「大企業の経営層に所得が集中している」森永卓郎と岸博幸が共通した経済の問題点
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組、『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 9月30日の放送は、大竹まことが夏休みのため、月曜パートナーの阿佐ヶ谷姉妹と太田英明アナウンサーが、宝島社から発売中の『遺言 絶望の日本を生き抜くために』を岸博幸氏と共著した、森永卓郎氏をゲストに迎えてお話を伺った。
阿佐ヶ谷姉妹・江里子「この御本は、岸博幸さんとの共著ということなんですね」
森永「岸さんは60歳ぐらいかな? 2人とも癌の宣告を受けて、残りの人生をどう生きるのかというテーマで対談をしたんですけれども、そもそも意見は基本的に合わないんですよ」
阿佐ヶ谷姉妹・美穂(笑)
江里子「だから、ちょっとびっくりというか「あっ、対談されたんだ」っていう感じでした。ご一緒されることは全然ないわけじゃないでしょうけどね」
森永「今までテレビとか雑誌とかで共演したのは多分4~5回しかないんじゃないかな。思想的にはかなり違うので、資本主義者 対 社会主義者みたいな感じなんです」
太田アナ「森永さんが、ある種、天敵としている竹中平蔵さんの部下として働いていたのが岸博幸さんですよね」
森永「ただ、そこはちょっとかわいそうなところもあって、人事異動で(竹中氏の)秘書官に行ってるので、自ら志願して竹中平蔵のもとに走ったわけではないです。ただ、すごく違うのは、岸さんっていうのは人との対立を生まないように上手にしてるんです。私は、どっちかっていうと石破茂タイプなんで、一人ぼっちにすぐなるんです。例えば、財務省の話をするとき、強力な権限を持っていることを、私は何と表現するかというと「あれはカルト教団ですから」って言うわけです。岸さんは「あれは軍隊ですから」だと言うんです。言われた方はね、軍隊だって言われるのと、カルト教団って言われるのでは、印象がずいぶん違うわけですよ」
江里子「森永先生のパワーワードですね」
森永「岸さんは、人の言うことを頭ごなしに否定しないんですね。だから私がなんか言っても、「森永さんの意見は半分賛成で半分反対です」って受けるわけ。そうやって一応逃げ道を作っといてから、全然反対の違うことを言う。そういうことをしてるから、私はテレビ全部干されるけど、岸さんサンジャポに出続けられる。この違いがある」
スタジオ(笑)
森永「ただね、今回話をして共通点があったのは、やっぱり分配の不平等はダメだよねっていうところは、ものすごく意見が一致して、結局、日本経済のパイを大きくしても庶民はちっとも豊かになってない。それが、一部の大企業の、もっと極端に言うと、経営層にどんどん所得が集中している。だから昔は上場企業の社長でも年収2000万から3000万円だったんですよ。今みんな何億円になってる。その人たちがガッポリ取っちゃって、庶民はずっと実質賃金が減り続ける。こんなことやってたら、成長するはずないじゃないですか。だって消費者は庶民なんだ。何億円も稼いでる人って、別にスーパーも行かないし、コンビニもいらないわけですよ。だから消費に結びつかないし、技術革新にも結びつかない。そこは改めないといけないよね、っていうのは共通項」
江里子「そこはご一緒だったんですね」