LLM無職・ナル先生の誕生秘話、中島 聡が実践する開発スタイルなど注目記事を一挙紹介【2025年6月ランキング】
2025年も折り返し地点。夏のボーナスを受け取り、キャリアの棚卸しや新たなスキルの習得を考え始めるエンジニアもいるだろう。
そんな6月、エンジニアtypeで注目を集めた人気記事5本をランキング形式で紹介!
日本のVR第一人者のキャリアインタビュー、世界の最新採用トレンド、ヒットコンテンツの生み出し方など、より良いキャリアを描くためのヒントが満載のラインナップとなった。
目次
【1位】日本のVR第一人者・GOROmanはなぜ「消滅」したのか【2位】プライドも、サンクコストも捨てろ「健康診断」しないエンジニアは死滅する【3位】ジョブ型雇用の限界? 世界は既に「スキルベースドハイヤリング」の時代へ 『転職2.0』著者・村上 臣【4位】「顧客の声は意味をなさない」ドワンゴ川上量生が語る“0→1する時”に必要なもの【5位】「AIが書く時代」に中島 聡が実践する開発スタイルとは?
【1位】日本のVR第一人者・GOROmanはなぜ「消滅」したのか
25年6月に最も読まれたのは、「LLM無職」としてXで話題を集めている「ナル先生(null-sensei)」のキャリアインタビュー前編。
日本のVR第一人者・GOROmanはなぜ「消滅」したのかhttps://type.jp/et/feature/28605/
ナル先生はOculus Japanを立ち上げるなど、日本のVR黎明期を牽引した一人。元々は「GOROman」の名で活動していたが、25年5月より突如「ナル先生」へと改名。以降、ひたすら生成AIについての情報収集・発信に専念している。
GOROman時代の活動、そして、ナル先生誕生の経緯とは。生成AI時代を生きる、全てのエンジニアに必見のキャリアインタビューだ。
AI時代ってエンジニアのプライドがズタボロにされる時代なんですよね。俺のエンジニア歴は10年ぐらい。その後は経営やコンサルやったりしてたんで、エンジニアは辞めたんですが、職業エンジニアとして30年近くキャリアを積んでる方たちもいるわけじゃないですか。そういう30年を経て「もうDevinでいいです」って言われたときの、絶望感たるや。
実際問題として、最近だとMicrosoftが大勢クビにしたんですよ。俺の知り合いもクビになった。シアトルで10何年も働いてて、久しぶりにXで見たら「レイオフされました」って。シニアエンジニアのような人でもそうなる時代。
でももう恨めないですよね。いや、恨まないのが理想なんですが、多分みんな恨むんですよ。だってアイデンティティの崩壊だから。一生懸命に勉強して、コードを書いて書いて書いて、その挙句に「もうAIでいい」って言われたら、そりゃ辛いですよね。
【2位】プライドも、サンクコストも捨てろ「健康診断」しないエンジニアは死滅する
第二位にランクインしたのは、同じく「ナル先生」のキャリアインタビュー後編。
プライドも、サンクコストも捨てろ「健康診断」しないエンジニアは死滅するhttps://type.jp/et/feature/28625/
「LLM無職」の「ナル先生」としての生活は、一体どのようなものなのか。また、本格的にLLMが発展した未来におけるエンジニアの役割や求められる資質について、ナル先生の持論がたっぷりと語られている。
AIが仕事を代替したとき、人間に残された生きる道とは何だろうか。5年後、10年後もエンジニアとして生き残るためのヒントがここにある。
古いタイプの職人気質のエンジニア──プライドが高くて、コーディングは超速いけど、人間関係はちょっと難しい……そういうタイプの人たちは、淘汰されていくでしょうね。だってAIはもっと速いから。「⚫︎⚫︎さん、めっちゃ速いけど性格は悪い」みたいな人は、排除される時代になる。
逆に、性格が良くて、人当たりが良くて、そこまでコーディング能力は高くないけど、AIが使える人。こういう人が、今後は超重宝されますね。
だから、サンクコストもなく、プライドも持たず、今から愚直にAIを学んでいる学生とかが、当たり前のように長年の職人エンジニアを超えていくと思います。絶対に。
【3位】ジョブ型雇用の限界? 世界は既に「スキルベースドハイヤリング」の時代へ 『転職2.0』著者・村上 臣
AIによる能力評価やスキルの可視化が進むアメリカやヨーロッパでは、もはや「どんな仕事(ジョブ)をしてきたか」よりも、「どんなスキルを持っているか」が個人の価値を測る絶対的な基準になりつつある。
そんな「スキルベースドハイヤリング」と呼ばれる、ジョブ型雇用の「その先」にあたる採用トレンドを、LinkedInやGoogleで世界の採用を見てきた村上 臣さんが解説した記事が、第三位となった。
ジョブ型雇用の限界? 世界は既に「スキルベースドハイヤリング」の時代へ 『転職2.0』著者・村上 臣https://type.jp/et/feature/28640/
「履歴書」ではなく「スキル」で勝負する時代になりつつある今、どのようなスキルがエンジニアにとって欠かせないのか。その答えは、ぜひ記事をチェックしてほしい。
ーー今海外で主流になっている「スキルベースドハイヤリング」とは、どういった採用手法なのでしょうか?
個人の「学歴」や「職務経歴」ではなく、「実際に保有しているスキル」や「業務遂行能力」など、スキルそのものを評価の軸に据える採用手法です。日本ではまだジョブ型雇用も浸透しきっていないのでピンとこないかもしれませんが、グローバルな動きの中ではコロナ禍の2020年〜2021年頃より盛んに言われ始めています。
その仕組みとしては、まず素養のある方に対してオンラインのラーニングコースなどを提供します。そこでテストに受かった人はスキルが証明されたと見なし、書類選考をパスして企業の面接に進める形が主流です。
【4位】「顧客の声は意味をなさない」ドワンゴ川上量生が語る“0→1する時”に必要なもの
ニコニコ動画やN高等学校(以下、N高)生みの親として知られる川上量生さん。「かわんご」の愛称でも知られる川上さんに「かわんご流・ヒットのコツ」を聞いた記事が、第四位にランクインした。
「顧客の声は意味をなさない」ドワンゴ川上量生が語る“0→1する時”に必要なものhttps://type.jp/et/feature/28498/
多くの人々が「欲しい、使いたい」と感じるサービスを生み出す上で、最も重要な要素とは一体。時代が変わっても揺るがない、ヒットの核心に迫る。
よく「顧客の声を聞け」と言われますが、私はそれは正しくないと思っています。既存事業であれば有効な場合もありますが、新規事業や新しいサービスを構想する際には、「顧客の声」はあまり意味をなさないからです。
まだ存在していないものを作ろうとしているわけですから、顧客の声を聞く術はありません。実際にモノを見せられていないと、正しく想像することはできませんから。
だからこそ、重要になるのが「自分自身が納得できるか」という視点です。これならユーザーが使って気持ちが良いだろう、と自分で納得できるまで、徹底的にシミュレーションするんです。
【5位】「AIが書く時代」に中島 聡が実践する開発スタイルとは?
第五位は、Windows 95の生みの親・中島 聡さんによる「AI時代に実践する開発スタイル」に迫った記事がランクイン。
インターネット黎明期からソフトウエア開発の最前線を牽引してきた“伝説のプログラマー”が、AIとの開発現場で培った「人間ならではの価値」を語る。
「AIが書く時代」に中島 聡が実践する開発スタイルとは?https://type.jp/et/feature/28667/
AIの進化により「コードを書くという行為」そのものの価値が薄れゆく中で、エンジニアは何に喜びを見出し、どのような役割を担っていくべきか。リファクタリングの重要性から、AI時代に求められる「価値提供」の視点まで、明日から役立つヒントが満載だ。
AIによって書かれ、人の目を通さずに採用されたコードの比率が増えていくようであれば、「どうやって動いているか誰も理解できないソフトウエア」が誕生してしまうのも、遠い将来のことではないように思います。
急速な進化の過程では、それに応じて人間の役割が変わるのは当然であり、「人の役割はこうあるべき」と決めてかかるのはよくない。AIはあくまで道具なので、その能力に応じて任せられる仕事は任せれば良いし、人間はAIにこなせない部分を補うだけの話です。
いずれ、人間はAIに自然言語で指示するだけで、コードは全てAIが書く時代が来るでしょう。しかし、それもまた、今の私たちがコンパイラに頼って自らマシン語を書かなくなったのと同じ、ごく自然な進化の姿に他なりません。