パパ医師ゆび先生 8児10人大家族の主治医が「感染予防はせず免疫力重視!」その納得の理由とは?
0~16歳まで4男4女8児のパパで小児科医の「ゆび先生」インタビュー第4回。医師である、ゆび先生ファミリーの感染症対策と、子どもへの向き合い方について。全4回。
【写真12枚➡】ゆび先生の奥様から子どもまで“10人家族”を大公開!0歳から16歳まで8児のパパで小児科医、そして人気インフルエンサーの「ゆび先生」こと田本直弘さん(43/鳥取県米子市在住)。看護師で相棒の「ひかちゃん」と共に配信する大人気YouTubeとTikTok「ゆび先生&ひかちゃんねる」では、流行のウイルスに感染して体調を崩すゆび家の子どもたちのリアルな様子も配信されます。
小児科専門医のゆび先生、大家族の感染予防策はどんなことをしているのでしょうか? ゆび家のリアルを語っていただきました。
●ゆび先生PROFILE
小児科専門医・YouTuber・TickToker 田本 直弘(たもと・なおひろ)。米子市生まれ。2012年「医療法人田本会 米子こどもクリニック」開院。4男4女8児のパパ。
お話を聞いたゆび先生こと田本直弘さん。 オンライン取材にて。
手洗いもマスクも完璧ではない
──YouTubeでは体調を崩したゆび家の子どもたちも登場します。感染予防のために普段から「医師としてこれだけは守らせたい!」とおうちで徹底していることはありますか。
ゆび先生:一切ないです(笑)。早寝早起きも手洗いうがいも、特に徹底はしていません。砂遊びして手が汚れていたら「手を洗ってね」とは言いますけど、それくらいですかね。「感染予防のためにうるさく言う」というのは一切ないです。感染するときは感染してしまうものです。
結局、自分の免疫力が大事なんです。子どもの免疫力が一番高い状態というのは、ニコニコ笑って楽しくて、血がみなぎっているようなはつらつとした状態なんです。子どもが子どもらしく過ごせていれば、健康だということ。
だから感染予防を徹底するというより、感染しても大丈夫なように普段からご機嫌に過ごして免疫力を高めておく、という感じです。
──パパが主治医だと子どもたちも安心ですね。子どもが寝込んでしまったとき、家庭内の感染予防はどうしていますか。
ゆび先生:子どもたち8人は全員僕が主治医で、ワクチンもずっと僕が打っています。インフルエンザの鼻の検査も僕がしますし、薬も処方します。
家族が感染症にかかったとき、家では一応隔離のようなことはしますけど、完全に隔離するのは難しいです。マスク着用もそこまでこだわっていません。「運命共同体だから仕方ないよね」という発想です。
──マスクも家庭内ではあまり意味がないですか。
ゆび先生:そもそもマスクはよほどきちっと着用しない限り、正直言って意味がないんです。でも子どもって鼻を出して口だけマスクする子が多いじゃないですか。そうなると感染予防の確率としてはゼロ%です。人間はほとんど鼻で息を吸っているので。これはマスクしている気分になっているだけです。
鼻までおおっていても、隙間があったら予防効果はほぼゼロ%です。そもそもマスク自体、ウイルスをふせぎきれるものではありません。例えばウイルスがこぶし大の大きさだとすると、マスクの不織布の網の目は部屋の床から天井くらいの隙間になるんです。スカスカなんです。ウイルス通し放題です。
世の中はマスクマスクと言うけれど、医療用マスクの「N95」のようなものでない限り、着用していても感染するときは感染してしまうものだと考えたほうがいいですね。それより手洗いうがいのほうが効果的だとは思います。うちの場合、手洗いうがいも完ぺきには徹底できていませんが。
──「これだけは子どもにやらせたい!」と考える大切な習慣はありますか。
ゆび先生:これもあんまりないですねぇ(笑)。大家族では無理ですから。靴をきれいにそろえることすら無理です。でも「いただきます」や「ありがとう」という言葉は習慣になっていて、普段から当たり前のように言っています。
特に教育したわけではなくて、パパとママの背中を見ているから習慣になったのでしょう。だから反対に子どもが言葉づかいやお行儀が悪くてマナー違反しているなと気づいたら、まずはパパとママから気をつけようって思います。
子ども1人との時間は意識して作る
──仲良しファミリーですが、普段はどんな遊びをしていますか。
ゆび先生:家族みんなで公園へ行って遊んだり、映画を見に行ったりすることもたくさんありますけど、わりと親子の1対1の時間も大切にしています。オセロで1人に向き合うこともありますし、1人か2人連れて県外へ遠出することもあります。
思春期の子どもたちもいますが、反抗期らしい反抗期は今のところありません。上の子たちも親に対してうるさいくらいにベラベラしゃべってくれます。親が子どもを押さえつけていないからかもしれません。
家族で出かけるとき、「勉強もあるだろうし、友だちとの付き合いもあるだろうから来なくていいよ」と中高生に言うんですが、「せっかくだから行きたい!」って一緒に来るんですよ(笑)。フラットな親子関係なので、相談もしてくれます。
──これから子どもたちと挑戦してみたいことはありますか。今後の目標も教えてください。
ゆび先生:これからやりたいことといえば、子どもたちとバンド組むのもおもしろそうだなって考えています。YouTubeをやる前は音楽活動をしていたので。子どもたちが大きくなってくると、僕がそうであったように音楽やギターに興味を持つと思うので、そうなると自然と「みんなでやろっか」って雰囲気になりそうな気がしていて。それが楽しみですね。
今後は目の前に出てきたこと、出合ったことに対して、とにかく一生懸命やっていきたいなと思っています。何か目標を掲げてそこに向かって走っていくというよりも、目の前のことに対して100%の力で向かっていく。子どもとの遊びも、仕事も、全力で楽しんでいるパパの姿を子どもたちに見せていきたいですね。
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子どもに求めすぎず、おおらかに子育てするゆび先生。夫婦間、親子間で感謝の気持ちを伝え合い、信頼し合うことが居心地のいい家族を築くことにつながると教わったインタビューでした。ゆび先生、ありがとうございました!
取材・文/大楽眞衣子
※記事内の年齢は2024年11月21日時点のものです