安倍川花火大会 今年はシャトルバス運行なし 最寄り駅から会場まで徒歩で40分
■2024年問題で運行できず…昨年は1万3000人が利用
2024年問題が静岡市の夏の風物詩にも影響を及ぼしている。安倍川花火大会を主催する大会本部などは、静岡市の中心市街地から花火会場までを結ぶシャトルバスを今年は運行しないと発表した。駐車場も用意していないため、徒歩または自転車で会場に向かうことになる。
【写真で見る】コラム連載中 元アナウンサー広瀬麻知子さんがオススメする静岡市のスポット
今年で71回目を迎える安倍川花火大会は7月20日に実施される。会場周辺は交通規制が敷かれ、近隣に駐車場を設けていないため、例年はシャトルバスが運行されていた。昨年は中心市街地にある静岡市歴史博物館の駐車場がバス乗り場となり、約1万3000人が利用した。
しかし、今年はシャトルバスがない。例年バスを運行していた静鉄バスは「安倍川花火大会本部より要請を受けてシャトルバスを運行していましたが、大会本部が関係機関と協議した結果、運行の要請を行わないと決定したため、シャトルバスの運行はございません」とホームページで発表。大会本部も次のようにコメントした。
「従来、安倍川花火大会会場へのアクセスとしてシャトルバスの運行を実施してきましたが、運転手の労働時間の規制強化(いわゆる「2024 年問題」)を受け、いかにして会場までの安全かつ適法な移動手段を確保するかについて、静岡市・警察・バス会社等と協議してまいりましたが、協議の結果、今大会はシャトルバス運行の要請を行わないことを決定いたしました」
■慢性的な人手不足…エスパルス戦のシャトルバスも減少
バスの運転手は慢性的に人手不足が続いている。さらに、今年度から導入された時間外労働の上限規制によって、全国各地でバスの運行に支障が出ている。安倍川花火大会のシャトルバスも、2024年問題の影響が表れた形だ。静岡市の難波喬司市長は21日の定例会見で、こう話した。
「苦渋の決断だったと思います。今のバスの確保の状況、人手不足も進んでいるので、そういった点でどうしても確保ができなかったので、誠に申し訳ないけど、バスのサービスはできませんという決断ではなかったかと思います」
難波市長はサッカーJ2清水エスパルスが本拠地のIAIスタジアムで試合を開催する際のシャトルバスの現状に触れ、これまでと同様にバスを運行する難しさを指摘した。IAIスタジアムまでのシャトルバスは静岡駅と清水駅の2か所を発着所としていたが、今は清水駅のみとなっている。
「2024年問題の関係から、あるサービスをすると次の日は乗れない状況があります。シャトルバスは、ある時間で短期的なサービスになりますが、短期的なサービスでも運転すると一定の時間、運転しない時間をつくらないといけません。そうすると、短期的な運行は次の定期的な運行にものすごく影響します」
安倍川花火大会本部は、自転車または徒歩での来場を呼び掛けている。自転車の場合は、会場近くの静岡商業高校や田町小学校などに停めることができる。電車を利用する場合は最寄りの静岡駅や新静岡駅から約40分、歩くことになる。当日は午後5時から10時まで周辺に交通規制が敷かれる。
(SHIZUOKA Life編集部)