コミュニケーション能力が上がり、自然と主体的に。「友だちが増えて楽しい」だけではないサッカーキャンプのリピート理由とは?
普段の環境とは違う雰囲気の中、サッカーに取り組むことができるサカイクキャンプ。うちの子も体験させておくべきかどうかと、悩まれている方も多いのではないでしょうか。
今回、これまで5回キャンプ参加をしているハルトくん(小5)とお母さんにお話しをうかがいました。
リピート参加の理由や参加後の変化について、ご紹介します。
(取材・文 木村芽久美)
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■自分で考える力を身につけて欲しいという想いが、参加のきっかけに
大分県在住のハルトくんが初めてキャンプに参加したのは小学3年生の時。
ご両親は大分から大阪までの遠さや費用を考えると、最初こそ悩まれたそうですが、サカイクキャンプの「自分で考える力」を身につけるという趣旨に強く惹かれたのだそうです。
本人の意思を尊重しているご両親は、ハルトくんが少しでも躊躇するようだったら行かせるのをやめようと決めていたそうですが、キャンプの紹介動画を本人に見せ、「参加してみる?」と聞いたところ、躊躇することなく「行きたい」と答えたのだそうです。
ハルトくんは双子の弟。お姉ちゃんは積極的な性格で、なんでも意欲的に取り組む一方、ハルトくんはどこに行くにもいつもお姉ちゃんの後を追うような性格で、消極的なのところが少し気になっていたのだとお母さんは言います。
「サッカーの技術を身につけさせたいというよりは、自立して自分でしっかり歩いていけるような子になってほしい。私たちが一番大切に考えていることと、キャンプの趣旨が合っていたんです」
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■初めて親元を離れ、最初の夜は布団の中で泣いた
ハルトくんは恥ずかしがり屋で、インタビュー中も少しずつ言葉を絞り出して話すようなタイプです。
そんなハルトくんにとって、小学3年生で参加したこのキャンプが初めて家族から離れた宿泊経験で、初めはとても緊張したそうです。
「最初の夜は、泣いたらしいんですよ。布団の中で」とお母さんは当時を振り返ります。ただキャンプ参加後、少しずつ変化が見られていったのだと言います。
「学校でも人前で話したり、発表するのは苦手なタイプなんですが、全校集会で自分の目標を言うような場面で手を挙げたって話してくれて」とその成長を嬉しそうに語ってくれました。
ハルトくんも「みんなとコミュニケーションが取れるようになった」と自身の変化について実感しているそう。
■キャンプの仲間との楽しいコミュニケーション経験が、主体性につながる
ゴールキーパー経験者というお父さんの影響もあり、ハルトくんはチームでキーパーをしています。最初はボールを怖がってしまい、ゴールの前にただずっと突っ立っている感じだったのだそうですが、キャンプ後に変わってきたのだとお母さんは言います。
ハルトくんも「試合中、後ろから声を出したり、仲間を鼓舞してあげられるようになった」と自信を持って教えてくれました。
サカイクのゴールキーパーキャンプにも参加し、キーパーとしてのスキルアップにも意欲を見せている様子です。
キャンプのどんなところが一番楽しいか聞いたところ、「最初は緊張するけど、みんなと仲良くできたりするのが楽しい」とハルトくんは言います。
全国各地から初めて顔を合わせる者同士、次第に声をかけた方が、みんなと仲良くできていいと自分で気がついて、自発的に声かけができるようになったのだそうです。
その経験がチームでも生かされ、試合中チーム内で声が出ていない時でも積極的に後ろから声を出せるようになったり、自信を持ってゴールを守ることができるようになり、PKも止められるようになってきたと教えてくれました。
■参加回数を重ねることで見られた、子どもの持つ力
ハルトくんのインタビューを聞き、サカイクキャンプの柏瀬コーチはその成長ぶりを喜び、当時のことを話してくれました。
「キャンプの時には『色々な子に声をかけてね』と常に言っているんですが、 2回目、3回目参加の頃のハルトくんは、下級生にも声をかけてはいたものの、その頃はまだちょっとだけ大人の目を意識していた様子でした」
ところが小学5年生の夏のキャンプ、コーチたちが子どもたちの様子をこっそり陰で見守っていた時、大人が見ていない環境の中で、ハルトくんが自発的に下級生や初めて参加した同学年の子たちに声をかけている姿が見られ、大きな成長を感じ、嬉しかったと言います。
大人の意見が強く残りすぎないで欲しいと、コーチたちは子どもの力を信じて見守ることも大切にしているのだそうです。
■コーチも太鼓判を押す、キャンプを通じて自分で積み上げてきた自信
キャンプの帰り道、突然ハルトくんに「キャンプに参加させてくれてありがとう」と、ぼそっと言われたのだとか。
今まで1回もそんなことを聞いたことがなかったので、お母さんはびっくりしたそうです。
言葉にするのが苦手なハルトくんでしたが、コーチから(キャンプに)参加できるのは当たり前じゃないんだから感謝するんだよと言われ、その実感が湧いて言えたのではないかと嬉しそうに話してくれました。
そんなハルトくんの将来的に目指す選手像は、「みんなに前向きな声をかけたり、ミスしたら励ましてあげられる、頼られるキーパーになりたい」のだそうです。
柏瀬コーチは、感謝する気持ちが持てたり、落ち込んでいる仲間がいた時、前向きな声をかけてあげる・みんなに頼られる存在になりたいというのは、まさにキャンプでも伝えている「ライフスキル」であり、これからも自信を持って進んでいってほしいと太鼓判を押しています。
「色々な地域の子と友達になれて楽しいから、キャンプはおすすめ」と言う、ハルトくん。この冬キャンプでも、みんなから頼られる存在となることでしょう。
初キャンプに不安があって参加を躊躇している人がいるのであれば、ハルトくんのような先輩がいるから安心ですよ。
ぜひこの冬、まずは気軽にキャンプ参加してみてはいかがでしょうか。
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