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【東京レトロゲームさんぽ】ゲーム関連本~ゲーム以上に夢中にさせる派生本の魅力とは

さんたつ

20250218_0030ゲーム関連本

「ゲームの本」と言われても、ぱっと思い浮かべるものは、それぞれ全く違うのでは。なぜかと言えば、その範囲はあまりに広いからだ。始めに多くの人が思い浮かべるのは「雑誌」だろうか。『ファミリーコンピュータMagazine』『ファミコン通信(現・ファミ通)』『ゲーメスト』など数え切れないほどあり、メジャーな雑誌はコンビニでも買えた。

まんだらけ

ゲーム関連本を手に取ることで取り戻せる豊かな世界

各社が出していた「攻略本」も思い出深い。攻略だけでなく、ゲームの世界を広げてくれる役割もあった。

また、ゲームが漫画化・小説化されると聞いたり、逆に原作があると知ると、ワクワクとそれを楽しんでいた。『魍魎戦記MADARA』のように、始めから漫画、小説、ゲームと幅広い展開が想定されていた、いわゆるマルチメディア展開をしていた作品も多数あった。

90年代花盛りだったゲーム漫画。ゲームのコミカライズは、当時まだ原石だった漫画家が描いていることが多く、今でも語られる傑作が少なくない。

少し高価だった「設定資料」や「画集」に書いてあったことは、他の友だちはきっと知らないのでは? などと思えて、優越感に浸ったことも。

ゲーム画集は、ゲームにも攻略本にも見られなかった絵や情報が入っていて、手に入れたときの所有感はスゴかった。

大人になると、ゲームを文化として捉えた評論本やクリエイターのインタビュー集を買って、友達に熱く語ったりもしていた。

と、記憶をたどれば、きっとさまざまなゲーム本を手にしていたのではなかろうか。ものによっては、教科書よりも擦り切れるほど繰り返して読んだものもあったはずだ。

ことほど左様に、かつてゲームと本はセットだった。ゲームの楽しみはゲームを扱っていた本と共にあり、ゲームも売れたし本も売れた。

攻略本とゲーム、両方手に入るとうれしかった。それは今でも同じだろう。今揃えるのは難しいが、挑戦してみては。

2000年代に入りウェブの時代になると、攻略サイトを見るようになり、やがては動画の時代となっていく。ゲーム関連本が席巻した時代は終わったが、その頃のことは当時を知る人全ての胸にあるはず。

今、夢中になった攻略本などを開いてみると、文章の細かな表現やイラストの豊かさなど、改めて気づくことがあるだろう。忙しくてゲームをやる時間がなくても、本を開くことならすぐにできるはず。

ゲーム関連本を手に取れば、そこから取り戻せる豊かな世界があるかもしれない。

あの時自分が目にしていたゲームに「プレ値段」がついていると感情が動く。それがなぜか愉快なのだ。

美少女ゲームの攻略本

90年代、ゲーム業界の「表」では、スーパーファミコンが発売されたり、格闘ゲームが国民的人気を獲得したり、音ゲーが花盛りになったりしていた。その「裏」で、当時のキッズやヤングの心をワシづかみにしていたのが“美少女ゲーム”だ。

特にパソコンシーンで盛り上がっていた。当時はパソコンの方が圧倒的な色数を使えた上、何より規制がなかった。「一般受けなんかしなくていい」という空気感もあり、その結果独創的な作品が連発。『ドラゴンナイトシリーズ』『ランスシリーズ』など、皆を夢中にさせるゲームが百花繚乱だった。

同時に、美少女ゲームの関連本も盛り上がった。詳細な設定、ボツ画像、裏情報、Hな絵の数々がゲームを起動させずに見られた。ゲームと同じくこの頃の本も名作揃い。とても熱くて濃くて楽しいのである。

ゲーム関連本が買えるのはここ!『まんだらけ中野店』

まんだらけ
住所:東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ/営業時間:12:00~20:00/定休日:無/アクセス:JR中央線・地下鉄東西線中野駅から徒歩5分

取材・文=来栖美憂 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2025年4月号より

来栖美憂
フリーライター
雑誌・新聞・ネットなどメディアを問わず、記事の取材・執筆を中心に活躍。著書多数。ゲーム関係では雑誌『月刊アルカディア』『闘劇魂』『GAME JAPAN』など各誌で執筆。近著に『サムライスピリッツネオジオコレクション対戦攻略ガイド』(スタンダーズ)。

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