」(2017-2020)や「TRUE DETECTIVE/迷宮捜査」(2019)「マンハント ~リンカーン暗殺犯を追え~」(2024)のほか、リブート版映画『ヘル・レイザー』(2022)などに出演している。
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※Instagram写真は本作とは無関係のものです
著者のバストは、19歳の時にカリフォルニア大学ロサンゼルス校の演劇プログラムでディーンと出会い、ルームメイトから親友、やがて恋人になったと記している。ディーンのキャリアに傷をつけないよう、自分たちの関係を秘密にしていたというバストは、ディーンが女性スターと表向きの関係を持つ一方で、いつか再び一緒に暮らせる日を信じていたという。
2人が出会ってから5年後、ディーンは1955年に24歳という若さで交通事故により他界。代表作となる『理由なき反抗』と『ジャイアンツ』(1956)は死後に公開された。その後、バストは2015年に84歳で亡くなっている。
脚本・監督を務めるのは、ドキュメンタリー映画『Madonna and the Breakfast Club(原題)』を手がけたガイ・グイド。本作ではバストとディーンの出会いから、ディーンが1955年9月30日に亡くなるまでを題材に、バストとディーンが変化していく関係をどう乗り越えていったか、そしてバストが同性愛者であることを受け入れていく過程にも焦点が当てられるという。
2011年に原作者のバストと面会したグイドは、本作を「伝統的な伝記映画ではない」と説明。「これは、人として認められること、真に認められることに代償が伴う時代と場所で、2人の青年が出会った、優しくも時に悲劇的な物語です。ブランドン・フリンは、この役に求められる情熱と脆さの両方を兼ね備えています。ジェームズ・ディーンという複雑な人物を演じるのに、彼以上にふさわしい人物は考えられません」。
ディーン役への就任にあたり、フリンは「ジェームズ・ディーンは知られざる存在です。彼の短い生涯が遺したのは、たった3本の映画と山のような写真、そして今も人々が解き明かそうとしている文化的な神話です。この脚本は単なるアイコンではなく、一人の人間としての彼の本当の姿を誠実に理解しようとする、美しい試みです」とコメントした。
また、フリンは本作について 「ハリウッドが歴史的に、LGBTQの人々に私生活でも演技を強いてきたことを浮き彫りにしています」として、「この物語は、ジェームズ・ディーンをリアルで複雑な人間関係を持つ男性として大胆に描いていて、その真実にこそ力があると思います」と語った。
現在、監督のグイドはプロデューサー候補と面談を重ねているとのこと。繊細で知的なバスト役と、彼の魅力的なシングルマザーであるバーニス役を演じる俳優のキャスティングが進行中だと報じられている。
なお、これまでジェームズ・ディーンを描いた映画はいくつか製作されている、テレビ映画『DEAN/ディーン』(2001)ではジェームズ・フランコが、『ディーン、君がいた瞬間(とき)』(2015)ではデイン・デハーンがディーン役を演じた。
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