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川崎市・自動運転バス 実証実験がスタート 27年度の実装を目指す

タウンニュース

市長らを乗せて出発するバス

川崎市は1月27日、路線バスによる自動運転の実証実験を開始した。ルートは、羽田連絡線「大師橋駅(川崎区大師河原)〜天空橋駅(東京都大田区)」、川崎病院線「川崎駅〜市立川崎病院」までの2ルートで、都県をまたいでの実証実験は全国で初。運転手不足による路線バスの減便解消に向け、2027年度中にドライバーが不在の中でも自動で運転する「レベル4」の実装を目指す。

今回の実証実験は、特定地域でシステムが周辺環境を認識し、ドライバー不在で走行する「レベル4」の実装に向けて行われるもの。事業主体は川崎市、運行主体は川崎鶴見臨港バス(株)が担い、8社が協力企業として参画している。

期間は、羽田連絡線(走行距離約4・4Km)は1月27日〜30日、2月4日(火)〜7日(金)、川崎病院線(約1・3Km)は2月1日(土)、2日(日)。羽田連絡線は、運転手が乗車し、車両走行中にハンドル操作や加減速操作をシステムで行うレベル2(一部区間は手動)で行い、車両側で信号情報を取得しながら走行する信号連携を検証する。川崎病院線は、運転手がすべての操作を行い、センサー類を起動しながら走行データを蓄積。自動運転バス車両を多くの人に見てもらうことで認知度をあげることを目的としている。また、交通量が多く、大型車の走行、路上駐車が多い都市部で実証実験を行うことで、自動運転の走行に与える影響の検証も行う。市の担当者は「自動運転レベル4の実装に関するノウハウを全国に展開する『川崎モデル』の構築に向けた一歩にしたい」と力説する。

実証実験期間中、一般の試乗も可。事前予約制で先着順。市ウェブサイトで受け付けている。

バス減便対策に

実証実験の背景には、バスの運転手不足による路線バスの減便が挙げられる。市によると、市内の人口が年々増加しているのに対し、バス便数は運転手不足の影響から、18年の1万2400便(1日)をピークに、23年は1万100便(1日)と、一日当たり2300便減少している。10年後には、現状よりも3割程度運転手が減少する見込みだという。

そうした交通課題の解決策として、150万人が暮らす政令市で、川崎市は国や警察、事業者らと連携して取り組んでいく。また市では、今後、得られた知見やノウハウを生かし、他のバス路線への導入、臨海部における自動運転をいかしたまちづくりにつなげていく意向だ。

走行「ストレスない」

1月27日に、川崎生命科学・環境研究センター(川崎区)で行われた出発式で、福田紀彦市長は「運転手不足によるバスの減便から地域の足をしっかり守っていくためには、最新の技術を駆使して補っていく世界観をいち早く作っていかなければならない」と話した。殿町小学校5年生がSDGsについて学習する中、自動運転バスについての探求、その結果を発表した。

その後、福田市長をはじめ、関係者らは天空橋駅まで試乗。福田市長は「スピードは35Kmくらいでストレスなく乗れた。車線またぎや、カーブもスムーズで技術の高さに驚いた。センシティブにブレーキがかかることもあったが、こういうことを検証の中で微調整していく。27年度までにレベル4を実現させたい」と乗車の感想を話し、展望を語った。

事業に携わる関係者でテープカット

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