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クローン技術で「愛猫そっくりな猫」を再現…中国でますます高まる需要と疑問視する声

ねこちゃんホンポ

亡くなった愛猫をクローンで再現

画像はイメージです

Liu Xingさんは15年間ずっとかわいがってきた愛猫が亡くなったとき、猫のことを忘れることができませんでした。そこで約14万元(約270万円)を払ってクローン作成を依頼し、亡くなった愛猫とほぼ同じタイプの猫「Little Tomcat」を誕生させたのです。

「投資に見合う価値がありました」と彼女は言います。

彼女の経験は中国では珍しくありません。愛猫との絆を深める方法として、クローン技術を活用する飼い主が増えているからです。かつてはSF小説だけの話でしたが、現在では動物のクローン化はペット市場の拡大と技術の進歩によって発展し、前途有望なビジネスになっているのです。

都市部で特に高いペット人気

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中国では少子化が止まりません。飼育される動物が子供の数を上回っています。ゴールドマン・サックスのレポートによると、2024年にはペットの数が4歳未満の子供の数を超えました。中国の都市部住民の8人に1人はペットを飼っていると推定されています。

中国動物農業協会ペット市場支部のLiu Xiaoxia副事務局長は「動物は、昔は家の警備など実用的な目的で飼育されていました。でも今では、人間と同じように精神的交流や友情を抱く対象になっています。人々の日常生活に深く溶け込んでいるからこそ、クローン動物の利用が爆発的に増加したのです」と話しています。

ペットのクローン作成はとても高価です。市場1位のSinogene社を利用する場合、猫1匹で約4万ドル(約572万円)、犬は約5万ドル(約715万円)がかかります。 同社のウェブサイトでは、顧客に「大切な友だちを取り戻すための選択肢」を提供しており、動物のクローンによって「愛するペットの魂を生き続けさせるお手伝いをします」とうたっています。

クローン作成は、元の動物から皮膚サンプルを採取してそのDNAをドナーの卵子に移植し、胚を代理母に移植することで行われます。元の動物が亡くなってから数ヵ月、あるいは数年後に遺伝的にそっくりの双子が生まれるというわけです。

多くの課題が残るクローン化

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クローン技術は、亡くなったペットと「再会」する手段として人気ですが、その手順に問題がないわけではありません。動物愛護活動家は、クローン技術に利用される代理母に不必要な苦痛を与えていると主張し、そのプロセスを「残酷」だと主張しています。

Sinogene社は「当社の技術は性格、知性、外見など、ペットをかけがえのないものにしているすべての特別な資質をコピーします」としていますが、クローン化された動物が遺伝的には類似していても、本当に元のペットと同じ性格や精神を持っているのかは疑問です。

中国初のクローン猫「Garlic」の飼い主Huang Yuさんは、このことを実感しています。クローンで誕生した新しい猫は、DNA上は愛猫と同じでも体の模様はわずかに異なっていました。しかもGarlicと違って、彼に対して何の反応も見せなかったのです。

「毛並みの基本的な模様は同じですが、あごにある特徴的な黒い毛の斑点がなく、初めて見たときは少しがっかりしました」といいます。

事故も発生しています。あるケースでは、意図せずに何匹ものクローン犬が同時に生まれてしまいました。注文をした飼い主は、思わぬ高額な出費を強いられてしまったのです。

クローン動物に安らぎを見出す人がいる一方で、遺伝的にコピーするだけで、これまでの経験によって形づくられた独自の性格や記憶をもつペットと同じものを生み出せるのかについては疑問視する声もあります。

しかもクローン技術そのものの倫理性や有効性、長期的な影響など、まだ合意を得られない問題が山積みになっていることは確かなようです。

出典:Family pet cloning soars in appeal in China as owners informed they can defy death

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