LINEヤフーとの取り組みが好調でZOZOの最終利益が過去最高を更新 今期は231億円を投じた英国の「リスト」の動向に注目
ファッションECサイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を展開するZOZOは4月30日、2025年3月期の通期連結決算を発表した。売上高は2131億3100万円(前年比8.2%増)、営業利益は647億5600万円(同7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は453億4600万円(同2.3%増)と増収増益で、営業利益と最終利益は過去最高を更新した。
事業別での売上高は、「ゾゾタウン」事業が好調を維持し、前年比5.6%増の1519億7700万円だった。「Yahoo!ショッピング」と「Yahoo!オークション」に出店するLINEヤフーコマース事業は同24.5%増と2桁の伸びで213億2900万円だった。B to B事業は同5.6%減となる21億4500万円だった。B to B事業は2026年3月期も減少する見込みで、リソースを好調な事業に振り分ける考えだ。広告事業は同15.1%増となる112億900万円だった。
「ゾゾタウン」に出店するショップ数は、熊谷隆志が手掛ける「ウィンダンシー(WIND AND SEA)」や「ツゥミ(TUMI)」「グッチ ビューティ(GUCCI BEAUTY)」などの新規ブランドが出店し、1,649店と前年から54店舗増えたが、ブランド自体が終了したことによる退店も多かった。
ZOZOの2026年3月期の通期連結業績予想は、売上高は2241億円(前年比5.1%増)、営業利益は698億円(同7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は485億円(同7.0%増)を見込む。ZOZOは4月30日付けで英国に設立する子会社を通じて、ファッションECサイト「リスト(LYST)」を運営するリスト社(LYST LTD)の全株式を231億円を投じて取得し、完全子会社化している。2026年3月期の業績予想にリスト社は含まれていないが、今後どう影響するかは注視が必要だ。
リスト社の2024年3月期の通期連結決算は、売上高は5000万ポンド(約94億円*)、営業利益は400万ポンド(約7億5200万円)の赤字、親会社株主に帰属する通期純利益は100万ポンド(約1億8800万円)の赤字。赤字幅は縮小しているものの、2023年3月期は2400万ポンド(約45億1200万円)の最終赤字、2022年3月期も2800万ポンド(約52億6400万円)の最終赤字を計上している。
*1ポンド=188円換算(子会社化を発表した4月10日時点)