全国高校バスケットボール選手権大会県予選 女子 個々が持ち味を発揮して栄冠を勝ち取った明豊【大分県】
第77回全国高校バスケットボール選手権大会大分県予選
11月4日 レゾナック武道スポーツセンター
女子決勝
明豊87(19-19、18-14、24-8、26-21)62藤蔭
明豊は、昨年の全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)県予選から県内負けなし記録をさらに更新し、2年連続4回目のウインターカップ出場権を獲得した。3年間の集大成をプレーで魅せた3年生と、それを支える1、2年生。ベンチや観客席も一丸となり、最後まで気迫あふれるプレーで勝ち切った。
決勝の相手は、準決勝で大分に打ち勝った藤蔭。前半は藤蔭のゾーンディフェンスに苦戦し、持ち味のスピードプレーを抑えられ、シュートもなかなか決まらず苦しんだ。キャプテンの末永瑠奈(3年)のドライブを阻まれ、永原琉衣(同)がファウルトラブルで思うような力を発揮できずにいた。杉山真裕実監督は「藤蔭のゾーンを想定した練習は重ねていたが、少し空回りしてしまった」と振り返る。そんな苦しい時間帯で、「1、2年生がよくつないでくれた」と、チーム力で前半をなんとか4点リードで折り返した。
ハーフタイムに「一度もリードを許していない。勝っているんだから大丈夫。1点でも上回れば勝てる!」と声をかけた杉山監督。その言葉で肩の力が抜けたのか、第3クオーター(Q)からはドライブからのシュートやインサイドとの合わせなど、明豊らしさが光り始めた。3Q序盤、藤蔭がマンツーマンに切り替えたタイミングを狙い、徐々に点差を広げた。「3年間で一番すっきりした勝ち方ができた」と末永が笑顔で語ったように、個々が持ち味を発揮して得点を重ねた。
「笑顔で勝たせてあげるのが私の役割だと思っていた」。試合後、目に涙を浮かべながら話した杉山監督。記録を更新し続ける選手たちにとってプレッシャーは大きかったが、試合の中で緊張や不安を振りほどき、最後は最高の笑顔に。チームのために、みんなのために。そんな思いを体現した一戦。全国ではさらに厳しい戦いが予想されるが、「プレーやシステムの精度を高めて、バスケIQを上げていきたい」と杉山監督。ワンランク、2ランク上を目指しながら、全国へ挑む。
ベンチも一体となって戦った
喜びの声
末永瑠奈(3年)
「新チームになっても負けなしでここまできたが、どこか完成し切れていない感があった。最後は全員バスケでいい勝ち方ができた。仲間や先生たちが支えてくれたから思い切ってプレーできたし、キャプテンとしてもチームを引っ張れた。全国では大分県代表として、一つでも多く試合ができるようにがんばりたい」
永原琉衣(3年)
「前半にファウルを四つもらい苦しい試合だった。2年生がつないでくれたから勝てたと思う。後半は明豊らしいバスケができてよかった。不安や緊張で調子が上がらなかったが、今回の優勝が大きな自信につながった。全国ではベスト8を目標に、インサイドプレーでチームに貢献したい」
羽田さくら(3年)
「前半は3ポイントが決まらず焦りがあった。粘り強く打ち続けて後半で決められてよかった。1、2年生にも支えられて全員バスケができたから勝てたと思う。特に後半は明豊らしいスピード感が発揮でき、明るくて楽しいバスケができた。全国では高さ対策も必要なので、ディフェンスをさらに強化したい」
連覇を達成した明豊
(黒木ゆか)