ネイティブに近づくための新たなチャレンジ! 大西泰斗先生が語る「ラジオ英会話」のリニューアルポイント
「ネイティブへの道」をテーマに、新コーナーが始まる2025年度の「ラジオ英会話」。学習者の皆さんにとって大きなチャレンジとなるという新コーナーの意義と効果を大西泰斗先生に教えていただきました。
皆さんこんにちは。「ラジオ英会話」講師の大西泰斗です。この講座は毎年具体的な目標を定め、英会話に必要な力を着実に積み上げます。前年度は「英文法」、そして今年度は「基本語彙」がターゲットとなります。
語彙のイメージをつかんで英語を操る
「基本語彙」とは、英語を話す上で欠かすことのできない習熟必須の表現のことで、前置詞・基本動詞・形容詞・副詞・接続詞などが含まれます。これらの語彙に共通するのは「日本語訳を覚えてマスターすることはできない」ということ。こうした表現――例えば前置詞――には多数の和訳が対応するため、そもそも覚えることができません。また、使用頻度も著しく高く、会話で日本語訳を英語に変換しながら話すこともできません。
この講座では基本語彙を「イメージ」――単語の中心的な意味・手触り――を使って解説していきます。それにより、皆さんは日本語訳を介さず「英語を英語として」扱うことができるようになるでしょう。
英語で伝えるための熱意を養う新コーナー
今年度はまた、「ネイティブへの道」を意識した学習となります。私たち日本人の英語力のどこが依然としてネイティブスピーカーに及んでいないのかを念頭において、レッスン内容をリニューアルします。
まず番組後半の、英語で表現するパート(PRACTICAL USAGE)はより実践向きに。昨年度までは1~2文程度の学習内容確認でしたが、今回は「発言」を行うためのトレーニングになります。ネイティブは、会話で通常いくつかの文を使いまとまった内容を伝えようとします。短い文にはない、わかりやすさ・流れ、そして何よりも何としてでも伝えようとする熱意を養い、ネイティブに一歩近づくコーナーです。
発音を学ぶことで快適に話せる
次に、発音学習の新コーナー(PRONUNCIATION POLISH)を作り、自然な英語発音を目指します。自然な発音を学ぶのは、「ネイティブみたいな発音じゃなければダメ」だからではありません。「自分が言いやすくなる・英語を話すのが快適になるから」です。英語には言いやすさを実現する発音ポイントが少数あり、それを繰り返し・しつこく練習することによって、なめらかで楽な発音を得ることができます。
一緒に大きなチャレンジに取り組もう
今年度の内容は、初めての皆さんにとってはもちろん、数年間続けてくださったレギュラーの皆さんにとっても、大きなチャレンジとなるはずです。
最初はできないことも多いかもしれません。難しいと感じることもあるかもしれません。でも続けていさえすれば、確実に能力は身につきます。ぜひ私たちと乗り越えてください。その向こうには確実にネイティブに近づいた皆さんご自身がいるのですから。
いつでも応援しています。
講師プロフィール
大西泰斗(おおにし・ひろと)
筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程修了。英語学専攻。オックスフォード大学言語学研究所客員研究員を経て、現在、東洋学園大学教授。NHK テレビ「3 か月トピック英会話~ハートで感じる英文法」「しごとの基礎英語」「大西泰斗の英会話☆定番レシピ」などの講師を務める。著書に『話すための基礎が身につく 音読×英文法 基本文型編/時表現・助動詞編/関係詞・仮定法編』『ハートで感じる英文法決定版』(すべてNHK 出版)、『一億人の英文法』(東進ブックス)、『総合英語FACTBOOK』(桐原書店)、『それわ英語ぢゃないだらふ』(幻冬舎)など多数。