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「伝統木桶白醤油の復活」を目指して 四日市の伊勢藏 クラファンで資金を募集中

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木桶を使っている伊勢藏(提供写真)

 三重県四日市市の110年以上続く味噌・醤油蔵を営む「伊勢藏」(式井一博社長)は、白しょう油を除くほとんどのしょう油を木桶でつくっている。このほど同社では、「伊勢藏の味は木桶にある」と考え、白しょう油も木桶でつくろうと、「岐阜県の醤油蔵より木桶の継承」と「木桶での仕込みの復活」を決め、9月6日からクラウドファンディングによる資金集めを始めた。

 目標金額は120万円で、期間は10月20日まで。資金は木桶の購入、移動、設置、メンテナンス及び仕込みにかかる諸費用に充てるという。式井社長は「しょう油屋がしょう油だけをつくっていてはダメ。その蔵の味を支える桶のことまで考えなくては木桶醤油の味を守り伝えることも、木桶の成熟によって生まれる新しい味を楽しむこともいつの日か出来なくなってしまう。しょう油屋こそ木桶について学び、その魅力を伝えていかなくてはならない」という思いから、式井社長は、何年にも渡り、全国の蔵元と協働し木桶の保全と魅力を伝える「木桶職人復活プロジェクト」に参加してきた。

 同社では、木桶を譲り受けるための準備に着手、9月中旬に木桶を引き取る予定で、桶の設置や清掃、メンテナンスを行い、10月中旬に仕込みをする予定。順調にいけば、12月中旬に白しょう油を搾ることができる。新しい桶での最初の仕込みは、「まるで初めての子育てのようであり、多く試行錯誤が求められ」と式井社長。木桶でつくられるしゅう油は生産量のわずか1%、その中でも白しょう油は流通量も生産量も最も少ないという。長い年月を経て木桶には蔵の菌が住み着き、蔵独自の味わい深い醤油を生み出していくそうだ。

 白しょう油の木桶での仕込みには、復活には、手数料を含む最低120万円程が必要となり、クラウドファンディングの実施を決めた。式井社長は「伝統木桶白醤油復活プロジェクト」は、「新米の桶とともに伊勢藏の白醤油の味を育てていく最初の大きな一歩であり、大切な瞬間。伊勢藏木桶白醤油の初仕込みの味を多くの人と楽しみ、また、これからの成熟と成長を多くの方々と楽しんでいけたら」と話していた。詳細はクラウドファンデングのサイト(https://camp-fire.jp/projects/785235/view)へ。

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