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東京湾でドラゴン狙いのテンヤタチウオ釣行【金沢八景・一之瀬丸】メーター超えを連打

TSURINEWS

東京湾のテンヤタチウオで良型連発(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

東京湾の船釣りのなかで、一年を通して多くのファンを集めているタチウオ。近年のさらなる人気を牽引する一つの要因となっているのが、関西発祥のテンヤで狙う釣法の広がり。120cmを超える通称・ドラゴンと呼ばれる大型のキャッチ率が高く、ゲーム性の高さと、ダイナミックな引きを味わえることが大きな魅力となっている。

一之瀬丸でテンヤタチウオ

東京湾の船宿のなかでも、タチウオの魅力にいち早く着目しテンヤ専門船を準備していたのが、金沢八景・洲崎町にある一之瀬丸。

舵を握る一之瀬遥斗船長は、関西で開催されているテンヤタチウオの競技会・タチウオキングバトルの決勝に何度も進出。表彰台にも上がる凄腕アングラー。ゆえに、この釣りへの造詣が深く、乗船者に〝釣らせたい〟という思いの強い船長だ。そこで2月中旬に釣行した。

船長にあいさつを済ませ、さっそく近況を尋ねると「半月ほど前までは高活性で数もまとまっていたのですが、一週間くらい前から反応はバッチリ出ていても、口を使ってくれずにアタリを出すことが厳しい状況です。簡単ではないですが、価値ある1尾を求めて、今日も頑張りましょう」と話してくれた。

金沢八景周辺略図(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

船長のアドバイス

この日集まったのは、私を含め総勢6人。両舷に3人ずつ分かれ、7時過ぎに港を離れる。

出船後すぐ、船長から近況に合わせたていねいなアドバイスがアナウンスされる。

「猿島付近からやっていきますから、すぐ釣りができるように準備しておいてください。このところ、アタリを出すこと自体が簡単ではないです。ていねいにエサを付けることはもちろんですが、アタリが出ない時はテンヤカラーのローテーションや、誘いのリズムを見直して、同じことをやり続けないようにしてください。指示ダナは海面からで下限のタナをアナウンスします。ミチイトのマークでタナを取って、その指示ダナから上を探ってください。指示ダナより下げるとタチウオが散るので、絶対にタナは守ってください。」

テンヤタチウオタックル例(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

当日の状況

約30分で猿島沖に到着。反応を見つけたところで「では、やってみましょう。下が52mで反応のトップは49m。52mから6mくらい上までを探ってみてください」

各自一斉に仕掛けを投入。スプールをサミングしながら、ミチイトで水深を確認。52mで止めて誘いに移る。

テンヤをしっかりと見せる意味合いから、ハンドル2分の1回転のピッチでジャークを入れながら3m誘ったら一旦ステイ。竿先に注視し、変化がなければ再び3m同じ動きで誘って止める。

上限まで誘ったものの竿先に変化なし。しかし、「上限まで追ってきているタチウオがいる…」と仮定して、その場で定点バイブレーションを入れ、10秒ほどやや長めに間を入れてみる。

メーターオーバー連釣

すると、ソフトに竿先を跳ね上げるアタリ。すぐにアワセは入れず、反応を消さないよう短いストロークで誘い上げていく。徐々にアタリが大きくなり、グッと引き込んだところでアワセを入れる。

無事取り込んだのは、船中1尾目となる指4本サイズ。まずは本命の顔が見られたことで、ホッと胸を撫でおろす。

同時に、電動の巻き上げ音が鳴り始める。右舷には、市川市のご近所さんという3人が連座。まずは、トモの齋藤さんがメーターオーバーをゲット。

齋藤さんが口火をきる(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

続いて、胴の間の橋さんも指4本サイズを手にすると、ミヨシに座る田中さんはメーターオーバーをキャッチ。

田中さんもゲット(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

船中全員安打

左舷では、ミヨシに座る世田谷区の大塚さんが、ていねいな誘いからアタリを出して連釣。

大塚さんに良型(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

胴の間の横浜市・鳥越さんは掛け損じも多かったが、船長からのアドバイスで本命をゲット。無事に船中全員安打を達成し、船長も安堵の表情を見せていた。

船長のアドバイスをモノにした鳥越さん(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

渋いなかでも良型主体に楽しめた

だが、アタリを出せていたのは開始直後の数流しだけ。その後は、触りのアタリが出ても、本アタリに繋がらない状況が続いてしまう。

船長のアドバイスを元に試行錯誤を繰り返していくが、なかなか打開策が見えないまま時間だけが過ぎていく。

そんな重苦しい状況に変化が表れたのは、上げ潮が効き始めた11時半過ぎ。明らかに生体反応が増え、テンヤの周りにタチウオが寄る気配が感じられるようになる。

派手なアタリは出ないものの、最初のアタリで早掛けせず、しっかりと追わせてからアワセを入れることでキャッチ率を高めていった。また、沖上がり直前に連チャンしたシーンでは、テンヤのカラーローテーションが効果的だった。

最終的に8尾まで釣果を伸ばせたのは、船長のアドバイスが奏功した形となった。14時に沖上がり。船中釣果は、70~118cm2~8尾。

高橋さんが本命ゲット(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

今後の展望

下船後、一之瀬遥斗船長に今後の展望を聞くと、「今日は難しいなかでしたが、何とかみなさん本命を手にできてよかったです。自然相手ではありますが、タチウオの活性は浮き沈みしますので、シケなどで海がかき混ぜられたりすると、一気に状況が変わったりもします。宿のホームページには毎日、情報を更新していますので、チェックしておいてください。テンヤタチウオをやったことがないという初心者の人には、釣り方をアドバイスしますので、ぜひチャレンジしてみてください」と締めくくってくれた。

釣行日は、低活性ながらアタリを出すための試行錯誤が、次の釣りに繋がるスキルアップを実感する一日にもなった。ドラゴン級も狙える東京湾のテンヤタチウオ。かけ引きを楽しみにあなたも挑戦してみてはいかが?

良型主体に楽しめた筆者(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

<週刊つりニュース関東版APC・田中義博/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース関東版』2025年3月7日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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