「戦後が終わった」日本のこれからのあり方
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、6月2日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。「戦後が終わった日」というテーマで、世界と日本の変化と現状について語った。
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「アメリカの政治学者、コロンビア大学のジェラルド・カーティス名誉教授が1月20日に『日本の戦後は終わった』と指摘しました。トランプ大統領が就任した日で『再登板によりアメリカ中心の世界秩序は名実ともに終わりを告げた。日本の戦後も終わった。日本の為政者は真正面から受け止めていない』と言います」
角谷浩一「(『戦争が終わった日』は)デカいテーマでしょう(笑)? でも石破政権があまりにも、目の前にあるものしか対応していないから。ここ1、2年は世界全体の転換期だと思っていて。まさに転換期のことをカーティス先生はおっしゃるわけ。カーティス先生といえば小泉進次郎農相のコロンビア大学での先生です。この方が見るような、戦後の秩序や常識やルールが明らかに変わっていった、と」
長野智子「はい」
角谷「同じようなことをドイツのフリードリヒ・メルツ首相も言っていて。ドイツは戦後、ずっとイスラエルのためにできることを続けてきた国なんですね。ホロコーストもジェノサイドもあったと認め、学校の教育も徹底的に自分たちの過去から逃げることなくやってきた。イスラエルの存立を大切にするというのは国の役割だ、と」
長野「はい」
角谷「80年前の反省から、そういうことが国民の中でも常識やルールになっているんだと思います。ところが最近は、ドイツだけじゃないけど他民族などを排斥する空気がある。ドイツが揺れている、というのがあるだろうけどメルツ首相は『もはやイスラエルのしていることは理解できない』。80年間、ドイツが口にしなかった言葉に踏み込んだんですね」
長野「はい」
角谷「転じて日本はポスト戦後に向けて動けるのか、と。皆さん少し絶望的な気持ちになるでしょう? ところが先週30日、衆議院の安全保障委員会が開かれて。国会は去年、法改正をしてネットで参加する参考人を認めることになった。被災地や外国にいる人たちが来るのは大変だからと。初めてアメリカのワシントンD.C.から2人の参考人有識者が、意見を述べることになった。1人はケビン・メアさんといいます」
長野「インタビューしたことあります」
角谷「メアさんは発言の中身もトランプ政権に準じる、トランプさんでおかしなことにならないよ、いまのままがいい、ということをいろいろな方法で話した。もう1人はマイク・モチヅキさん、ワシントン大学のね。この人はクリントン政権で対日政策の大統領のブレーンをしていて。2人とも同じ質問をされたわけだけど、モチヅキさんはヒントをくれるような発言がなかなか多かった」
長野「はい」
角谷「日本のこれからのあり方として、アメリカの腰巾着のようなことではなく、アジアともっと協力体制をとりなさい。日韓中、一緒にやることはいっぱいあるでしょう、と。地球温暖化によって自然災害がアジアでもこれから大きくクローズアップされることはあるだろう。地震も津波もある。インフラが整備されていないアジアの国々、脆弱なところもある。そういうところに日本がどう役割を果たせるか、と」
長野「うん」
角谷「辺野古はもともと地盤がゆるくて、(基地が)できたとしても1回爆弾が落ちればグチャグチャになるから使えない、ともハッキリ言う。ワシントンで議論されていることをこうやって国会で聞ける方法なんていままでなかった。これがネットでできた。もしかしたら今後、ダイレクトに生の話が、国会の委員会の中に出てくるかもしれない」